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いかにしてバーニングするのかを模索している日々。
そんな日々の中、たまたまたけしが組んだパーティーで、ちょっとしたヒントを得ることになる。それは、もしかすると、炎属性全体を変えるかもしれないことだった。
彼にヒントを与えたのは、ウェンズデイあけみ。
彼女は水属性から氷属性に転向した女性だった。
そんな彼女の戦い方を見て、ちょっとしたヒントを得た。
あけみはモンスターを凍らせるのではなくて、地面を凍らせるのだ。そうすることで、自分たちにとって有利なフィールドを作り上げ、その上で戦う。
そういうやり方を見て、たけしは思い付いた。
(地面を炎にすればいいのではないか?)
と思い付いた。
そうすれば炎属性が有利なフィールドで戦闘をすることができる。
そして、そんなやり方をしている冒険者の話は聞いたことがなかった。
ヒントを与えてくれたあけみと話をすることになったたけし。
「あの魔法ってどうやってやってるんですかね?」
「別にそんな大したことじゃないわよ。地面にそれなりの厚さの氷の膜を張っているだけ」
「アレって炎でもできそうですかね?」
「できるんじゃない?てきてもずっと相手の足がダメージになるだけって、そうなったらちょっと強いかもね」
永続ダメージを与えながら戦闘をする。
それをすることができれば、他の炎属性にはない武器を得られる。
それは事実だったが、問題は、どうやってそれをするのかという話だった。
これはフレイムの元に持って帰る必要がある話だった。
あけみの顔は少年のような顔をしていた。それは美少女、というよりかは美少年といった感じの顔で、人によっては美人だとすら思わないような顔だった。
それでも彼女はモテる。
特に、女性からモテるのだった。
本人はそれを望んでいなかったが、どうしても、どのように生きていてもそうなってしまうので、それに関してはもう諦めていた。
現に今も黒のロングヘアーをしていたが、それをしていたとしても、カッコいいと思われてしまうのだった。面倒だったので、同性よりも異性と一緒にいる時間の方が長かった。
「ちょっと練習に付き合おうか?私にできることがあったらなんでも言ってね」
「ホントですか?でも、そんなの迷惑になっちゃうじゃないですか」
「そんなこと気にしなくていいのよ。私としても、この技がもっと広まってほしいと思ってたからね。こんなに興味を持ってくれた人は初めてだったの。こんなに冒険してたのに、同じ属性の人からはなんにも言われなくて。言われたとしても、社交辞令みたいな挨拶だったしね」
というわけで、二人は一緒に技の開発をすることになった。
とはいってもメインとなるのはたけしだ。
それから、三人で合流し、技の練習をする。
実際にそれをしてみると、案外難しく、やはり鍛練が必要になりそうだった。だが、普段から怠けていた二人はそれについていくのが少し難しかった。
それでも、なんとかして食らいついていったのは、あけみがいたからだ。そういう人が近くにいなければ、絶対にこれを乗り越えることはできなかった。
そんな感じで、なんとかその技を習得した二人だった。
が、しかし、それは実際にモンスターに使ってみるとそこまでではない。もちろん、フィールドを有利な状態にできるという意味ではかなり効果的な魔法ではあった。
とはいえ、それが決定打になることなどなかった。
あくまでも補助的な魔法であり、他にも何かをする必要があった。
二人はまた悩むことになる。
どうすればいいのかと悩み、どうにかして成功できる方法をまた、模索することになる。
「結局、ダメっぽかったな」
「まあ、悪くはないよ。もう少し俺たちに才能があったら普通に使えてたと思うよ」
「それはあくまでもそういう土俵に立ってからの話だろ?俺たちはそういうのじゃなくてもっと発想とかアイディアだけでなんとかしたいんだよ」
楽したい気持ち、そして、まだ不十分であるという思い。
そういうのを全部コミコミで、サボるという選択をする。
それはそれとして、やったことは何かに活かしたいと思っていた。
せっかくそれなりの時間をその技の習得にかけたので、時間分くらいはリターンを得たいと思っている二人だった。二人の考えていることはほとんど一緒だ。
「なんか有効活用する方法はないかね」
「本でも書いてみるか?新しい技を見つけたって本を書いたら、もしかしたら意外と売れるかもしれない」
「それ、俺も思ってたんだよ。そういう生き方もありかもしれない。別に、小説家とか作家なら冒険者と同じくらいにはいい感じだしな」
「そうしようぜ。もしかしたら、俺たちって冒険向いてないかもしれないしな」
というわけで、執筆活動をすることになった二人。
それはそれでとても面倒なことだったが、炎属性の勝負を避けられるのであれば、多少の面倒は二人とも許容するつもりだった。
二人はダンジョンから帰る。
そして、どんな本を書くのか話ながら帰宅した。
とても能天気な二人だったが、だからこそ成功する可能性があるのだろう。
一旦終了です




