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第16話 自治体……?



「なんで俺の隣に引っ越してきただけでこんなことになるんだ?」



理解が追いついていない京は白瀬に尋ねる



「分かってないですね……京先輩は自分の立ち位置を分かってませんよ!」

「え……なに急に……」



机をバンッと叩いて白瀬は言い放った



「京先輩はこの街の女性全員から狙われてるんです!」



え……なにその恐ろしい状況……



「いいですか?京先輩が外出するたびに坂の上から転がるりんごを追いかける女の子がいたり、パンを咥えた女の子とぶつかったり、棚の上の商品を必死に取ろうとしてる女の子とかいるでしょ?」

「……確かにいるが、そんなの日常茶飯事じゃないのか?」

「日常茶飯事なわけないでしょ!あれは全部わざとやってるんです!」

「ええっ!」



一生に一度あるかないかレベルの出来事なのだが、京にとっては毎日の出来事なので感覚が麻痺しているようだった



「そんな……じゃあ紙袋の底が破けて追いかけてた優しそうな叔母ちゃんは……」

「京さんが坂の下にいることを確認して、わざと破いてるんです」

「味付けしてない食パンを咥えた女子高生は……」

「急いでるフリしてぶつかってるだけです。いつも余裕で間に合ってますよ」

「明らかに身長が足りないのに背伸びして頑張って商品取ろうとしてる奥さんは……」

「京さんが商品取ったあと、その商品を店員さんに頼んで元の場所に戻してもらってます」



女が苦手ではあるが、優しい京は困っている人を見過ごせないタイプであり、救いの手を差し伸べていたのだが、まさか全て仕組まれていたとは……



「なんてこった……俺は女子高生からおばさんにまで狙われてるのか……」

「それだけで済めばまだ良かったんですけどね……」

「え?」



まさかまだあるのか?



「毎日公園の木に風船が引っかかって泣いてる子……いるじゃないですか?」

「あ……ああ。幼稚園児ぐらいの子がいつも持ち手のある風船を引っ掛けてるな……」

「あれ……わざとですよ」



京はあまりの衝撃に意識を失いかけた。やばい……まさか年齢が二桁にもなってない子からも狙われていただなんて……



「京さん……人気すぎません?」

「昔からモテモテだったけど……あの頃と比にならないぐらいモテてるわね……」



栁内親子は京のモテモテぶりに感心していた



「さて、京先輩のモテモテ話はこれぐらいにして……まずはこれをどうぞ」



白瀬は両手で名刺を香織と芹に差し出した



「名刺なんて今はいら……ん?」



芹は名刺に違和感を覚えた。会社で使っている名刺ではないからだ。ではなんの名刺なのか……



「赤坂京保護自治体女支部副長?」



聞いたことがない自治体だ。いや最初の3文字は聞いたことあるのだが……



「はい。京先輩の為だけに作られた自治体です。私はその自治体の主幹なんですよ

「自治体って……てことは政府公認ってことですよね?」

「はい。まあ極秘扱いですけどね」

「俺の知らないところでそんな団体が出来てたのか……」



最近、自分の知らないところで自分関連でえげつないことが起こってる事を聞くことが増えた気がする……



「あ、メンバーはこの街の成人女性全員です」

「「「全員⁉︎」」」



3人は驚きの声をあげた。当たり前だ。住んでる街の女性全てが京に影響を及ぼす自治体のメンバーなのだから



「しかも副長ってことはその上の局長がいるってことだよな?」

「うん。あ、でも大丈夫!局長は()()()()()()()()()()から!」



その ()ってのが一番怖いんだが……



「で、その自治体内で決められたルールがあるんだけど、そのルールに栁内さん達は違反したの。まあこの街に来たばっかりで、ルール知らないから仕方ないんだけどね」

「ルール……ですか?」



どうやら自治体内で作られたルールに違反した為、今回の張り紙騒動が起きたようだ



「そのルールが〈赤坂京の隣に住まないこと〉。だから今回の嫌がらせが起きちゃったの」



そのルールを聞いて、京は思い当たる節があった……





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