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少女と呪石とほどほど人外  作者: 宮居/四葩
第4章
66/80

065 呪石の行方

担当:宮居

「みつけたっ」

アンジェが叫ぶ。と同時にフードの子はフードを深く被って走り出した。

「待って!」

フードが外れないようにしっかり握ったまま走っている。よく走れるわね?

追いかけるがなかなか追いつかない。

……ほんとに女の子?



そう思いつつ追いかけていると突風が吹いた。

フードが外れかけ、深く被り直そうとした時、

「あ」

転んだ。フードの子が転んだのだ。

フードは外れている。

その隙にどこから出てきたのか、ルイが呪術を発動させているのが見えた。

あたしにも鎖を見るくらいは出来るようになったのよ(どやぁ)。

まぁどんな効果かはわからないんだけど。

この場合は拘束だとは思うけどもね。

実際フードの子は立ち上がれ無さそうだし。


そのままルイが近づいてって、手錠みたいなのを嵌めた。

そして彼女を立たす。

そこであたしたちは追いついた。



「突風、上手くいって良かったな」

「あれはルイが起こしたものだったの?」

「いいや、シナの魔法だ」

「へぇ……便利ね」

「攻撃系じゃないから使い所なんて全然ないんだけど、今回ばかりは役に立ったね」

まぁ確かに、人を傷つけるものじゃないなら、突風なんて使い所ないわよね……。

「じゃあ、とりあえず宿に行こうか?」

「宿に連れてっても大丈夫なの?」

「まぁ大丈夫だろ。こいつが悪さするやつなら記憶でも消せばいい。外で話して内容を聞かれるより、部屋に入って防音付けてしまった方が確実なんだよ」

「それもそう……ね。わかったわ、行きましょ」


呪術に捕らわれたフードの子は大人しく付いてくる。手錠に鎖が繋がれているのが見えた。まるで奴隷を連れてく時みたいな……。

周りにはどう見えているのだろう?と辺りを見回すが、こちらに注目しているものはいない。

「オレらは普通に歩いているように見えるしてるんだ。あまりキョロキョロしないでくれ」

そうルイに言われた。幻術かなにかを呪術でやってみせてるか、そういう魔法があるのか……。

あっても不思議じゃないわよね。あたしにはなーんにも使えないけど。なにか使えるようになりたいなぁ……。教えてもらえたりしないかしら。

歩いてある間、少女は一言も話さなかった。

何も喋らないのはルイがなにかしてるからか、喋りたくないからか……。

話さない子だったらルイがどうにかするんだろうけど……。



部屋に着く。ルイは少女を椅子に座らせた後手錠みたいなのを外した。

そして彼女の顔を見つめてる。

数秒して彼女は視線を逸らすようにした。

「ふぅん……」

ルイが呟く。そしてシナの方を見た。シナは頷いてから

「その子、眼が呪石になってるね」

と言う。

眼が……?

「どういうこと?」

「そのままだよ。こいつの眼に嵌ってるのが探してた呪石ってこと。誰に作ってもらった?」

ルイが指を鳴らしてから少女に問う。

「……知り合いの、呪術者に」

「ふーん……嘘はついてなさそうだな。さて、シナ?」

「出来ると思うよ。義眼だろうし、そのくらいなら……多分、知ってる人の術式だしね」

「と、言うわけで、シナに代わりの、なんならもっと良いやつを作ってもらうから、それと、盗った呪石返してくれるか?」

少女は少し悩んだ後頷いた。

「おっけ。じゃあ後でシナにそれ見せてやってくれ。んで……他の石は?」

「ここにある」

小さな袋を取り出して見せた。中に入ってる石もちゃんと見せてくれた。なくなっているものはない。

「でも、眼と交換してから」

そう言ってポケットにしまい込んでしまった。

「まぁ当然だな」

「ところで、貴女名前は?」

話がひと段落したみたいだから口を挟んだ。

ずっと名前を知らないなんて不便だし……。

「……ロート」

「ふぅん……じゃあもう1人の名前は?」

もう1人……?

ロートは驚いた顔を少し見せた後、フードを被った。

「……俺に気づいてたのか?」

「薄々、な。男子なのか」

「あぁ……俺の名前もロートだ。偶然の一致ってやつだな」

「二重人格……?」

そう言えば、走っている時のロートは、女の子って感じじゃなかった。なんとなくだけど……男の子って感じの走りだった。

「まぁ正確に言えば違うんだけどな……俺は元々、ここの住人じゃないんだ」

「……そこら辺は義眼を見ればなんかわかるかもしれない」

ルイはそう言うとシナを見た。

「ちょっと、借りてもいいかな?」

「俺じゃない方のロートに聞いてくれ」

そう言うと彼はフードを脱ぐ。

「……貸すね」

そう言うと彼女は簡単に眼を外してみせた。記憶などは共有されているのだろうか。

そして空いた方の眼を髪を流して隠す。

「ありがとう」

受け取ってじっとそれを見つめるシナ。

……当然だけど、眼がリアルであたしは見てられないわ……。



暫くして彼女に眼を返した。

「……もういいの?」

「大丈夫、大体わかった」

「道具や材料はどうする?」

「材料はルイに協力してもらえればすぐに集まると思う。道具はどうにかなるかな」

「じゃあまたしばらく別行動だな」

「……なんだか頼りっぱなしで申し訳なくなってくるわ……」

「まぁ、適材適所ってやつだろ」

「って言ってるけど、ルイがここまで他人に協力するの珍しいんだけど」

「余計なこと言わなくていい……じゃあアンジェ達はなんか好きに国の探索でもしてくれ。なにか協力して欲しいことがあったら連絡するから無視するなよ」

「わかったわ。申し訳ないけど今回も頼むわね」

「おーらい。乗りかかった船ってやつだろ。気になることもあるし最後まで協力はしてやる……まぁ今日は休んで明日からにするか」

「そうね。あたしも少し疲れたわ……」

「じゃ、そういうことで。明日以降は自由行動だ。なんなら城のことでも調べて欲しいかな。ロートはどうする?」

「……一旦家に帰る。明日アンジェと合流する。彼が話をしたいって」

いつの間にか名前を覚えられてた。

「了解した。じゃあまた明日な」

ルイ、シナ、ロート、ヤオが部屋を出る。



「今回はそんな大きなトラブルに巻き込まれなさそうで良かったわ……」

「既に石を盗まれるって大きなトラブルが起きてると思うけど……」

「あはは、まぁそうね……でも他の国の、大きなトラブルに比べたらまだ軽い試練かなって。ロートは協力的だし」

「そうだね……そこは良かったかも」

「ね。じゃあ今日はもう休もうかしら」

「うん、そうしよう。おやすみ、アンジェ」

「おやすみ、エル」


先程一言も話さなかったエルが、2人切りになったら話してくれた。これが信頼の証なら嬉しいなぁ……なんて、あたしはこれからの苦労を考えることもせず、眠りについた。

3k乗せることが目標でした……。

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