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少女と呪石とほどほど人外  作者: 宮居/四葩
第1章
14/80

013 実行

担当:宮居

あぁ……始まる……。

「何処だ!?奴の国か?方向は!」

「正門からですっ海の方向から!」

「裏路から偵察部隊を出せ。騎士4名、国民を避難させるためにあのルートを確認させろ!」

「行意!」

彼は敬礼をしてさっていった。

「さて……アンジェ?」

カティがこちらに向き直る。

先程の問を答えろという事なのだろう。

「あ、おいっアンジェ!」

あたしは、逃げ出した。




あぁ、もう。無駄に広いわねこの城は……。早くシナと合流しなくっちゃ……

あたしは城を駆け回っていた。

この混乱なら、今のあたしに構うやつなんてそうそう……

「何をしているんだね?アンジェ」

「え」

気配を全く感じなかった。

戦争の準備をしている兵から隠れるようにしていたのだが、これが、王に見つかった。

「そういえばさっき、我が息子がお前のことを探していたな。来てもらおうか」

と腕をつかんで引きずっていこうとする。

「やめ……っ」

思いっきり腕を振るが、離れない。

数メートル引きずられたが、次の瞬間



王の動きが、止まった。



「大丈夫?アンジェ」

「シナ!」

通路の影から出てきたのはシナだった。

腕からは鎖が伸びている。呪いを使ったのだろう。

「アンジェ、行きましょう。エルのところへ」

「でもこれほっといていいの?」

「彼から数分の記憶を消した。時間が動き出すまであと数秒しかない。行かなきゃ」

「……わかった」

呪いってやっぱり凄い。

シナと共に走る。

エルの地下牢へ、向かう。

「こっち。別の道から行こう。見つかったらめんどくさい」

とシナがあたしを引っ張る。

頷き付いていく。

「速い?」

「いえ、大丈夫」

シナがあたしに呪いを使った。

「ちょっと、速くするから」

こんなことも出来るのね

走るスピードが上がる。いつも以上のスピードが出てる。凄い。

地下牢まであっという間だった。

エルの檻の前まで行く。

「エル」

鎖は外されていて、更に鎧を着せられている。

既に誰かが、ここに来ていたようだ。

戦争の準備、ということだろう。

「あなたも出るのね?」

エルは頷く。

まだ恐らく敵が何処だかわかっていないのだろう。

連絡は来ていないようだ。

国民の安全も考えなければならないから……、それを考えると、まだ時間はありそうだ。

「シナ、貴方の友人とは連絡取れる?」

「できないことは無い」

そう言うとシナは呪いを発動した。

こめかみの当たりをとん、とん、とつついている。

「あ、ルイ」

繋がったみたいだ。

「うん、これから。近くの森?シェルターの反対側、ね。了解。敵は?」

シナの口調、雰囲気がいつもと違う気がする。

「わかった。えーとじゃあ……1430に。うん。間に合わせる。…………わかった了解」

「繋がったみたいね。相手はなんて?」

呪いを解いて2度頭を振ってからシナが口を開く。

「今から1時間半後に、この国にかかってる呪いを解く。ルイはこの国の西門から出ると広がる森にいるみたい。攻めて来た国はその森を挟んで隣の国。ルイがいたとこらしい」

「その人も呪いが使えるのね?」

「わたしが教えた」

なるほど。そういう事か。

「この国の呪いを解くってのは?」

「様々な呪いがかかってるのよこの国は……姿を変えられた人もいるし」

あのカエルの人(?)とかか。

「おかけで、呪いをかけられてる人、それに関与する人はこの国を出れないの。わたしも。エルもそう。呪いで包まれてるのよこの国は……」

「それを解いて、国から逃げ出す。そしてエルの首輪も外してもらう。この戦争の混乱のなかで、それをやり切ると?」

「そういう事。貴方がエルの首輪が欲しいと言うなら」

「わかったわ。門兵に知り合いがいるから、呪いが解けたら門は開けられる。外に出られるわね。エルは……そうね。貴方の役割は?」

「……城の防衛、だと思う」

「だったら時間になったら抜け出して西門まで来て。他の人に捕まるような速さじゃないでしょう?3人揃って脱出して、離れたところでそれを取るわ。構わないわね?その後貴方は、故郷に帰ればいい。あたしも旅に戻る。シナは友人が近くに来ているのでしょう?問題は、ないわね?」

「大丈夫」

「じゃあ、時間になったら決行よ。あたしは街に戻る。シナ、お願い出来るかしら?」

シナが頷く。

これだけで話が通じるとは、流石だな。

あの愚弟と違って……。あいつは今頃何してるんだか。面倒だけは起こさないで頂戴よ……


シナに姿を隠してもらって、城を出た。

呪いってなんだか、魔法みたいね。シナは魔法じゃないって言ってたけど、使えないあたしからしたら同じようなものに思える。



さて……。彼は今何処にいるのかしら?

時間までに、西門にいなければならないのだけれど……。

「あ、おねぇちゃん!」

後ろから声が聞こえた。

知った声だけど無視をする。

「おやおや。お前何?嫌われてんの?」

とそこで、探していた声が聞こえたので振り返った。

「ファネス!」

「お、なんだなんだ」

彼に駆け寄る。相手はカエルだけど。

「貴方にお願いがあるの」

「ほぉ。聞いてやろうじゃん。で、あれ、そのままでいいの?」

「あれ?何の話をしているのかしら?」

ファネスが指を指した方を見る。が、何もいない。あたしには何も見えない。

実際には、しゃがみこんだルイスがいたのだけれど。

カエルを手に乗せ、案内通りに進む。

開始の時間は、ファネスの呪いが解けるからわかるだろう。

それが上手く行けば、だけど。


「そこだ。そこ曲がったとこ」

「ファネスさん。今日はお休みでは?」

門兵が言った。

しかしファネスが答える間もなく倒れる。

予め、シナから薬を貰っていた。

呪いのかかっている、薬。

それを相手の足元に投げたのだ。少量の霧が出て、相手は眠る。一人用らしいから、あたし達には害はない。

それにこれはシナから許可が出ないと解けない呪いらしい。便利だ。

「へぇ。こんなのもあるんだな」

「ええ。じゃあ後は時間まで待機ね。ちゃんと仕事してよ?」

「呪いが解けるなら、な」

そのうちにシナが西門へやってきた。

なんとか抜け出せたみたいだ。あとは、門が完全に開くまでに、エルが来てくれれば……。

「あと1分」

シナが言った。

ファネスが準備を始める。

エルは、間に合うだろうか……。




突然、地面が揺れた。

地震が起きたかのように、揺れた。

「始まった」

時間になった、ということだろう。

「ファネス!?」

「はは、ホントかよ。久々だな……よし」

カエルの姿は、何処にもなかった。

そこには、スカーフを巻いた、かっk──

ガンっと頭を壁にぶつける。

ファネスは気にしてない。

……彼の姿は、兄様に、似ていた。

カッコイイとか思いそうになったけど……違う。違う。違う。彼は、兄様じゃない。

あたしには、兄様がいる。そう。あたしは、兄様がいればそれでいいの。だから、だから……

「開けたぞ!」

と言うファネスの声と共に、何者かが現れた。

「エルっ間に合った!」

少々傷を追っているが、なんとかここまで来れたらしい。

「ありがとう。ファネス。元気でね」

「こちらこそ、な。また、どこかで」

『3人』で、国を抜け出す。


目の前に広がっているのは、深い森だ──。


やっとこの章終盤です。


next→未定


※体制を変え更新再開致しました。

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