♪ 2.キャンプ地 19 ~ 人形の思い出話 1 ~
セロフィート
「話すのは構いませんけど…。
聞きたいです?」
マオ
「き、聞きたい!!(////)」
セロフィート
「はいはい。
旅を始めて暫くは出会うもの総てが目新しく、其なりに楽しかったです。
其も慣れてしまえば、次の『 楽しい 』を探しました。
1人旅が詰まらなく感じて来た頃、出会った人間達へ思い切って、人知を超えた不思議を見せてみました。
そうすると、どんな善人も目を血走らせて、態度を豹変させたのです。
其が何度見ても面白くて──。
結局…飽きましたけど…」
マオ
「…………そ、そうなんだ??
どんな不思議を見せたんだ?」
セロフィート
「いろいろ試しましたけど…。
──雨水を金へ変換させた事もあります。
貧しい≪ 集落 ≫でしたし、一寸したお茶目なつもりで…。
そうしたら、あれよあれよと言う間に≪ 大陸 ≫で4番目に大きな国となりました」
マオ
「く…国?!
貧しい≪ 集落 ≫を国にしちゃったのかよ?!」
セロフィート
「ワタシは雨水を金へ変換していただけです。
知らぬ間に──です」
マオ
「………………」
セロフィート
「金に依存していた国でした。
強欲で軍事力の強い隣国に目を付けられ、瞬く間に占領されましたけど…」
マオ
「…………セロは其の後どうしたんだ?」
セロフィート
「面白そうなので〈 吟遊大詩人 〉として隣国へ入国しました」
マオ
「…………其の国でも何かしたのか?」
セロフィート
「そこそこには♪」
マオ
「………………。
( 何したのか気になるけど止めとこう…。
セロの奴…自分が悪い事したって自覚が全然無いんだな… )」
セロフィート
「マオ?
どうしました?」
マオ
「え?
……あ…うん…。
料理…冷めちゃったな〜〜〜って思ってさ…。
冷めても美味しいんだけどな(////)」
セロフィート
「温めます?」
マオ
「あ…いや、いいよ。
此のままで!」
セロフィート
「そうです?」
マオ
「直ぐ食べちゃうな!」
セロフィート
「慌てないでください。
料理は逃げませんし」
マオ
「うん…」
マオは止めていた手を動かし、料理を口へ運ぶ。
マオ
「…………なぁ、セロ…」
セロフィート
「どうしました?
お代わりです?」
マオ
「あっ、頼む。
スープ、美味いよな!
スープだけで飲むのが勿体無いよ」
セロフィート
「そうです?
其なら、此方の野菜サラダにスープをかけます」
セロフィートは鍋から、オタマですくったスープを深皿に入っている野菜サラダへかけた。
サラダ用の杓文字を使い、スープが野菜サラダと満遍なく混ざる様に確りと混ぜた。
セロフィート
「どうぞ、マオ。
スープをドレッシング代わりにした野菜サラダです」
サラダ用の取り皿に野菜サラダを載せた皿をマオの前に置いてあげる。
マオ
「有難な(////)」
唯の野菜サラダにスープをかけて混ぜただけなのに、セロフィートが盛り付けをしただけで、何とも言えない特別感が滲み出ている。
セロフィート
「懐かしいです」
マオ
「何がだ?」
セロフィート
「昔、此と同じサラダを作った事がありました」
マオ
「へぇ〜〜〜?
そうなんだ?」
マオは兎の様に野菜サラダを美味しそうにモシャモシャと食べながらセロフィートの話を聞く。
セロフィート
「其の時は、1皿800.000Qで売れた事がありました」
マオ
「……………………は??
何??
此の…今、オレが食べてる野菜サラダが1皿800.000Qで売れただぁ?!」
セロフィート
「はい。
嘘の様な本当の話です」
マオ
「誰が野菜サラダに800.000Qも払うんだよ??
ソイツ…馬鹿だったのか??」
セロフィート
「ちょっ…マオ…。
そんな事を言ってはいけません…」
マオの発言に、セロフィートは口に手を当て笑いを堪える。
マオ
「だってそうだろ?
野菜サラダだぞ?
野菜サラダに800.000Qも出すとかさ〜〜〜。
馬鹿ボンじゃんか!」
セロフィート
「マオ…。
君の言う通りですけど…。
( 未だ王子だった頃のマオの高祖父ですけど…。
マオには言えませんね… )」
マオ
「…………此の野菜サラダが800.000Qかよ…。
──オレは今、800.000Qの野菜サラダを食べてるわけだよな〜〜」
セロフィート
「そうですね」
マオ
「ん〜〜〜でも…其の馬鹿ボンはさ、800.000Qを支払ってでもセロの作った野菜サラダを食べたかったんだろうな?
じゃなきゃさ、野菜サラダに800.000Qも出さないだろ??
金持ちだったのか??」
セロフィート
「其は其は裕福な方でした。
阿呆ボンは止めてあげてください」
マオ
「馬鹿ボンだよ」
セロフィート
「そうでした?」
マオ
「そうだよ」
セロフィート
「ふふふ」
セロフィートは何が可笑しいのか、クスクスと笑い出した。
昔──、未だ王子だった頃のマオの高祖父をセロフィートは『 阿呆王子 』と親しみを込めて呼んでいた。
其の事で思い出し笑いをしたのだ。




