063 探知
担当:宮居
「やぁ、久々だねシナ」
ギルドに行って、ライを呼んで欲しいと言い、ベンチで待ってるいると後ろからそう声がかかった。
久しぶりってシナが小さい声で言った。ライが調子に乗る前にオレは言葉を発する。
「いや待てライ、先にオレに言うことがあるだろ?」
「さーてなんの事かな……」
目を逸らしながら彼は言う。
「そうかじゃああれを言いふらすしかないな……」
そう言うとライは土下座をした。
「ごめんなさい昨日はありがとうございました迷惑をかけて申し訳ない」
「初めからそういえば良かったんだ」
ライが顔を上げる。
「で、今日は何の用だい?昨日の子の情報はまだなんだが……」
「あぁ、だよな。ところで城に行くにはどうしたらいい?」
「なんの用があるんだよ……王様にでも会うのか?」
「王様ってか、その側近に用があるんだけどな」
「ふーん……あれか、呪いを使えるって噂の」
この国にいるって昨日仲間から教えて貰った。仲間ってのはまぁオレがまとめてる団体のことだ。仕事するための小さなチーム。
ついでに教えてくれた仲間は情報屋まがいのこともしてるから、例のフードの子のことも聞いてもらってる。
「城にはそうだな……旅人は簡単には入れないから……俺が行って、その側近って人を呼んでこようか」
「ライなら入れるのか?」
「この国の住人であることが証明されれば、だれでも簡単に入れるようになってるんだ。王室とかの個室とか宝物庫はまた別の鍵が必要だから無理だけどな」
この国の城は他とちょっと違うらしい。
王様がフレンドリーなのか、警戒心が薄いのか?
王を殺そうと考えるものはいないと言いきれるのか……?
「殺されないかって心配したろ」
ギルドから出て城に向かう途中、ライにそう言われた。
素直に頷くと
「会ってみればわかるぜ。こいつは殺せないって」
と言われる。どういうことだ。
「まぁ今回は、別に王に会わなくてもいいんだが」
「そうだったな。側近に用があるんだっけ」
頷く。
「じゃあちょっと待っててくれ」
城の雰囲気は、今まで来た国に似ていた。
こちらは完璧な石造りのお城だが。
ライは正門でカードをかざすと城の中に入っていく。
カード管理か。誰が導入したんだろうなぁ……
「お待たせ」
「あぁ、なんだ。隊長か」
「なんだとは失礼な」
「いやいや失敬。ここじゃなんだし俺の部屋に案内するよ」
ライが呼んできた人物ー長身赤髪つり目の名をクレズと言うーは指を2度鳴らした。
場所が移動する。
これは魔法だ。こいつは一応、攻撃系以外の魔法を使える。あと、少しの呪術。
「さて、話とは何かね?」
「探知を頼みたくてな」
探知ー人でも物でも、それを探し出す魔法だ。
オレでも使えないことはないんだが、こいつ特有の能力ーこいつが作り出した魔法だから、こいつが1番上手く使える。
「ほぉ。探知してまで探したい物があると」
「2つあるんだが頼めるか?」
するとクレズはうーんと唸る。
「今は仕事中なんだよな……終わったら連絡するわ。それでいいか?」
「あぁ、構わない。忙しいとこ悪かったな」
「いいって。久々の再開だしな。じゃあまた後で」
クレズが耳の辺りで指を2回振る。
オレらは門に戻ってきた。
「さーて……連絡くるまで何してるかなぁ……」
「あ、俺もうすぐ上がりだからこの国案内しようか?」
ライがそう提案する。
まぁそれも悪くないな。知っといた方がいいことは沢山ありそうだし。
「そうだな。お願いするか」
ライの案内で、国の隅々まで歩いた。
城の後ろは壁になってて、隙間はないらしい。最悪の場合は隠し扉が壁についているらしく、そこから逃げるとか。
どの国にもある、国の土地を表す壁は、城を超えるほどの高さにもなる。若干カーブしているようだ。空に向かうほど先端が細くなっていく。どうやってこんなの造ったんだろうな。
他の国より技術は発展していそうだ。
だか、国民から呪術を扱えそうな雰囲気はないし、魔法を使っているのもあまり見ない。
お偉いさんたちだけが高等技術を使えるのかもな。
ぐるりと国を回ってー以外に狭かったー商店街の方へ来た。
と、そこでクルズから連絡が来る。
「やー隊長、お待たせ」
普段着に着替えたクルズがギルドに入ってきた。
さっきまでは従者っぽいきっちりした服装だったが、今は部屋着のようなゆるっゆるな服だ。差がやばい。
「だらしなく見えるな」
「うっせー。これが気に入ってんだよ。で、捜し物ってのは?」
「1つは石だ。でもって1つは人」
「ふーん……特徴を教えてくれ」
周りに聞こえないような声で話す。といってもこう騒がしいギルドなら、聞き耳を立てられてたければ聞こえないだろう。皆忙しそうだしり
呪石の特徴を話す。多分この国では呪術はそこまで発展してないから、今まで集めた石が見つかるかはわからないが(術式が壊れてるため)まだ生きてる最後の1つは簡単に見つけられるだろう。
「あー……おけ」
そう言うとクルズは机をトントンと鳴らし始めた。そこから魔法が飛んでいく。
「うーん…………」
唸るクルズ。時間がかかりそうだ。
「あー……居た。こんなやつまじでいたんだ」
ぼそっと呟いた。あれから5分ほど経った頃だろうか。
「商店街の方にいるな。城から真っ直ぐ行ったとこの、広い道。宿通りの方へ向かって歩いてる。石はー……こいつが持ってそうだな。位置が安定しないからわかりにくかったんだが、こいつが持ってるんで間違いないだろう」
「そうか。助かった。ありがとう。お礼はいつかする」
「近いうちに頼みますよ」
クルズがヒラヒラと手を振っている。
しばらくはそこにいるらしい。
オレらは立ち上がり、アンジェに連絡を取りながら商店街を目指した。
アンジェに連絡が終わったところで仲間から通信が入る。
『リーダー、探してる例の子。商店街の果物屋の娘らしいっすよ。店の手伝いはあまりしないで割とフラフラ歩いてるみたいですが』
『ふーん……例の果物屋か』
『目星着いてるんすね。奴には会えました?』
『あぁ、お陰様で。助かったよ』
『お力になれて何よりです』
少し急いで向かってみるか……。
GPSなんて便利なもん、ここにはないからなぁ……。
少しだけ足に魔法をかけて、商店街を目指す。
相変わらず短い( ˙꒳˙ )そろそろ終盤です~




