第2部 驚愕のニュージーランド編 最終章VOL16「魔法の呪文=パイプライン」(1997年)
ー驚愕のニュージーランド編 VOL16ー
最終章「魔法の呪文=パイプライン」
クイーンズタウン 1997年1月
バンジーにトライした翌日の夜、
バーのテーブル席で生ビールを注文すると
長髪でダルそうな表情のウェイターが
ジョッキを持ってこっちへダルそうに
ゆっくり近づいてきた。
店の壁に実物のバンジージャンプの
太いグリーンのロープとでっかいポスターが
飾ってあったので訊いてみた。
「バンジーが好きなの?」
「いや、俺はやらない。
ボスはやったよ。キミは?」
「昨日やったよ。」
「ふーん、やったのか? どれだ?」
「パイプライン。 102mのやつ。」
会話を交わしながらその時ちょうど俺の前に
たどり着いた彼はテーブルにジョッキを置くと
ジョッキの取っ手を持ったまま顔だけ上げて
「パイプライン!」と小さく叫んだ。
ダルそうな表情は一瞬で消え、
目を見開いてじっと俺を見つめている。
なんだか映画のワンシーンみたいだ。
な、なんだ?
「キミ!すごいなあ! どんな感じだった?」
と言うとイスを引きずってきて俺の前に座る。
俺が話すとしきりに感心してうなずく。
「あのおー、仕事サボってていいの?」
「だいじょーぶだ。」
うーーん、だいじょーぶなんかな?
他にもお客さんいるんやけど。
彼は熱い目で「You are great!」を連発して
仕事をほったらかして20分くらい
俺から離れなかった。
俺のビデオカメラを見つけるとそれを手にして
「これでキミを撮ってあげるよ。
さあもっと話してくれ。」と言った。
この旅行の前に「地球の歩き方」を
読んでいた。
バンジージャンプに挑戦
(最も有名なカウラウ川の43mのやつ)
したら記念Tシャツをくれるので、
コレを着てクイーンズタウンの街を歩けば
キミもスターだ!
というような文章を読んで
「もおー、オーバーやねんからあ。」
とバカにしていたが、前回書いたバーでの
男女グループのコーフンした反応といい、
まんざらでもなかったようである。
ひとはシンプルで原始的な勇気に
どこか憧れるのだろうか?
ニュージーランドの雄大で美しい自然、
アブナイことも自己責任に任せて
どんどんさせるというオトナな考え方、
そしておおらかな人々はいつも緊張感を持って
歩いていたアメリカ旅行とは違って
のびのびとした感性を
与えてくれたように思う。
さて、「世界はオモロイ」シリーズを
お楽しみいただけてるでしょうか?
「第2部 驚愕のニュージーランド編」は
今回で終了です。
次回から3部作最終部「流浪のヨーロッパ編」
がスタート!
海外旅行が初めてという友達と2人で
ドイツ-オーストリア-イタリアを爆進だあ。
ヨーロッパもオモロイ!




