千年後の勇者、始まりの物語
千年後の主役は名無しの村人A。
モブキャラと言うべき影の薄さ。
これは魔王の城へ拉致られてから
三日間、その数日間の本音。
後に訪れる転機までの愚痴…?
正直に言おう。
俺はいわゆる、モブキャラって奴だ。
村人A、どこにでもいる普遍的な日常の演出者。
面白味がないと思うかい?
いやいや、これがまたそんなことないんだな。
普遍こそ本来、人間にとって一番幸せな在り方
俺はそう思うね。
寝て、起きて、毎日同じような顔の奴等と会話。
何も変わらないから安心するし、そうじゃないと不安になる。
あんただって、俺と同じ生活をすれば分かるよ。
何もないけど、だからこそ見えない幸せがあるんだってこと。
普遍最高!普通最高!あー、もう早く普通の村人Aに戻りたい。
全世界の希望とか、全世界の支配者とか何なの?
村人Aの、普通の俺には関係ないし。
勇者とか魔王とか、本当にどうでもいい。
俺は俺の、普通の生活を取り戻したいだけ。
だから俺は、今日も仕方なく。
魔王とか言ってる、ちょっと調子こいたアホのペット=犬扱いを甘んじて受け入れる。
ちなみに、いつか下克上して寝首をかいてやるとか、そういった物騒な願いは特にない。
俺はいわゆるモブキャラだから、無理はしない。
現状を受け入れ、ただ流されるが如く。
人は俺を、村人Aまたは、ロベと呼ぶ。
どちらにも傾くヤジロベエ、略してロベってさ。
「今日も変な顔だな我が犬」
「今日もアホだな魔王様!」
俺をペット扱いする奴の名は、カリスティア=レーグル=ロイ=フィーズ…まだまだ続くが面倒なので割愛する。
人呼んでカリスマ魔王、略してカリス魔王だ。
もしかしてシャレのつもりなのか?いや、名前もカリスティアだからね!
仕方ないよね、笑っちゃっても。
村人Aの俺をペットに選んだ、ちょっと、いや、かなり変な御主人様は能力は確かに高いらしい。
ついでに言うと、黙っていれば誰もが見とれる麗しきお姿なのだが…口を開けば何か色々残念だ。
現実に、理想は追い求めない方が幸せだと理解させてくれる典型的な存在だな。
まぁ、三色飯つき昼寝つき、部屋も立派で文句なしの環境ではある。
枕元に魔物がウヨウヨしている以外はね!!
仕事しないダメ人間には確実になる環境だけどな。
それでも村人A暮らしが恋しいと思っていた俺は、魔王に輪をかけて変人なのかも。
…大切なあの人に、慈愛の天使に出会うまではね。
次から千年後の本格的な話に入ります。
魔王のペット認定話、始まりは犬…?
ロベリオが語っていた過去の知り合いが
そろそろ出てくる頃合いですね。
まずは魔王様と黒騎士、それから…?




