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……動けねぇ!?

今更出た国名。

 正体を隠したまま最後までいってしまい、ピューマリアに説明するのが面倒臭かったけど納得して貰い、現在、あの時に鬼術「目印(もくいん)」を放った3人に拷問に掛け尋問したわ。

 因みに、私の後ろには王城から来た尋問系の仕事をする役人から尊敬の眼差しを受けている。


 その結果、この3人のアジトは判明したけど、奴らの本拠地は分からないままだわ。


 それからは、時間との勝負という感じでアジトである男爵位の鼬人族の屋敷に強襲して全員を捕らえたわ。

 残念ながら、アジトの連中や書類からは、本拠地を示す情報を手に入れる事が出来なかったわ。


 諸々の処理を終えて落ち着いた頃に、前王族や前親王派の名誉を回復したりと色々とやったわ。

 まあ、此処までやっても、サラ達が帰り咲く事が出来ないけどね。


 そして、私は12歳から14歳の乙女達(シスターたち)に触れ合いながら戦闘技術を教えるという至福の時間を過ごした後、この王都を後にしたわ。


 ……本気で集めようかしら、2万人と数人。


 ピューマリア達に別れを告げ、私達はソーマ達が住む人族の王都の1つである「グランメシア」を目指したのだった。


「キサラお姉様、今日はこの街で宿泊ですね。」

「そうね。」


 私達は、私の「同じ道で帰るのはつまらない。」という我が儘で違う街道を使っていたのだけど、思っていた以上に臨時収入が増えたわ。

 まあ、盗賊のアジトには囚われた娘が5人居たんだけどね。

 この宿泊予定地に到着した後、門近くの詰所で事情を説明して、娘達には金貨10枚ずつ渡してさよならして、私達の宿屋を探したわ。

 しかし、私が男だったら「一夜の夢」が、有ったかもしれないぐらいには綺麗な娘達だったわ。

 一応、娘達の身体は洗浄(クリーン)を掛けて綺麗にしたし、復元治療魔法でも綺麗(・・)にしておいたわ。

 勿論、この事は娘達にも伝えてある。

 凄く喜んでくれたわ。

 彼女達、何者だったのかしら?


 さて、私達の宿屋も決まったし、夕食の時間まで街の散策を始めたわ。


 恒例の善意で全所持金を私達にくれる男性に、無料で泊まれる所を紹介しながら歩いていると、可愛いメイドと綺麗なメイドの2人がチンピラに絡まれていた。


「どうしてくれんだぁ~。」

「そうだぜぇ~。」

「ぶつけられた所の骨が折れてんだぞ~。」

「何を言っているのよ! そっちからぶつかって来たんじゃない!」

「きっちり治療費を払って貰わないとなぁ~。」

「そうだぜぇ~。治療費金貨5枚な。」

「な! ふざけないで!」

「払えないのなら、金以外で払って貰うしかないよなぁ~。」

「く……」

「マレナ、もう良いよ。」

「レシア、何を言っているのよ。」

「私が行けば……」

「そんな訳ないじゃない!」


 さて、どう動こうかしら?


「もう待てねぇ~。」

「オレ達のアジトで身体で払って貰うからよ~。」

「ちょ……キャアアアー……」

「いやーーー……」


 良し、踏み外したわ!


「はい。拉致誘拐の現行犯ね。」

「……動けねぇ!?」

「……どういう事だ!?」


 闇魔法の影を使って馬鹿2人の影に干渉して動けなくしたわ。

 ……忍法影縛りってね。


 そして、その後は衛兵を呼んで馬鹿2人は連行され、私達はお礼がしたいと彼女達の後を歩いている。


 書物のテンプレだと、この街の領主館かしら。

 メイドなんて、それなりの地位じゃないと持てないから、限られているしね。


 そして、領主館らしき屋敷が見えて来たからやっぱり領主館かな、と思ったら、メイド2人が門番に挨拶しながら通り過ぎて3軒隣の迎賓館に入ったわ。


 ……ちょっと!

 どういう立地なのよ!

 何故、領主館を正面に立って、右へ3つ目に迎賓館が建っているのよ!


 そして、案内されるまま応接室で待っていると、やたら綺麗な顔立ちの青年と先程の2人と5人のメイドが入って来たわ。

 しかも、その5人のメイドは私達が助けた盗賊に囚われていた娘達だわ。


「待たせたな。私がこのメイド達の主の『カタンガル=デロク=クレンザム』公爵だ。」

「初めまして。Aランク冒険者のキサラです。そして大切な仲間の……」

「奴隷のリンです。」

「同じくサラです。」

「同じくレナです。」


 その後は、向こうのメイド7人を助けた事への感謝と口止め料込みの謝礼金を貰ったわ。

 因みに白金貨10枚なんて、流石は「公爵家」ね。


 この後も、勧誘が混じったお礼のやりとりをしながら、何とか領主館での接待は逃げ切れたけど、王都に近いクレンザム公爵家への招待は駄目だったわ。

 まあ、此処の領主としては、自分の領地に訪れて自分よりも上位の貴族が居るから失敗は出来ない。

 そんな中での「公爵家メイドが行方不明」は、笑えないわよね。

 それを解決した私達……

 色々な意味で私達を招待したいでしょうけど、嫌で逃げたら、代わりに「公爵家」の招待から逃げれなくなったわ。


 そして、一緒に行く事になった私達は、派手な公爵家の馬車隊の最後尾で追従してのんびりと過ごしている。

 流石に、盗賊も公爵家は襲う気は無いみたいだし、モンスターもこれだけの大人数は遠慮したみたいね。


 ……ただ、移動中だったBランクモンスターの「アサルトピューマ」に遭遇したのは驚いた。

 そして、私が首狩りの一撃で討伐した事である程度は認められたと思うわ。


 勿論、公爵家メイドが行方不明で、盗賊に捕まっていたなんて醜聞以外の何者でもない為に箝口令が出ているから大丈夫になっている。


 クレンザム公爵家領地に入った私達は、またしても、そのまま公爵家の屋敷に到着したわ。



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