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第2部 驚愕のニュージーランド編 VOL10「激烈オークション」(1997年)

ー驚愕のニュージーランド編 VOL10ー

「激烈オークション」

テ. アナウ 1997年1月


ー前回からの続きー


ウイイイイイーーーン、、、

「R7」「BLUE」、、、

「R8」「RED」、、、、

工事用のユンボイのアームを空中高く上げて

「第8レースは赤の馬が勝ち」

とプレートで表示するという

笑ってしまうようなタイソーな演出で

レースは進んでゆく。

ついに勝ち抜きトーナメントの

恐るべき手作り競馬は決勝まで終わった。

ミニ観客席で飲んでるおっちゃん達は

とっくにデキアガっている。

見知らぬおっちゃんと目が合うと

にっこり笑って缶ビールをくれた。


すぐ横にある広場になぜかみんな

集まっていく。

広場にはトレーラーが停められ、車体の横の

壁の部分が完全に上まで開けられて、

そこは幅8mくらい?の即席ステージに

なっていた。

何か箱や包みがいっぱい置かれている。

ステージに向かってイスが並べられ、

みんなワイワイ言いながら

なぜかさっきの金券を数えたりしている。

「そういえばあの金券はどうするんやろう?

現金化してくれるわけなさそうやし。」


ステージにウエスタンハットにジーンズの

オヤジが颯爽と上がった。

マイクを持つと叫ぶ。

「おっしゃあ! そろそろいこかあー!」

群集が応える。「おおーーっ!」

ん?ナンダナンダ?

オヤジはやけに慣れた口調と身振りで

横に立つアシスタントの女の人から

箱を1つ受け取ると元気いっぱいに

観客に挑む。

「まあーずはコレからあー! 

この機械はめえっちゃ便利イー!

ジューサああーミキサーだあああ!」

「おおおーーっ!」

「んんんーじゃ15$からあ! 

スタートおお!」

「17$!」「18$!」「20$!」、、、、

群集のあちこちから声が飛ぶ。

オークションかあ!

まさかあのオモチャの金券を

こんな風に使うとは!

「もおー、ないかないかっ!

よおっしゃっ! そこのアンタあー! 

27$で決定ー!」

(当時1ニュージーランドドル

=7、80円)

オヤジはマイクを持ってない方の手で

自分のフトモモをピシャリ!と叩く。

「おおーーっ!」

ステージの前へ来た男はアシスタント嬢に

金券を渡し、商品を受け取る。

すっごくウレシそうだ。

「そおーんなにアンタはそのミキサーが

欲しかったのか!?」


「おおーっしゃあ! 

つうーぎにいこうかああ!」

「おおーーっ!」

オヤジの発する堂々たるパワーに

群集は飲み込まれてゆく。

むう! このオヤジ、タダもんやないぞお!

パフォーマーとしての存在感が素晴らしい。

次の小さい箱を見るとニヤリと笑った

オヤジは叫んだ。

「こおーいつはすごいぞおっ! 

日本製だあ!カアーシオの計算機イーー!」

「おおーーっ!」

「10$からあ! どおだあー!」

「12$!」「15$!」

「20$!」、、、、。

マ、、、、マジイ!?

たかが電卓にそんなに払うのかっ!?


おっちゃんもおばあちゃんも若者もコドモも

みんな真剣だ。

次々と商品がセリ落とされてゆく。

時おり値段が上がっていって残った2人の間で

ジワジワとセリ合うとちょっとした

緊迫感が漂う。

オヤジのパフォーマンスはさらに

加速してゆく。

ますますハデな身振りでフトモモを叩いて

テーブルセットを売りさばく。

家具、電化製品(人気があるのか

ほとんど全部日本製)などに混じって、

「カラのビデオテープ3本!」

とかわけのわからんモノまであるが、

それでも買うひとがいるからフシギだ。

中学生の?グループはみんなで一生懸命

金券を数えて相談して、「8$!」と叫んで

アニメのビデオを勝ち取って大喜び!

イスを獲得したおばちゃんはオヤジに

「コレもセリに使って。」と

いきなりステージの前でピンクのセーターを

脱いで差し出した。

「おおっしゃあ! こちらのレディから

のああーーりがたい申し出だあ!

10$からあ! どおだああーー!!」

「おおーーっ!」

うひゃあーーっ! この手作り感って、

もうサイコーやなあ!


こうしてジョーダンみたいな競馬と

オークション大会はおおーいに

盛り上がったのであった。

オトナもコドモも純粋に楽しんでいる姿に

感動した。

それにしてもあのオヤジはまさに「プロ」だ。

今日もどっかの広場でフトモモを叩いて

熱く叫んでいる気がする。

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