No.49【迷宮水路の上層主 猫魚】Act2 蹂躙
〈スキル発動【吸収】【毒牙】【傀儡】【黒狼】10体【水鰐】10体〉
〖……報告します。貴方の現在の水属性のステータスレベルでは、水鰐の様な大型魔獣を【傀儡】で操れるのは1体までになります〗
世界観測からの説明が聴こえてきた。何だかいつもよりも声が冷たく聴こえたが……まあ、無理もないか。あれ程、警告してくれていたのにそれを無視し、勝てるわけもない相手と対峙しようとしているのだからな。
『ブオオオオ!!』
【了解。切断された。舌を回収し元に戻す。スキル発動【接合】【粘膜】】
巨大鯰主の口から切断された舌が、再び伸び始めた。だが、その回収しようとしていた舌は既にこの場所には存在しなかった。
〈今だ。水路の主の舌と口を切り刻め。【蟷螂】【黒狼】【水鰐】よ〉
「ギギギ!!」「ウオォオ!」「ジュルル!!」
『ブロオオオ?!』
まず最初に蟷螂】の鋭利な鎌で、巨大鯰主の大きく飛び出して来た舌を容赦なく突き刺し固定した。
次に【黒狼】達に巨大鯰主の身体に噛み付かせていく。
〈【水鰐】よ。奴の舌を噛みちぎれ!〉
「ジュルル!!」
『ブオオオ?!!』
【猫魚の舌の切断を確認。緊急事態につき強制的にスキル【血止】を発動し、止血を行う……そして、敵対象の危険レベルを格上げし。本格的な除草を開始する】
除草とはな。私の事は本当に格下としか思っていない様だな。だが、その油断が隙を生むのだ。
舌を切断し口は開かせてもらった。次はその体内にあらゆる状態異常をプレゼントしよう。
スキル発動……【蜜蟻】300体【翔蝶】300体【蠱毒】【麻痺】【裂傷】【催眠】【幻覚】
私は新たに大量の虫達を出現させ、その全ての虫達にあらゆる状態異常のスキル付与させた。
『ブロオオオ!』
【了解。一端、水中へと潜る。傷を癒した後、敵対象に新たな攻撃を開始する】
水中に潜る? 私がそれを簡単にさせると思うかね?
木魔法発動……【宿り木】【光合成】
ここで畳み掛ける様に2つの木魔法を同時に発動させる。大量の蔓を出現させ、相手に絡み付き動きを封じる【宿り木】で巨大鯰主の身体を拘束した。地下水路まで届いた月光を【光合成】で魔力変化させ大量の蔓の強度を底上げする。そして、その蔓で巨大鯰主の口を無理矢理こじ開け、出現させた大量の虫達を口内へと突撃させる。
『ブロオオオ!!』
【突然、現れた膨大な蔓により、猫魚の身体を拘束……体内に餌となる虫達が侵入中】
〈世界観測が何故、あれ程までに逃走を促していだが、案外呆気なく勝負がつきそうじゃない……〉
『ゴオオオオ!!』
【了解。雷魔法【蓄電の咆哮】を発動。半径500メートル以内の敵対象へと攻撃する】
〈な…に? 水魔獣種が雷魔法だと?〉
【魔法……発動する】
巨大鯰主の身体から膨大な雷が放たれる。それにより、【宿り木】が黒焦げになり奴の拘束が解かれていく。
〈こ、これは!、 ガァ?!〉
『ブロオオオ!!』
【続いて、水魔法【鋭利の水霧】とスキル【水切】【泥水】を発動する】
巨大鯰主から放たれた雷魔法の攻撃で、身動きに取れなくなってしまった。
そこに追い討ちをかけるように、奴は水魔法を発動し、顔を左右に振り始め、長い髯を私に向かって振り下ろし始めた。
〈くっ……雷魔法に続き水魔法も使えるのか?〉
そして、振り下ろされた長い髪が私の茎《身体》に直撃し、身動きが取れなくなった。
『ゴオオオオ!』
【除草完了。特殊個体を回収……口内へ……咀嚼完了……敵対象処理完了した】
ドバァン!!
こうして私は猫魚に圧倒的な力の差を見せつけられ敗北し、食べられてしまったのだった。




