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少女と呪石とほどほど人外  作者: 宮居/四葩
第3章
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48/80

047 故郷

担当:宮居

1冊読み終わったところで、扉がノックされた。

「シナ~読み終わったのでいいから本貸して」

アンジェだ。

「歴史の文献はもう読み終わったの?」

「それが、全然面白いこと書いてないのよ。戦争が全然ないの」

「そうなの……じゃあこれ貸すから、その本貸してくれる?」

「わかった。持ってくるわ」

1冊の本を差し出し渡す。

少しして歴史書を持ったアンジェが戻ってきた。

「読んでも何もわからないわ。これより前の話は、国民には秘密にされてるのかも」

「そう……ありがとう」

「こちらこそ。シナは今日ずっと部屋にいるの?」

「ルイが起きなきゃね」

今日はずっと起きないだろうから、その予定だ。

「わかったわ」

そう言うとアンジェは部屋から出ていった。


あの本も、そんなに面白いものではなかったけど。

ドラゴンとかエルフの話もあったけど、事実とは全く違っていて、まぁフィクションを書いてるんだし、この国の人たちは、それらが存在することを知らないからなんだろうけど……

知ってる者からしたら、つまらないものだった。

あ、でも妖精の章は面白かったわ。現実味がないのは当然だけども、エルフみたいな耳を持ってて、とても綺麗な羽を持ち、素敵なドレスを着ている小さな生き物。

能力もなかなかで、魔法は扱えるらしい。

普段は身を隠しているからなかなか会えないし、鱗粉で人から見られないように出来るみたいで。

もしかしたら会ったことないだけで、これとは違うけど妖精ってのはいるのかもしれない。

ドラゴンやエルフがいたようにね。

どうだろう。会ってみたいような、ないような。

そこら辺を飛んでる可能性もなくはないってことね。

っと、御伽噺はそこら辺にして、歴史書を読みましょうか。


…………。うん、確かにつまらないわね。

戦争などがないからつまらないって訳ではなくて、他の国ではあったような大きな物事がほんとに何も書かれていない。

この国が出来るまでの、こうして別けられてしまった理由すら、これには書かれていないのだ。

それがこの国では当たり前だから?

誰も疑問に持たないのか、そういった人たちは排除されてるのか……ってとこかしらね。

アンジェの言う通り、国民には秘密にされていて、王宮に入れる者達にしか教えられていないのかも。どうにかして入れないかしらね。

他の国に比べて歴史書も薄い。すぐに読み終わってしまう。

それぞれの域の特徴とかが書かれているだけ、みたいな。

こんなの歴史書として残していいのかしら?

……うーん、これはエルを待つしかなさそうね……。

ルイならなにか思いつくかな。

とりあえず有力そうな域の特徴と師の名前なんかを紙に残しておいて、歴史書を閉じた。

読み物もあまり面白くないけど、こっちのがマシね……。







船は順調に進んでいた。

周りに島なんてものは見えない広い海を、エルを乗せた船は進む。

……わたしは役に立てているのだろうか……

アンジェに助けて貰った恩を返したいとついてきたけど、シナやルイの方が呪術は上手いわけだし……

剣術なんかは今のところ全然役に立ってない。

……故郷に帰ったとして、薬草が見つかるかもわからない。

正直賭けだ。暫く帰ってないから国の状況が全くわからない。

そもそも帰れるかもわからない。


でも、薬草を持ち帰れれば、少しは役に立てる……?

もやもやした気持ちをが抱えながらもそんなことを知らず船は進む。地図で見るとそろそろ着く頃かな……。

甲板に上がって、迎えを待つ。

……小さな船がこちらにやってきた。

「……?エル!?」

船から出てきたのは、昔1番仲の良かったエルフだった。

「久しぶり、アム」

「みんな、エルが帰ってきたよ!」

アムがみんなに連絡を取ってくれる。

迎えがアムで良かった。事情を知らない人だと追い返されることもあるから。

「じゃあ案内するね」

アムの船が先行して国まで案内してくれる。


「おかえり、エル……暫くだね……」

船を降りると迎えてくれたのは国王だった。

昔から変わらない、優しい人。

「お久しぶりです……っ」

ちょっと泣きそうになる。けど我慢。

「帰って来れて良かった……心配していたんだ」

わたしは剣の修行をするため、この国を出た。

そして森であいつらに捕まったんだ。

ここ何年も、あの国に囚われていた。

事情を説明する。

そして国に帰って来た理由と、また国を出なきゃいけないことも。

「そうかそうか……わかった。また君がちゃんと帰ってこれるように、私は国王を続けよう……さて、薬草だったね?」

それに頷く。

「この時期はあの山のてっぺんに生えてることが多い……が少し最近はフェアリーたちが荒れていてね……」

フェアリーとは自然を守る神々の使徒。

わたしたちに容姿は似ていて、とっても小さい生き物だ。

荒れているってことはなにか原因があるはず……あの山だと、泉とかかな……

「ついでといってはなんだが、原因を探って来て欲しいんだ。どちらにしろ解決しないと上には登れないしな……」

「わかりました」

やるしかない。そう言えばここからシナに連絡を取ることは可能なのだろうか……?

「エル、あたしも行くわ」

アムが言う。彼女はいつの間にか剣を持ってきていた。

「……助かるわ、ありがとう」

「でもとりあえず今日は休みましょ?長旅疲れたでしょ?あたしの家来ていいから!」

山登りの準備もあることだし、久々の親友との再開だ。その言葉に頷く。

「よし来た!パーティしよ!他の子も呼ぶね!!」

アムのテンションが上がった。昔からわかりやすい子だったけど、変わってないみたいね。

みんなでアムの家に向かう。みんな全然変わってなくて、今でも誰だからちゃんと分かる。

安心できる。

帰ってきたんだなぁ……。


アムの家はとっても広くて、兄弟も多い。だけどみんな血は繋がってない。

アムは孤児院のシスターみたいな仕事をしていた。

時々に手伝ったりもしたから兄弟たちのこともわかる。

みんなもわたしのこと覚えていてくれたみたい。

友達やその家族なんかが集まってパーティーが開かれる。

久々の故郷の料理。涙が出そう。

あれ、こんなに涙脆かったっけ。

みんなでわいわいやって、明日の準備もして、わたしはアムの隣で眠りについた。

原因を探って、フェアリーを助けて、薬草を持って、アンジェの元に帰る……。

そしてアンジェの願いが叶えられたらまた戻ってこよう。

わたしの故郷はちゃんとある。帰ってこれる場所がある。

なんだが勇気付けられる気がした。

国の為、アンジェの為。今は頑張ろう。

わたしに出来ることをしっかりやろう。



パス下手くそですんません。最近書いてなくて文章グッダグダです。

サブタイトルも思いつかなかったので適当です←

思いついたら変えます


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