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ゼノンの二番弟子

セレスと生徒達が大いに盛り上がっている頃、ゼノンの元へ思わぬ来訪者が現れた。




「ゼノン様!」



声がする方へ目を向けると、そこに立っていたのはロベルトであった。

侯爵であり、魔法局局長でもあるロベルト。


ゼノン「久しいなロベルト。お前程の重役がこの様な場所に顔を出しても良いのか?」


ロベルトの役職である魔法局。

それは、完全に実力制度であり魔法を熟知し極めた者のみが入れる所である。

そして、その中でも局長に座れるものは人間界でもトップレベルの魔法使いでなくてはなれない。

つまり、ロベルトはかなりの実力者なのであり滅多にお目にかかれない偉い人なのだ。


そんなロベルトが一般人の元へわざわざ足を運んだのだから

周りは騒然となっていた。


ロベルト「何を言われますか。私なんて姐さん同様、拾っていただけなければ野垂れ死んでいましたよ! それに、この力もゼノン様にご教授して頂いた賜物です。」


ロベルトが姐さんと呼んでいるのは、セレスの事である。

セレスを拾った後に、ロベルトも似たような状況で出会ったのだ。

そして、セレスの弟弟子としてゼノンの元で魔法を習っていた。

セレス同様魔法の天性はあったが特殊な適正であった。


ゼノン「『圧死のロベルト』お前の実力あってであろう。」


ゼノンの言葉に顔を赤くし、言葉を詰まらせるロベルト。


ロベルト「ぐぐっ、そ、この名前はおやめ下さい・・・・・・それに

何故、ゼノン様が知っているのですか?」


その二つ名がセレスと共に広まったのは昔の事である。

だが、ゼノンが知っているのも当たり前であった。


ゼノン「私も今は冒険者として働いているからな。

いやでも耳にするさ。それに、お前であろう?SS級というものを作り、私とメフィをSS級に推薦したのは。」


そう。ゼノンは冒険者である為、S級冒険者の話題は少なからず耳に入るのだ。


この国に5人しかいないS級冒険者。

セレスに続きロベルトもS級であった。


ロベルト「そうでしたね。ゼノン様はS級などに収まる御方ではありませんからね」


メフィ「って事は貴方のせいで、あの二つ名がついたのね!!!」


凄い剣幕でロベルトに迫るメフィ。

あまりの気迫に押し込まれるロベルト。


ロベルト「お、奥方様?! そ、それは私のせいでは無いですよ!

冒険者達が噂し、勝手に付けたのですよ!」


焦りながらもそう話すロベルト。

しかし、メフィは急に笑顔になると、


メフィ「冗談よ! 冗談♪ 貴方には感謝しているのよ?

貴方のおかげで職なしの親から脱して尊敬すべきお母様へと

進化することが出来たのですからね!ありがとうロベルト」


メフィの言葉にホッと胸をおろすロベルト。


ロベルト「冗談がキツイですよ奥方・・・・・・とにかく、ここへは祝いの言葉を持ってきたのです。ゼノン様、奥方様---本当におめでとうございます。これで魔法局の将来も安泰というものです!」


ゼノンは首を傾げるも、どうやらロベルトは子供達のいずれかを

魔法局に入れようとしているようだ。

危険がつきものの仕事であるが将来性もあるし、子供達がやりたいのならその時はやらせてあげようと思うのであった。


ゼノン「うむ。子供らがどこで働くかは分からぬが、魔法局に入った時はよろしく頼んだぞ」


ゼノンの言葉に頷き、その場を後にするロベルト。


メフィ「本当にゼノンの周りは良い人間ばかりなのね!

ゼノンが育てた人間は皆が善人だもん! 子供達の将来も安泰ね!」


ゼノン「弟子に関しては、育ててはいないぞ? ただ、魔法を教えただけだ。人間の子育ては、トラリーとムムが初めてだからな」


メフィ「それじゃあ、ゼノンに関わった人は!だね!

トラリーとムムもちゃんと良い子に育ってるしね!」


ゼノンは頷く。

二人の家庭環境で、あんなに真っ当な人間に育ったのはトラリーとムム、二人がしっかり自我を持ち、親の行いを間違っていると認識していたからであろうとゼノンは思う。


愛無く育ったのだから、その分これからは愛を与えなければいけないなと思うゼノンであった。





しばらくすると、子供達が帰ってきた。


ムム「ただいまお父さん!お母さん!ムム達頑張ったよ!」


トラリー「き、緊張したー・・・・・・皆の顔を見るとホッとするなぁ」


目をキラキラと輝かせながら、元気いっぱいにそう話すムムと

疲れきって今にも倒れそうなトラリー。

そんな二人を暖かく迎えるゼノン達。


メフィ「本当に頑張ったわね二人とも! お母さん感動しちゃった!ギューさせて!!!」


そう言うとメフィは二人を思い切り抱き締めた。

ムムは喜んでいたが、トラリーは相も変わらず照れている。


そして、後からシンとリリアもやってきた。


リリア「ただいまー! 今年も勝ててよかったー!!! それに姉の

威厳も示せたんじゃないかしら?」


シン「父上、母上、ただいま戻りました」




そんな二人にゼノンは近付き、二人の頭に手を置く。


ゼノン「よくぞ弟達を守り、勝利に導いてくれたな。よくやった」


二人の頭を優しく撫でるゼノン。

前のゼノンからは想像もつかないほど、優しい顔をしている。

ゼノンに撫でられると、まるで自然そのものに包まれてるような

感覚に錯覚してしまうほどだ。


リリアは思い切り顔を赤くし照れているが、シンは相変わらずポーカーフェイスである。

だが、耳が赤くなってるのは内緒だ。


そして、他の皆からも賞賛の言葉が贈られた。





ゼノン「では行くとするか」


ゼノンの言葉に首を傾げる主役の4人。


バリアン「今日は四人が頑張ったから外で外食じゃ!!!」


バリアンの言葉に目を輝かせるトラリーとムム。

シリュウのご飯にも大満足ではあるが、やはりこういう時は

外で食べたいのが子供達である。


レイラ「皆で外食もたまにはいいですね♪」


フレイ「もう、店は予約してあるのでいつでも行けますよ」


シリュウ「我も一度は行ってみたかった店であるから楽しみである!」


エリシア「なんか私達まですみません」


フィルル「ムムと久しぶりにご飯食べられるだよー!」


不死の王「私まで誘って頂き、至極感激です」


今回はゼノン一家総出での外食である。

ちなみに普段は、家で食べる事が多い為、全員での外食は初だ。


メフィ「それじゃあ、皆でしゅっぱーつ!!!」


メフィの合図で皆が仲良く、予約した店に足を運ぶのであった。

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