068 失せ物依頼
担当:四葩
どこまで行くのだろう
かなり王宮内部まで歩いてきた気がする
「ねぇどこまで行くのかしら…見せたいものって何」
スタスタ歩くクレズさんがチラリとこちらを一瞥し
「アンジェさん達には我が王に会っていただきたいのです」
そういうとまた歩き出した。
「クレズでございます。よろしいでしょうか」
「許す」
内側から許しを得たクレズさんがドアを開くとモータ音が響くただの部屋がそこにはあった。
中央にある大きな機械が忙しなく点滅している。
どうしてどこにも人が見当たらないのだろう
「王よ。彼女らは外来より来た若者でございます。我らが文化に大変関心を寄せ是非とも王への謁見をさせていただきたいと強く望むので連れて参りました」
クレズさんがすらすらと誰もいない部屋で話す。
…いつあたしがそんな事言ったのかしら
確かにこの国は他にはないハイテクさがあるけど……
クレズさんは何をしたいのだろう
「そうか…客人、名はなんと申す」
誰もいないのに先ほどの声が響く。女性とも男性ともとれる穏やかな少し低い声だった
「アンジェと申します。傍らにいますのがエルでございます」
とりあえず、質問に応えなんとなく目の前の機械に頭を下げる。
「ふむ。佳い名であるな。ではアンジェら滞在中は我が国を堪能してくれたまえ」
「ありがとうございます」
部屋を出てまた図書館へと戻る道すがら
「驚いたでしょう。我らが王は人工知能の機械なのです」
「ええ、今まで見たこともないわ。そんな国……で、なんであたし達にそれを見せたの」
「貴方はこの国にハイテクさが馴染んでいないと気づいたからです」
「確かに街並みに比べて王宮で見た機械の導入は違和感があるけど…」
果してそれが王へ会う理由になるのかしら
「そう、違和感があるのです。しかしあるのは今まで術の使える側近のみでした」
前を向いて歩いていたクレズさんが振り返る。
「我々は探しているのですこの違和感の原因を。そして記憶の片隅にいる人の王を」
「って事があったのよ」
図書館が待っていたロートとともに宿へ帰る道中クレズさんに見せられたもの、話された事をロートに伝えてみた。
「……あのさアンジェ、原因なら考えられる」
ずっと一言も話さず話を聞いていたロートが口を開く
「俺だよ。きっと……その原因とやらは」
「どういうことなの」
突然そんな告白するなんて
「いやさ、俺のいた世界では人工知能なんて当たり前なんだよ。国中に溢れてた…それが普通だったんだ」
「じゃあロートがこちらにきたから技術も来てしまったのね」
「そう、この国は元々人の治める国なんだろうな」
「じゃあロートが元の世界に戻れば……」
「まぁ違和感は修正されるだろうな…たぶん。その王が消滅してなきゃ、だけど」
「そこはまぁ運試しになるわよね。もしかしたらその辺の国民の一人が王かもしれないしね」
とりあえず、戻ろう。
ルイとかは帰ってきてるのかしら
何気に重い依頼品を早く渡していましたい
2人共忙しくて1話1話が短くて申し訳ない……。




