フレイの美
トラリーはすっかり元気になり、ムムとフィルそして、レオン達ペットで楽しく海を満喫していた。
そんな子供達の遊びを砂浜から眺めるフレイ。
そこへメフィがやってきた。
メフィ「フレイは泳がないの? 綺麗だし気持ちいいわよ♪」
ボーッとしていた所に突如現れたメフィに驚くフレイ。
しかし、すぐ様また前の方を見て呟く。
フレイ「私は大丈夫です。もう二度とあんな事が怒らないように常に周りに気を張っておかなくてはなりませんので」
その言葉にメフィは、フレイの頭をチョップする。
フレイ「痛ッ」
いきなり頭を叩かれた事にまた驚くフレイ。
フレイはメフィの顔を見ると頬っぺを大きく膨らませていた。
メフィ「おバカ! 遊びに来た時くらい、羽目を外しなさい! いい? あなた達は私達の子供なの!!! そういうのは親に任せて子供は子供らしく遊んでればいいの! 見なさいリリアとレイラを! もう水着に着替えて一緒になって遊んでるじゃない! それに、一緒に遊んで近くで見守る方が安全んじゃないの?」
メフィの言葉でフレイは考えを改める。
確かに、皆が楽しんでいるのに自分がこんなではかえって気を遣わせる事になるかもしれない。
何より、トラリーが先程からフレイの様子を伺っていたのだ。
それにメフィの言う通り、トラリー達の近くで遊べば急な対処もし易い。
するとフレイは立ち上がった。
フレイ「お母様、着替えできてもいいでしょうか?」
その言葉にニッコリと微笑むメフィ。
メフィ「もちろんよ! せっかく買ったんだから早く着替えてきなさい」
フレイはお辞儀するとそのまま水着に着替える為に、ゼノンの創った家へと入っていった。
メフィ「あの子ってしっかりしてる割には、こういう所は不器用よね。長女の責任が強すぎるのかしら?」
メフィが一人、フレイについて考えていると今度はレヴィアタンのレビルが人化した状態でメフィの元へ訪れた。
レビル「ホンマ一時はどうなる事かと思いましたわー。えかったえかった」
そう呑気に話すレビルにメフィはなんだかイラッときた。
メフィ「元はと言えばアンタがこんな危険な場所に連れてきたのが悪いんでしょうが!!! あんな危険なのが居るなら早く言いなさいよ!!!」
フレイの時同様に、レビルの頭もチョップするメフィ。
レビル「あいたァッ!!! ちょっとメフィはん堪忍やで〜。ワイも
そないな魔物は聞いたことがないんや。恐らくずっと静かにしとったんやろうな。」
レビルは元々海の魔物である為、陸の事情はあまり知らないのだろう。
フレイ「お待たせしました」
フレイがやって来るとメフィは思わず口ずさんでしまった。
メフィ「わあぉ! エロいわねぇ」
白い肌に白い水着。そして腰にはパレオを巻いていた。
女性から見ても美しいと思えるほどの美体であった。
フレイ「や、やめてください。お母様こそ母親とは思えないほど素晴らしいボディです!」
メフィは大人の色気を出しているのか、フレイとは真逆の黒い水着を着ていた。
ちなみにレイラは水色、リリアは赤だ。
みんな引き締まった体で出るとこは出ておりナイスバディである。
ここに男が居たら人集りが出来ていただろう。
現にシンとバリアンは普通だが、トラリーは何やら耳を赤くしている。
特にメフィとフレイ、二人並ぶと最強のコンビであった。
レビル「いやはー!!! 魔物のワイでも興奮してまうなー!!!
二人ともえらいべっぴんやで!!!」
そんなこんなではしゃいでいると、そこへムムがテクテク走ってきた。
ムム「お母さーん!!! お父さんはどこ?」
いつの間にか居なくなっていたゼノンにようやく気付いたムムが
メフィに尋ねる。
メフィ「お父さんなら悪者退治に行ったわよ!
すぐに戻ってくると思うから良い子に待ってましょうね!」
ムム「はぁーい! あっ! フレイお姉ちゃんも着替えたんだ!
すっごい綺麗だね! いいなぁ、ムムもフレイお姉ちゃんみたいに綺麗になりたいな」
ムムでさえもフレイに見惚れているようだ。
フレイ「ありがとうムムちゃん。私もムムちゃんが可愛くて羨ましいですよ」
そういうとムムは一気に上機嫌となりフレイの手を握った。
ムム「二ヒヒ〜、一緒に行こうフレイお姉ちゃん!」
ムムは皆の場所へ行こうとフレイの手を持ち笑顔でそう話す。
フレイ「はいっ!」
フレイも笑顔でそう答えた。
二人は手を繋ぎ、皆の元へ戻りまた海を満喫するのであった。
ようやくフレイのテンションも戻り、楽しい時間を過ごす事が出来そうだ。
そんな子供達の様子を眺めながらレビルは話す。
レビル「まぁ、ゼノンはんなら大丈夫やろ! この島で、いやこの世界で一番危険なのは紛れもなくゼノンはんなんやから」
三大恐慌はこの世界のトップに位置する存在である。
勇者や魔王やハイエルフにエルダードワーフ達よりも強いとされている。
しかし、実はその三大恐慌の上に位置するものが居る。
それがゼノンとメフィーロの2人である。
ゼノンは言わずもがなだが、メフィーロも伝説の存在となっている。
精霊魔法は魔法の中でも最上位の力を秘めており、ゼノンが居なければ世界一強い生き物はメフィーロであっただろう。
そんな世界最強と2番目に最強の二人が居る。
それもあってレビルは、島の魔物が強かろうが平気で来たのだ。
メフィ「そうね。きっと今頃終わってるかもしれないわね」
場面が変わり、ゼノンはというと。
ゼノン「ふむ。コイツらはS級どころの騒ぎでは無いな。
人間界で言うならば恐らく皆がSS級か」
ゼノンの目の前に居る30体近くの魔物。
それは皆がSS級の魔物であった。
そして、奥にいるのはフレイの言っていた人型の魔物。
ゼノンの前に立ちはだかる多くの強敵。
今、戦いの幕が切って降ろされる。
「面白いな、続きが読みたいなと思ったらブックマーク、高評価をお願いします。そして誤字脱字や意見などあったら是非コメントしてください。」