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少女と呪石とほどほど人外  作者: 宮居/四葩
第4章
76/80

075 揃う

担当:宮居



竜の翼の音が聞こえてきた。

ルイたちが帰ってきたのだろう。


「よぅ、みんな起きてるな」

「えぇ」

じっと、ルイがロートを見つめる。

「戻れたようで何よりだ」

安心したような表情で彼女は言った。

ロートは黙って頷く。

ルイたちはあの後、それぞれ国の端などへ行って、結界を張っていたらしい。

ルイは竜に乗って全体を見ていたとか。

なんだかんだ、元に戻る瞬間は綺麗だったようで、それなら少し見てみたかったなどと思ってしまった。

「ざっと見て回ったが、特に問題はなさそうだった。住人たちも混乱してないようだし。混ざる前に戻っただけ、そんな感じで」

外を目指しながらそう説明される。

城の形もだいぶ変わってしまったようだが、ロートと王は出口をわかってるが如く先頭を歩いている。

……彼が本当に、王なのだと、ロートがその娘なのだと、感じさせる佇まいだった。


外に出ると、自然が広がっていた。

「懐かしい……」

ぽつりとロートが呟いた。

しっかりと整備された道の脇には木が等間隔で植えられていて、その下にはベンチがあって、住民たちが仲良さそうに談笑している。

ふと振り返って後ろを見れば、城の姿は随分と変わっていた。

植物に囲まれて居たのだ。

扉も緑で覆われている。開閉になんの問題は無さそうだが、どうなっているのだろう……。

「どうだ?一回り歩くか?」

ルイが提案する。

「そうね、商店街の方が特に気になるわ」

「じゃあとりあえずそちらを目指そう」

「王様とロートはそのまま歩いても良いの?」

「……前までは普通に歩いてたの。住民たちとお喋りもしてて」

とロートを

「まぁ、大丈夫だろう」

髭を撫でながら王も言うので、そのまま商店街を目指すことにした。


「あ、王様!」

「ロート様も」

「今日はどちらへ行かれるのですかー?」

幼い子供たちが寄ってくる。

頭をぽんぽんとしながら王が今日は散歩しに来たんだと答えている。

「その方たちは見ない顔ですが……」

親が寄って来て言った。

「……昔、世話になった人達の子でな」

なんて嘘をついてるのかしら。

「そうだったんですね。ロート様と同い年くらいですか?」

そう見えるならそう思っておいてもらおう。

もう一言二言言葉を交わし、手を振って彼らと別れた。


商店街を歩く。街並みはさほど変わっていない。

住民の顔が心做しか明るくなったような気はする……。

王がやっていた店は、別の人が林檎を大事そうに扱いながらやっていた。

知り合いなのかと聞くと首を振る。ロートは何も答えない。

綺麗な女性だった。

それこそ、ドレスを着れるような。

もしかしたら、なんて思いながらも口には出さなかった。


その後も国をぐるぐると周り城へ帰ってきた。

迷惑をかけて悪かったと謝られたが、まぁ結果的に石は手に入ったんだし良しとする。


一旦宿へ帰った。

石を確認する。紫、緑、青、赤。

文献にあった通りの石が、手元に揃った。

あとは、

「石は揃ったんだよな?この後どうするんだ?」

「……ルイはまだ着いてくるの?」

「なんだ、迷惑か?」

「そんなことないわ。心強い」

まさか、ルイはまた着いてくるつもりなのか。もう石は揃ったし、充分手伝ってもらったというのに……。

「どうせだから最後まで行くぞ。どうなるか見てみたくてな」

何を考えてんだかわからないけど、願いを横取りするような人には見えないし、そんなことしないだろう……。信じるしかないわそれにこれだけは譲れない。何がなんでも、兄様を……。


「これを使って術式を起動させるには、とある教会に行く必要があるそうなの」

「次はそれを探すのか。宛はあるのか?」

「昔、行ったことがある国に、そっくりのがあったと思うのよね。だからとりあえずそこから行ってみる。ほんとは旅の序盤で確認したかったのだけど」

「ふーん。じゃあ明日、出発だな」

それぞれの部屋に戻って今日は寝ることになった。

早ければ明日、ついに兄様と再会出来る……!


興奮してちょっと寝付けなかったのは内緒の話。

ここまで来たんだ。

最後たってスムーズに行くわけないとは思うけど、それでもここまで来れた。

やっと……やっと……!

短っ!((((

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