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世界最強の魔王 〜戦いに疲れスローライフを目指すも何故か 人間の子育てをすることに〜  作者: ディアン


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子育てならぬ親育て

総勢13人の大人数で歩くゼノン一家。

美男美女が多い為、擦れ違う人達は振り返り目を送っていた。


ムムはメフィと手を繋いで歩いていた。


ムム「そういえばお母さん! ムム達の学校ね、明日はお休みなんだって!」


メフィの顔を見上げながら笑顔でそう話すムム。


メフィ「そうなの?! それじゃあ3連休ね♪」


ムム「うん! 優勝したから校長先生が明日は休みにしてゆっくり休んでねって!」


メフィ「休みになったのもムムやトラリー、シンにリリアが頑張ったおかげね♪ 本当によくやったわねムム♪」


手を繋いでいない方の手で頭を撫でるメフィ。

ムムも大満足の表情である。




ちなみにだが、人間界の世界では1年を4つに分けている。

四季も4つあり、桜が咲く暖かい月を『風の月』

気温が暑く、日照りの多い月を『火の月』

少し肌寒く、草木が枯れていく月を『土の月』

気温は低く雪が降る月を『水の月』という。


壱風の月、弐風の月、参風の月となっており、毎月が28日で

区切られている。


1週間は7日あり、1週間を4週繰り返すと月が変わるのだ。


火、水、風、土、雷、闇、光の曜日があり、今日は

参風の月の11日、雷の日である。

1週間のうち、闇と光の日は休みであり週に2日休みがあるのだ。

だが、今回はセレスの計らいで雷の日も休みとなった。

その為、子供達は三連休なのである。




ゼノン「三連休か・・・・・・子供達も頑張った事だし、何かご褒美をあげなくてはいけないな。ふむ・・・・・・如何したものか」


ゼノンは歩きながら一人思考していた。

子供が頑張ったら褒美をあげる。

段々と父親の役割を理解してきたゼノンであった。





そうしてる内に、フレイが予約してくれた店へと辿り着く。


フレイ「皆さん着きましたよ。此方が今日食事をする店

アルカディアです。」


皆が店を見上げる。


外装は美しく、周りの建物とは一線を画す建物であった。


中へ入ると天井には巨大なシャンデリアが光を灯し、店内を

明るく照らしていた。

内装品もどれも高価なものばかりであり、一目で高級店だと理解出来る。


皆が内装に見惚れていると、ウエイターが一人歩いてきた。


ウエイター「いらっしゃいませ。本日は、当店を選んで頂き誠にありがとうございます。本日は貸し切りとさせて頂いた為、ご緩りとお寛ぎ頂き、食事を楽しんでいってください。」


しっかりと強要されたであろうウエイターに案内され、テーブルへと向かう。


店内は広く、真ん中にとても大きな円形のテーブルが置かれていた。

椅子も13個置かれており、テーブルのセッティングも既にされていた。




エリシア「ん?この食器やグラスは・・・・・・」


エリシアの言葉に奥からやってきたオーナーが話しかける。


オーナー「これはこれは、本日はご来店、誠にありがとうございます。そして、お客様は物を見定める目をお持ちのようですね。これらの食器はここ最近とある商人に売っていただいたのです。どれらも精巧に作られた1級品です。この国一番の食器だと私は思いますよ」


大絶賛するオーナー。


そして、ゼノンも食器に目をやる。





ゼノン「これは---エリシア、お前がエオメルと共に作った物であろう?」


そう。この店で使われている食器、グラスは全てエルフである、

エリシアとエオメルが作った物であった。

手先が器用であり、材料を買い揃えて作り、それを元商人である

ソルナが売っているのだ。


そういえば、とある有名店に売る事が出来、大金を稼いだとソルナが喜んでいた事を思い出した。

その店がここだったとは、ゼノンも何かの運命だと感じていた。


ゼノン「エリシア、お前達の働きはこうして人々を幸福にしているのだな。お前達の作り上げた物が、世に出ている事を思うと私も誇らしい。よくやったなエリシア」


ゼノンに褒められ、普段は冷静のエリシアも照れ臭いのか

てんやわんやしている。


エリシア「い、いえ! 私だけの力ではありません。エオメルの力やソルナの交渉のおかげです。皆の力あっての事なので!」


エリシアの言葉にゼノンは微笑む。


ゼノン「何かお前達にも褒美をとらせないとな。

何か欲しい物があればいつでも言うがいい。

さぁ、お前達の傑作で乾杯をとるとしよう」


エリシア達の作ったグラスにはワインが注がれていた。

そして、なんとこのワインもエオメルの作ったワインであったのだ。

これには、大人達も驚きである。

どれもこれも、ゼノンの作った街で作られたものばかりなのだ。


ちなみに子供達はりんごジュースを注いでもらった。

もちろん、これもエリシアの育てたリンゴから作られている。


ゼノン「では皆、グラスを持ったな。我が子供達の勝利に

乾杯」


全員「乾杯!!!」


ゼノンの合図に皆がグラスを掲げ、口に入れる。

親しみ慣れた味であり、店の雰囲気も相まってより一層美味しく感じた。


今日の料理はコースメニューとなっており、前菜、スープ、魚料理

肉料理、デザート、ティーの順番で出てくる。


どうやらここはソルナの太客らしく、使われている料理のほとんどがエリシア達の育てている食材ばかりであった。


しかし、食材は同じでも、シリュウとの料理工程とは全く違うものであり、どれも美味しく食べる事ができた。





料理を食べていると、ムムが席を離れ何やらシリュウの元へと向かった。


するとシリュウの耳に顔を近づけ、


ムム「シリュウさん、ここの料理も美味しいけどムムはやっぱり

シリュウさんの作るご飯が1番好きだよ」


小声でそう囁いた。


シリュウ「ムム殿・・・・・・このシリュウ、より一層ムム殿に

美味しいと言って貰えるように料理に励むのである!」


シリュウは目を泳がせながら感激していた。

そんな様子を見てメフィはゼノンに、


メフィ「ねぇゼノン? ムムって本当に良い子よね。 店に気を使って小声で話して、シリュウに気を使ってわざわざ席を立ってシリュウの料理を絶賛するんだもん。もちろん私もこの料理も好きだけどやっぱりシリュウの料理が好きよ? でも、ムムみたいにあんな気遣いは出来なかったわ。本当にムムって良い子ね」


これでもかと言うほどムムをベタ褒めするメフィ。

しかし、それはゼノンも同じであった。

本当によくできた子である。

小さいながらも周りを良く見ている。

そして、自然とあの行動ができているのだ。


その様子は、ゼノンとメフィだけでなく皆が暖かい目でムムを見ていた。


バリアンやレイラに至っては酔いもあってか感激して泣いていた。


メフィ「私達の子供は本当にいい子達ばかりで、親として恵まれているわね」


メフィの言葉に頷くゼノン。

子育てをするつもりが、自分が子供から大事な事をたくさん教えてもらっている。

その事が、おかしくゼノンはそっと微笑むのであった。

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