♪ 2.キャンプ地 18 ~ 金貨がザクザク ~
10.000Q金貨はセロフィートの掌の上から──〈 魔法陣 〉の中から物凄い勢いで溢れ出て来ている。
止まる気配は一向にない。
マオ
「セ、セロ…さんっ!
何時迄出続けるのかな?
此の金貨って──」
未だかつて見た事のない金貨の多さに対して、食事中のマオは手を止めてパニクっている。
マオの両足は10.000Q金貨で埋ってしまい、ピクリ…とも動かせない状態である。
セロフィート
「どうやら此の『 黄金の聖杯 』は、かなり金額の高い品みたいです。
純金ですし?」
マオ
「──ぃゃ…ぁのっ、そんなのいいから、何とかしろっ!!
金貨を止めろ〜〜〜〜っ!!!!」
セロフィート
「変換中は止めれません。
10.000Q金貨専用の〈 金庫魔法陣 〉を出すとしましょう」
マオ
「何でもいいから、早くしてくれ!!」
セロフィート
「はいはい」
暢気でマイペースなセロフィートが地面へ〈 金庫魔法陣 〉を出すと、10.000Q金貨は、掃除機に吸い込まれるゴミの様に〈 金庫魔法陣 〉の中へ吸い込まれて消えていく。
10.000Q金貨が吸い込まれ、マオが両足を動かせれる様になった頃には、セロフィートの掌の上には数枚の10.000Q金貨しか残っていなかった。
マオ
「…………はぁ〜〜〜〜……生きた心地がしなかったな…。
金貨に溺れて窒息死とか勘弁だよ…」
セロフィート
「安心してください。
マオは不老不死です。
死ねません。
窒息はしても苦しいだけです。
ワタシが〈 原質の源 〉へ変換しない限りは──」
マオ
「苦しいのかよ?!
死ねないのに『 苦しい 』とか『 痛い 』とか嫌なんだけどっ!!」
セロフィート
「感覚は人並みに残ります。
限界を超えると何も感じなくなります」
マオ
「………………そう…何だ…。
限界を超える迄は辛い訳だな〜〜〜……」
セロフィート
「ふふふ…。
そうですね」
マオ
「……笑えないだろ〜〜〜〜……。
其にしても随分沢山の金貨が出たよな?
10.000Q金貨ばっかりじゃ、買い物する時に不便じゃないか?」
セロフィート
「そんな時は10.000Q金貨を使い易い硬貨へ変換させれば済みます。
態態《 課金所 》へ寄る必要も無くて楽です」
マオ
「…………そだな…。
セロに掛かれば、ほぼほぼ何でもありだもんな……。
ははは……」
マオは力無く、笑うしかなかった。
老いる事のない体,永遠の命,使いきれない程に尽きない金貨,減らない清潔な水,食べきれない程の新鮮な食材,必要な生活用品……其等以外の物も、総てが此処にはあった。
セロフィートさえ居れば、何の不自由もなく、何処に居ても、どんな過酷な状況に置かれたとしても快適に暮らせるのだ。
マオ
「……………………セロはさ、ほぼほぼ何でも出来るだろ?
今迄さ、旅をして来た中で…狙われたり,追われたり,捕まったり,何処かに閉じ込められたり……とかさ、した事あるのか?
セロの凄さを知った人間は、何かやりそうな気がするんだけど??
旅してる間、そういう危険を回避とか出来てたのか??」
セロフィート
「そう…ですね…。
旅を始めたての頃は……そこそこ、いろいろな目に遭いました」
マオ
「遭ったんだ…」
セロフィート
「ワタシには障害も障害になりませんし、苦は感じません。
人,時代,場所が変わっても、される事は大体同じですし、寧ろ面白味が無かったです」
マオ
「面白味??」
セロフィート
「詰まらない──という事です。
態態、態と捕まってあげたのに…此と言って心が弾む様な事は対して起きませんでしたし…」
マオ
「んんんんんん????
態と捕まったりしてたのか??」
セロフィート
「そうですね。
退屈凌ぎに偶には。
折角の旅です。
楽しみたい時もありました」
マオ
「へ……へぇ…??
…………セロってさ〜〜〜〜もしかして…自分からトラブルを作って、被害者面して、周囲を掻き回して楽しんじゃう奴だった訳??」
セロフィート
「昔は──ですよ?
此処200年はしてません。
安心してください」
マオ
「…………。
( 否定しないのかよ…。
オレの知ってるセロは虫も殺せないくらい暢気過ぎる奴なのに…… )
『 此処200年は 』って事は…其以前は何かしてたのか??」
セロフィート
「1900年間です?
──時時やんちゃしてました♪」
マオ
「えぇぇぇぇ〜〜〜〜……。
マジですか……」
セロフィート
「はい?
マオ?
どうしました?」
マオ
「…………ぃゃ、別に…。
因みにさ〜〜……何した訳??
オレ…会う前のセロの事さ、何にも知らない訳だし……。
知りたいって言うか…。
ダ…駄目かな??」




