タンポポちゃんと三咲.2
彼女が連れてこられたのは、グロウス学園高等部の生徒を束ねる生徒会室だった。
「デザロ!ちょっとソファー借りるわよ!……あなたはここで待っててね?逃げたらどこまででも追うから」
威圧的な言葉に彼女は震えるように頷いて返すと、女性は生徒会室から出ていった。
彼女が出ていってしまったことに呆然としていると、
「マジか……何の説明もなしに女子生徒置いてきやがった」
そう呟いたのは『デザロ』と呼ばれた人物。
彼女はそれが誰だか知っていた。この学園の生徒会長デザロ・バルオンである。生徒会室なのだから、いて当然の人物だ。
「あー。なんだ。ミサキと知り合いか?」
デザロの言葉に、首をふるふると横に振り否定した。
そして女性の名前が『ミサキ』ということを彼女は初めて知った。
テザロと彼女は一言も発することなく静寂の時間が少し流れる。
『はぁ』とテザロからため息がつくと、彼女に質問がかかった。
「……なんで連れてこられたか分かるか?」
彼女は先程と同じようにして連れてこられた理由は分からないと、否定の行動をした。
「……誘拐みてぇ」
テザロがボソッとしかしはっきりとした声で言った言葉に彼女はやけにしっくりと来てしまった。
その時。
――ガチャ、バン!!!
「誘拐なんて失礼ね!」
扉が突然勢いよく開きミサキが入ってきた。出ていってから帰還までが早くて彼女は驚いた。
それに直前のテザロの言葉を聞いていたようだ。
「タイミングわりぃな!しかも地獄耳かよ!」
「地獄耳なのは否定しないわ……さて。これ、全校生徒の名簿。あなたはどの人に虐められてるの?クラスは?そういえば名前を聞いてなかったわね、名前は?」
「え、ぇっと」
彼女は突然の質問攻めに戸惑う。
「待て待て待てっ!どうやって手にいれてきた!?」
「先生をおどし…お願いして」
「今、脅してって言おうとしただろ!」
彼女にも『脅して』と言いかけたのが分かるほど、分かりやすく言い直したミサキ。
「はぁ。もう、デザロは黙っててよ…」
「疲れんなよ!」
2人の喧嘩をただただ呆然としながら見ている彼女に、ミサキが喧嘩をやめ、尋ねた。
「で?貴女の名前は?」
「あ、ぁ……サブナリア・ビーツ、です……」
「そう。じゃあ、次は虐めてる人はどの人?」
サブナリアの心臓がドクッと驚くように鳴るのを本人は感じた。
「・・・」
「はぁ。じゃあ、なんで虐められてるの?」
「・・・」
「な・ん・で。虐められてるの?」
名前を尋ねられると答えたが、誰に虐められてるのだと聞かれたるがサブナリアは答えようとはしなかった。




