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職業探し

ゼノンとメフィそして、バリアン、フレイ、レイラは部屋で重大な話をしていた。

部屋の中は、もの凄い緊張感を漂わせている。





「私達・・・・・・そろそろ働かないとダメになる気がするの!」





メフィの言葉に皆が疑問を浮かべる。

ただし、レイラだけはドキッとしていた。


ゼノン、バリアン、フレイは魔界を宰相に任せ切りにする訳にもいかないので戻ったりして仕事をこなしている。


ただ、レイラはムムに魔法を教える意外は何も無く

今までは家事や掃除をしていたが、それも従者達が来てからはする必要がなくなり、暇を持て余している。

その為、レイラも自分が穀潰しになると常々感じていたのだ。


そして、メフィに至っては何もする事がなかった。

精霊界も特になにかする必要もなく家にずっといる。

だが、母親としてこれでいいのかと焦りだした。

その為、今回会議を開いたのだ。


「私とバリアン、そしてフレイは魔界で仕事をしているが?」


その言葉にメフィはギクッとする。

確かに、この3人は魔界へ戻り仕事をしていた。


「で、でもお金は稼いでいないでしょ?子供の友達にはなんて説明するの?」


メフィの苦し紛れの言葉。

しかし、それは正しかった。

お金を稼いでいる訳でもないし、ムムやトラリー、そして

シンやリリアの友達にはとてもじゃないが言えない。


となると・・・・・・


「職を探した方がいいな」


「その方が良さそうじゃ」


「確かに魔界で働いてるなんて言えないですからね」


3人の言葉にホッとするメフィ。

危うく自分だけ置き去りになるところだった。


となると決めるのは皆がどこで働くかなのだが、ゼノンに一つ

心当たりがある。


「校長のセレスに当たってみるとしよう。運が良ければ

学校の仕事にありつけるかもしれぬ。それに、顔も広いであろうからどこか探してくれるやもしれぬ。」


「なるほど! コネを使うのね! それなら早く行きましょう!!!」



そこからの行動は早かった。

ゼノンがすぐ様セレスの元へ転移して、事の顛末を伝える。





「なるほど。しかし、ゼノン様に見合う程の仕事があるかと言われると・・・・・・ウチでなら庭師と助勤講師なら雇っていますがどうでしょうか?」


ゼノンはよく考える。

庭師なら間違いなくバリアンだろう。

バリアンは少しでもトラリーやムムの近くにいたいはず。

そして、助勤講師だがフレイが1番良さそうだ。

元々、教える事が得意であり人間とも上手くやれそうだ。

その点レイラの方が人間同士であり、扱いは上手い筈だがこの街はアホな教皇のせいでお尋ね者になっている。


よって庭師をバリアン。助勤講師をフレイで頼んだ。


そして、ゼノン、メフィ、レイラの3人だがレイラの話をすると救護室の先生を勧められた。

救護室なら生徒しか来ない為、名前を変えればバレることは無いだろうと話すセレス。


ゼノンも納得する。

確かに、学校内まで教皇の手が届くとは考えにくい。


セレスの言葉に甘え、レイラもそこで頼む事にした。


更にゼノンとメフィには冒険者をと勧められた。

なんでもこの王都1の冒険者ギルドのギルドマスターとセレスは顔見知りらしく紹介出来るそうだ。


戦闘ならゼノンとメフィも得意である。

即決で決め、セレスには紹介状を書いてもらった。


「ではこの招待状をそこのギルドマスターに渡してください。この紙があれば悪いようにはしないはずです。」


「重ね重ね感謝する。セレスよ、お前に御礼がしたい。

何か望みはないか?」


至れり尽くせりで流石に申し訳なくなってきたゼノン。


そんなゼノンにセレスは何も要らないと断る。


「前にも言った通り、ゼノン様には多大な恩があります。

この程度でゼノン様に恩を売ったなど思ってもいません。

それに、この歳になると最早望みは少ないですよ。

生徒達が無事に卒業し、幸せな家庭を築く。これが最近の

私の願いです。ただ、一つ叶うなら・・・・・・また私の頭を撫でては頂けないでしょうか? 小さい頃、魔法を上手く発動した時によくやってくれたアレを・・・・・・この歳でおかしいですよね・・・・・・?!」


セレスが話し終わるや否やゼノンはセレスの頭に手を置き

そっと撫でた。


「よくやったなセレス。」


この一言だ。

魔法を上手くできた後に、毎度言ってくれるこの一言。

セレスは懐かしさのあまり、思わず微笑む。


「あぁ、ゼノン様・・・・・・この温かさは私が幾つ歳を

重ねても変わりはしません。まるで幼い頃に戻った様です。」


「私は何人か手助けをした事があったがセレス、お前は

その中でも特に優秀であった。ここまで成長した事を嬉しく思うぞ。今では俺がお前に助けられている。本当によくやってくれた」


しばらくセレスはゼノンの温かさに触れ癒されていた。




家に帰りそれぞれの仕事内容を伝える。

セレスには位置を保留にしてもらってある。

万が一皆が気に入らない仕事であれば強制はできない。


「嫌であれば正直に言ってくれ」


「私はやってみたい!!! 冒険者って響きがいいわ!」


「ワシもそれでえぇ。いつでも孫達の顔も見れるしのう!」


「教えるのは好きなので私もそれでお願いします」


「学校内なら安心ですしね! 是非やらせてください!」


皆承諾した。

どうやら気に入ってくれたようだ。

確かに、それぞれに適した職だと思う。

天職とまではいかないかもしれないがそれに近いだろう。




「うむ。ではセレスに伝えてくる。」


「ねぇゼノン? 御礼も兼ねて今度我が家に招待しましょうよ! シリュウに飛びっきり美味い食事を作ってもらってさ!!!」


相変わらず気遣いの出来る嫁である。

ゼノンは感心した。


「うむ。そうだな。ではその事も伝えてくる。」




こうして、メフィの危惧した職なし母さんは脱する事が出来たのだった。

「面白いな、続きが読みたいなと思ったらブックマーク、高評価をお願いします。そして誤字脱字や意見などあったら是非コメントしてください。」

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