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百周目の勇者と異世界転生した私  作者: 銀月
千年目の邪神復活と滅亡する世界

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結.次は……

『今度はモード分けようと思うんだよね』

『モードとは何? わたくしにわかるように説明して』


 カシェルはまた面倒くさいこと言い出したという顔だが、セレイアティニスはノリノリという顔で身を乗り出した。


『つまりー、なんかほらカタリナちゃん以降、王族の子たちが皆ゴリラになっちゃったじゃん? 試練がヌルくなったと思うんだよねえ。だからさ』

『だから?』

『今までのをノーマルモードとしたら、難易度上げてハードモード、爆上げしてべりハモードってことにしようかなと思って』

『サーリス、正気ですか』


 まったくもって正気だけど? という顔で、サーリスはにんまりと笑う。


 あれからかなりの年月は過ぎて、世界は何世代分も時が過ぎた。女神もたおやかさはキープしつつどうにかゴリラの称号に相応しいフィジカルパワーを手に入れたし、メンタルも、サーリスの相手をしていたお陰か、たいていのことでは動じなくなってしまった。

 しかしそうは言っても、相変わらず身体はミニサイズのままなので、何か吼えても「キャンキャン言ってるなあ」くらいにしか受け取ってもらえない。

 セレイアティニスはもともとの出身の種族が精霊族(フェイ)であるがゆえ、スプライトとかピクシーとか、そういうミニサイズのヒト型で安定してしまったとかナントカらしい。


 とはいえ、「ゴリラ女神」に相応しくサイズに似合わないフィジカルパワーに権能である癒やし(ヒール)防御(自己バフ)の加護で、戦いの神を相手にしても負けない戦い(ただし勝つのは無理)を続けられるほどには強化されている。

 今では「世界を守護するつよつよゴリラ女神」として、この世界の生き物たちに敬われているほどに。


『いやー、やっぱレベルの天元突破って夢だしねえ。ゴリラ育成を司る神トレーナーとしては、期待に応えてこそじゃないかと思うんだよ。

 それに作ったほうが楽しみが増えるじゃん?』


 たしかに、あれからカタリナとザールとロッサの三人がめちゃくちゃがんばってくれたお陰で、三つの国のどの王族も――いや、王族どころか下手すると一般の兵士や魔法使いまでが、ほとんどゴリラといっていいほどまでにレベラゲを行うようになった。

 穢された大神殿も再度浄化され、そこでも神官たちがゴリラ神官目指してレベラゲをしているし、サーリス曰く「神相手でもヤバくない?」というゴリラだらけの世界へと変貌してしまったのだ。

 この先再びこの世界に魔王が現れたとして、おそらくは初戦敗退確定だろう。

 三人がさんざん苦労してクリアした三つの試練場は、現在、ゴリラを目指すありとあらゆる猛者たちが集まりレベラゲを行うための場として大活躍している。




 そして、サーリスとカシェルは、女神を立派にゴリラへと育て上げることに成功したせいか、なぜか亜神と呼ぶべき存在に格上げされてしまった。

 エルフの寿命はそもそも長いが、今やそれ以上。なんと寿命無し(イモータル)である。

 ちなみに、セレイアティニスはサーリスを監督する立場であるし神としての格も上だが、育成されてしまったせいか、現在もこのふたりには頭が上がらないままである。カシェルの監督をする神はもちろん時の神クァディアマルだが、サーリスのパシリのような立ち位置は変わらず、今もいいように使われている。


『そんなに育成してどうするんです。適当なところで止めておかないと神に昇り詰めるヒトが無駄に増えることになるのだがと、クァディアマル様にチクチク言われてるんですが』

『大丈夫。この世界レベルカンストあるし、カンスト程度じゃソロで神に勝てないんだよ。神になるとか普通に無理だって』

『カンストって何ですか。ほんとうにそんなものがあるんですか』

『カンストって何の略だったかな……要するに打ち止め? いくら経験値稼いでもそれ以上レベル上がらなくなるってやつ』


 サーリスは相変わらず意味不明な言葉を使って説明とも言えない説明をするが、セレイアティニスもすっかり慣れてしまった。そして、その普通に無理なことをやらかしたのがサーリスとカシェルのふたりであるわけだけど……とも考えたけれど、口に出すのは止めた。

 神のレベラゲなんぞをやらかす者がこのふたり以外、他にいるはずがないのだ。


『だからといってただ難易度の高い試練場を作るだけでは芸がないのではなくて? もう少しひねりが必要だと思うのだけど』

『それなんだよねえ……』


 セレイアティニスの指摘に、サーリスは頷く。

 単純に中の魔物の数を増やして強くするだけでは、強さがインフレ起こすだけで芸がない。前世の少年マンガで散々読んできたから想像できる。


『あー……アレかな。なんか、変な能力開発できちゃうやつを考えたほうがいいかな。インフレ防止にはやっぱ搦め手とか新要素必要だよね』

『“なんか変な能力”に不安しか感じませんが』

『変なって、たとえばどんなものかしら』

『他のゲーム要素取り入れ……あ、思い出した! ナンバリング後半で錬金術とか魔物使いとか出てきてたわ! めっちゃウロ(うろ覚え)だけど、勇者パワーでいろいろ解決とかもあった気がする! アレ再現できるかな!?』


 すっかりその気になってしまったサーリスに、カシェルは相変わらずのしょっぱい顔を向ける。

 ゴリラ女神セレイアティニスをなし崩しに加えて三人組となった今なおサーリスは変わらず……きっとこの先千年でも万年でも、何か新しいことを考えて、落ち着きなくやらかし続けていくのだろう。


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― 新着の感想 ―
ずっとずっと面白かったです。 完結、ありがとうございました。 サーリスとカシェル、くっつかないかなぁ、ラブ要素ないかなぁと思っていたのですが最後まで筋肉トレーナーだった……。
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