048 革命加担
担当:四葩
手元の本が歴史書から読み物へと替わりシナ達の部屋から出た。
どんな内容だろう……シナはあんまり面白くなさそうだったけど
さてと、なんだかんだ久し振りの一人部屋だしのんびりしようかしら
「あら、お邪魔してますわ」
バタンとドアを閉め部屋番号を確認した。
確かにここはあたしが案内された部屋よ……ね。うん。間違いないわ
ふぅ……よし。
ドアを開けた。優雅に紅茶を啜っている女性がいた。幻覚?
「幻覚ではないわ……触ってみます?」
真っ白な手をこちらに差し出す女性に全力で首を横に振った。
「そう……では、歴史書を依頼したのは貴女で合っているかしら」
「そう……よ。それが何か」
応えるとにんまりと笑われた
「貴女は知りたい?記させていない、この国の馬鹿げた始まりを」
大きく栄えた国がありました。
その国には九つの首をもつ大蛇がいつき大変困っておりました。
蛇は邪を招き入れてしまうからです。
退治仕様にも斬っては戻り斬っては戻りを繰り返すばかりでなかなか死にません。ここで一つの提案がなされました。
斬ったそばから喰らってしまおう
跡形もなく血の一滴も洩らさずに
王族の末子が胴体を
九人の従者が首を焼いて煮て蒸して時には生で残さず喰らいました。
するとどうでしょう、多彩な彩りであった十人の瞳は草木を煮詰めた黒に、髪はさらりと伸び陰る森林の深緑に変化したのでした。
それは正に退治した大蛇の瞳と鱗の色だったのです。国は大蛇の復活を恐れ門を築き一人ひとりを隔離して閉じ止めました。
「……迫害されたが故の血への執着」
「そう……英雄になるどころか化物扱いされたけど、大蛇を喰らうことが出来た優れた者の末裔としての自負が他の血を排除してるの」
昔話を終えた女性はカップを手に取り中身を啜る。
「……で、突飛なお伽噺をしてあたしに何をさせたいの」
「門を壊したいの……この閉鎖された国が自滅する前に」
あたしが尋ねれば視線をカップの水面に落とし告げた。
「自滅?」
「……私の容姿はこの国においてどうかしら」
視線があたしを射抜く、真紅のそれこそ血のような紅い目。肌も髪も瞳以外は色素が漂白されたような白色
「……異質ね」
「これが血を濃くし過ぎた国の代償。私達が執着心に滅ぼされる時が刻々と迫っている……なのに、薄まれば子孫の寿命は戻るのに、浅ましくも奴等は自らの寿命を延ばそうと躍起になった」
「人魚を使って?」
口を挟めば頷いてくる。驚かないのはあたしがヤオの過去を聴いたことを知っているからか.…いつから目を付けられていたんだろう
「門を壊すくらい一人で出来るんじゃないの……あたしに依頼した訳は?」
「私は閉じ込められている身……国の方針によってね。買収した見張り番がいる間しかこの部屋と閉じられた部屋の行き来が出来ないの。だから代わりが必要なのよ」
「……どうしてこの部屋なの」
こんななんての事のない部屋がどうして国の闇みたいな人のもとへ繋がっているのかしら
「ここに滞在していた人が地下を掘って私のいた所まで辿り着いたからよ……金髪碧眼の美丈夫だったわ」
……物凄く聞き覚えのある容姿
部屋が特別なわけじゃなくて、そいつが規格外だったのね
「で、報酬は?」
まさかメリットもなしにこんな事させないわよね
「貴女がお探しの不思議な石の在り処とか」
「ご生憎この国の石の在り処は分かっているし、もうすぐ手に入る」
「あら、いつこの国でのと言ったかしら。私が教えるのは鮮血を結晶化させたように赤い石の在り処よ」
さぁどうかしら
そう言葉が続くかのような微笑み
あたしが否応にも飛びつく極上の餌を垂らしてる
「いいわ。その話が真実なら」
「さて、そろそろ戻らなければ」
そう言うと床に手を掛けて持ち上げた。そんなとこに抜け穴があったのね
「あっ貴女名前は?」
床に滑り込もうとした彼女を引き止め訊ねる。仮にも協力するのに名前知らずなんて不弁よ
「ニタ。ニタ・ジウアロ……よろしくねアンジェさん」
次は2週間後を予定してます٩( 'ω' )وエルsideです!




