表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく  作者: かわさきはっく
第二章 ロルディアの影

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/330

第35話 初仕事と影の思惑

 ロルディアの冒険者ギルドは朝から(にぎ)わいを見せていた。

 受付には依頼を受ける冒険者たちの列ができ、壁には無数の依頼書が貼られている。


 俺たちは正式にギルドに登録されたばかりで、これから初めての依頼を選ぶところだった。


「さて、どの依頼を受けようかしら?」


 エルンが壁に貼られた依頼書を見ながら言う。


「生活のために稼ぐ必要はあるが、情報収集も兼ねた依頼が理想だな」


 俺は慎重に選ぼうと考えていた。


「んっ……これ?」


 ルナが小さな前足で一枚の依頼書を指し示した。


「……護衛依頼、か」


 俺は紙を手に取った。


 依頼内容:交易商人の護衛

 報酬:銀貨30枚

 依頼主:商人ハインズ

 目的地:ロルディア北部のノルハイム村までの護衛(片道1日)

 注意事項:最近、近辺で盗賊の目撃情報あり


「この依頼なら、そこまで危険な仕事じゃなさそうね」


 俺が持っていた紙をのぞき込んで、エルンがつぶやく。


「盗賊か……まあ、奴らが相手なら、これまでの経験で十分対処できるな」


「じゃあ、この依頼で決まりだな」


 俺は依頼書を持ち、受付へと向かった。

 受付嬢がにこやかに対応する。


「この依頼を受けます」


「護衛依頼ですね。依頼主のハインズさんはすでにギルド内で待機されていますよ」


 受付嬢がカウンターの奥を示すと、そこには50代ほどの小太りの商人が座っていた。豪華な服を着ており、どこか用心深そうな目をしている。


「お前たちが今回の護衛か?」


 ハインズは椅子から立ち上がると、俺たちを見て軽く顎を上げた。


「エルフ……か。珍しいな」


 俺とエルンを見比べると、少し考え込むような仕草をした。


「何か問題でも?」


 エルンが微かに警戒する。


「いや、最近エルフが狙われてるって話を聞いたもんでな。護衛役がエルフというのは少し意外だった」


「……狙われている?」


 俺が食いつくと、ハインズは低くつぶやいた。


「ああ……ここ最近、この街でエルフの行商人が何人か行方不明になってる。商人仲間の間でも騒ぎになってるんだ」


「それは……エルフばかりが狙われてるのか?」


「そうみたいだな。街の外で消息を絶ってるケースが多い。盗賊に襲われたのか、それとも別の何かか……」


 俺は目を細める。

 ロルディアに入った時から何者かの視線を感じていた。エルフを狙う動きがあるなら、自分たちも無関係ではいられない。


「ともかく、仕事は仕事だ。明日の朝には出発するから準備をしておけ」


 そう言うと、ハインズはギルドを後にした。


 宿に戻った俺たちは装備を確認しながら、明日の依頼について話し合った。


「……やっぱり、誰かがエルフを狙ってるのね」


 エルンが腕を組む。


「おそらく、単なる盗賊の仕業じゃないな」


 俺も考えを巡らせる。


「んっ……わな?」


 ルナが尻尾をふるふると揺らしながらつぶやいた。


「わな、か……」


 確かに護衛依頼の体で俺たちを誘い出し、襲う可能性もある。だが、考え過ぎかもしれない。


「まあ、どのみち戦闘になる可能性は高い。抜かりなく準備しておこう」


 俺は短剣を手に取り、刃を確かめた。


 ***


 翌朝、俺たちは商人ハインズの隊と合流し、ロルディア北部へ向けて出発した。

 馬車には布で覆われた荷物が積まれ、商人と従者が数名付き添っていた。


「さて、問題なく目的地まで行ければいいがな」


 俺はそうつぶやきながらも、きっと何かが起こりそうだと予感していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ