タンポポちゃんと三咲.1
余震に警戒を。
このお話は少しざっくりめに進みますです。
これはとある2人の出会いを描いた物語。
「ぐすっ……」
人がまったくといって来ないの建物の影で泣いている1人の少女がいた。
彼女はクラスメイトに虐められており、今も逃げ出しここに来たのだ。
隠れられるここでじっと長く感じる時間が過ぎるのを待っている。昼休みの時間なので、チャイムがなって教室に戻れば虐められることはない。放課後は急いで出ればいい。毎回うまくは行かないが、ここにさえ隠れられれば安全であると。
そう考えていた時だつた。
――コツッ。コツッ。コツッ。
靴が地面を歩く音が聞こえてきた。男性の履く靴の音ではない。女性用の少し踵が高いタイプの靴の音だと彼女は判断した。そしてその音が明らかに彼女の方へと近づいてきている。
誰かがこちらに向かって歩いて来ているのだ。
彼女は泣くのをやめて、必死に声を出さないよう口元を両手でぎゅっと抑え、呼吸する音が聞こえないようにただじっと耐えた。
ここは隠れるのは適していたが、逃げるのには向いていなかった。見つかったら何をされるかわからない!
自分の心臓の音が耳へと伝わり聞こえてうるさいくらいに、彼女の心臓がバクバクと鳴る。
――コツッ。コツッ。コツッ。
歩いてくる音はどんどんと彼女に近づき、
そして――
「ん?」
「あ……」
彼女は上を見上げるとその人物の茶色の瞳と目があった。
ばっちりと。
声を出さないようにしていた手は口元から離れ、声に出すつもりはなかったが驚きから1音出てしまった。
「どうしたの?」
心配そうに訪ねてきたその女性は、漆黒の長髪ポニーテールに黒みがかった茶色の瞳、そしてこの学園の高等部、最高学年を表すバッチを胸元に付けていた。
しかし他の人は助けないくれない。助けてくれたとしても虐めてる子達に告げ口をしに行くことを知っている。それが上級生でも。
それほどまでに虐めてる子達は爵位が高い。
「な、なんでもないです!」
その場から急いで逃げようと、女性の前を通り向け――――ようとした彼女の腕をガシッと掴んだ女性。
「待って!」
「!!!」
「そんな泣き腫らした目をしててなにもないわけないでしょ!」
「かっ、花粉症なんです!」
言い訳をしてなんとか立ち去ろうとする彼女。
しかし、腕を離してくれないことには逃げれない。
「あの、離してください!」
「嫌よ。虐められてる子を見逃せないわ。来なさい!」
「わっ!」
彼女が虐められていると言い切った女性は彼女の腕を引っ張っていく。
その力は強く、彼女には振りほどくことは出来なかった。
外伝……とっても不安
ヒューマンドラマ⇒異世界恋愛