第六話 殺意と関係
何故にこうなった?何故に監視されてる?視線がめちゃくちゃ痛いんですが・・・。面倒くさいし頭痛い。
今現在、東南東方向に向かい小鬼を討伐中。ミキが特攻、俺が補助・・・してないな。んで、俺達の後ろに組合長補佐のマキちゃんが腕組んで俺を睨みつけて監視中。
今から少し前。
「マッチョ隊A班!救出された冒険者の保護と護衛、この場からの脱出を命ずる。東南の巣穴を出た後待機し、マッチョ隊B班が巣穴に進行、マッチョ隊C班は冒険者を連れてコタゴリラに帰投、医療班へ冒険者を預け待機とする!ワシはこいつの始末をする!」
ミキがマキちゃんに事情説明したらこうなった。巣穴に入った後の説明は問題ないんだが、組合長との試合・・・ミキちゃん・・・説明下手すぎ!頭痛い。
少し前の前
「私の命令でアスカちゃんと試合になったんだけど、肉鎧が壊れちゃってアスカちゃんが出て来て〜めっちゃ揉んでた(私が)!アスカちゃんって〜昔から良い物持ってるじゃない?ちょっと大きくなったよね!あの弾力と張りの良さは揉みがいがあって〜三十分くらい堪能してた!(私が!)」
全部主語が抜けてるじゃねぇか!
後ろから殺意の視線が痛い中、順調に小鬼討伐を続けるミキ。昔より討伐の仕方に余裕が出て、魔石回収が上手くなったな。二刀流と風魔法で小鬼を寄せ付けず、上位種の弓遣い(アーチャー)、戦士、騎士、魔法使い(メイジ)辺りでは擦り傷もない。たまに訳が分からない言葉を口にしてるが気にしない。
「はーりーけーん!」
小鬼も騎士が盾を構え、その後方から戦士が隙を見極め攻撃。弓遣い(アーチャー)と魔法使い(メイジ)がミキの着地の瞬間を狙ったり、ミキの攻撃目標の小鬼ごと矢と火魔法が襲う連携して来る。同族を巻き込もうと構わない必死な攻撃。別の班も矢、槍、石等の投擲に加え火弾。更に水魔法で霧を出し視界を遮りうとするが、常時風魔法を発動させてるミキには効果がない。
「【マキバ】流初伝、カマイタチ!」
ミキが愛用している獲物(武器)は二刀の短剣。短剣っていうがミキが持つと大剣と変わらない。なにせミキの身長とほぼ同じだからな。
「ほー、ミキお嬢様の技が精鍛されていますな。風魔法を剣に加え刀身を長くさせ相手が避けても切り裂き、刀身の部分を受け止めたとしても纏っている風魔法が相手を切り裂く。風魔法で飛んでいるにも関わらず着地地点を更なる風魔法でズラしたりされてるのが素晴らしいですな」
こっちの世界には魔法があるからな。俺が教えられない分野ではあるが、相性が良いみたいだな。
「【マキバ】流初伝、牙狼!」
カマイタチは敵を横切る時に斬り割き、牙狼は削ぎ斬る。
「あの【マキバ】流・・・ワシ教えてないぞ?」
ん?何故【マキバ】流をミキが知ってたのか分からなかったけど、マキちゃんが教えたのか!
って事はお前は誰だ?