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第18話 活動時間……?


「--結婚するから--こどーーたし--」



言葉にノイズが走る。鮮明に覚えているはずの事なのに……



「おめ--香織--」



違う……覚えてるけど思い出したくないんだ……



「--がと」



やめろ……



「--この子を」



やめてくれ……



「この子を……幸せにしてみせるよ」



やめろぉぉぉ!!!



「っはぁ!……はぁはぁはぁ……」



目の前には見慣れた天井が写っていた。どうやら夢を見ていたようだ



「……久々に見たな……この夢……」



まだ5月上旬。風もまだ冷たく、汗をかくような気温ではなかったが、京の顔からは汗が出ていた



「……風呂」



かいた汗を流す為、風呂場のドアに手をかけるが、京は留まった。また芹が入っているかもしれないからだ



「せ……芹ー?」コンコン



扉をノックしたが反応はない。どうやら今日は入っていないようだ



「呼びましたかー?」

「うわぁっ!」



キッチンからひょっこりと顔を出した芹。風呂場にはいなかったが、家には入ってきていた



「勝手に入るなよ……」

「まあまあ。京さんなかなか起きないから起こしにきたんですよ」

「えっ?」



時計を見ると12時を少し回っていた



「こんな時間まで寝てたのか……」

「昨日朝から出かけるって言ってたのに全然出かけないから」



確かに10時には出るつもりだった。タイマーもセットしていた。……だが()()()を見た日はいつもこうだった



「てか起こしてくれてないよね?」

「ご飯作ったら起こすつもりだったんですよ。ほらっ!美味しそうでしょ?自信作です!」



そういうと、芹はフライパンの中身を京に見えるように少し傾けた



「いい匂い……なんて料理だ?」

「和風パスタですよー。ツナ缶と青じそでサッパリ風に仕上げてみました!もう少し時間がかかるんで、お風呂に入ってきたらどうですか?」

「じゃあお言葉に甘えてそうさせてもらうわ」



京はタンスから着替えを持って風呂場へと入っていった



「なんか今の会話……夫婦みたいだったな……」カァァァ



芹は赤くなった顔を押さえながら顔を横にブンブンと振り回した。考えたら恥ずかしくなったのだろう



----しばらくして京はお風呂から上がった。身体からは湯気があがっていた



「あ、出てきましたね!もう準備出来てますよー!」



机には二人分のパスタが向かい合わせの席の前に置かれていた



「美味そうだな……いただきます!」

「いただきまーす!」



二人はフォークに絡めたパスタを頬張った



「うん!ツナの塩味が効いてて美味いな!」

「本当ですか!喜んでもらえて良かったです!」



その後もフォークを止めることなく食べ進める二人。そして京はふと思い出したことがあった



「そういえば香織と白瀬って……」

「はい。今自治体の会議中ですよ」



今現在、〈赤坂京保護自治体〉は会議の終盤に突入していた。その会議に昨日入会した香織と組織のNO.2に位置する役職につく白瀬は参加しているのだ



「毎月第2と第4の日曜日に会議があるみたいですね」

「なんの会議だよ……」

「今日の議題はテレビ局への対策方法についてらしいです」

「テレビ局?」



なぜそんなものを議題にしているのか。テレビ局と自治体活動になんの関係があるのだろうか……



「〈この街に住むイケメンを探せ!〉っていう企画知ってますか?」

「ああー知ってる。毎日お昼に放送してるバラエティー番組のやつだろ?」

「それですそれです!その番組が今度この街に来るって情報を自治体のメンバーが掴んだらしいんです」

「どーやってその情報掴んだんだよ……」



いや……気にしたら負けだと思い、京は考えるのをやめた



「で、その番組から京さんを守る為の会議みたいです」

「うん?……なんで守るんだ?」

「お茶の間の皆さんに京さんの姿を見せない為だそうです」



京にはなぜ見せないようにする必要があるのかわからなかったが、芹が教えてくれた



「京さんの魅力に耐えきれず……最悪死人が出る可能性があると……」

「出るか!」



京は思わずツッコミを入れてしまった



「聞いた話だと心肺停止までいった人は何人かいるみたいですね」

「うそぉ!俺人殺しかけたのか⁉︎」

「なので京さんを守るというか、視聴者を守る会議が今、行われてるんですよ」



まさか知らないうちに知らない人を殺しかけていたのか……



「まあこの街の女性全員が一丸となって対処するみたいですし……なんとかなると思いますよ?」

「……ならいいんだが」



なら……いいのか?なんか釈然としない……



「それよりお昼からはどこに出かける予定だったんですか?」



芹は話を変えた



「妹に市役所に提出してほしい書類があるって頼まれてな。それを出しに行くんだよ」

「へぇ……それって他の人が出しても大丈夫なやつなんですか?」

「俺もそう思って聞いたんだが、どうやら大丈夫らしい」

「ふーん……それ私もついて行っていいですか?」



芹は同行を提案した。本当は一人で行きたいところだが、

断る口実も思いつかず……



「……なら食べ終わったら行くか」

「やった!」



芹も連れて、出かけることになった








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