✒ 雪の女王 2
吟遊詩人のペンデルは双子の妹と共にユーデレン大陸中を旅する予定でした。
紺碧色の鳥の案内で “ 混沌の樹海 ” を抜け、シェシオド国を目指し、シェシオド国内にて森の魔女の妹と出会い、様々な手助けをしてもらい、シェシオド国を出国し、リンコイース国へ入国した迄は順調でした。
ペンデルとグレーデルが入国したリンコイース国は1年の殆どが雪に覆われた国でした。
リンコイース国は、雪と氷の魔法を巧みに操る魔女──雪の女王エリーザグルに統治される国で、あの軍事国家のデジペリゥム王国ですら戦争を避けた国なのです。
氷の城で暮らす雪の女王は子供が好きで、特に美少年と美少女を氷漬けにして城内に飾るのが好きな性癖を持っていました。
そんな厄介な雪の女王に目を付けられてしまったのがグレーデルでした。
ペンデルは賢くてハンサムでしたが、どうやら雪の女王の好みではなかったようで、氷漬けにはされずにすみましたが、グレーデルは違いました。
グレーデルを氷漬けにされてしまったペンデルは、雪の女王にグレーデルを元に戻してほしいと頼みましたが、聞き入れてもらえませんでした。
然し、雪の女王も人の子です。
完全に良心を失った訳ではなく、取り敢えず慈悲心は人並みにありました。
“ 混沌の樹海 ” の何処かに存在している “ 黄金のまつぼっくりの樹 ” に実る “ 黄金のまつぼっくり ” を取って来て “ 黄金のまつぼっくり ” 献上する事を条件にしたのです。
目的を達成させればグレーデルの氷を溶かし、元に戻す事を約束してくれました。
折角 “ 迷わせの森 ” と化した “ 混沌の樹海 ” を抜けて、コフィカデ国を出国し、此処迄来たというのに、ペンデルはグレーデルを助ける為に、逆戻りをしなければいけなくなったのです。
ペンデルは困りましたが、たった1人の家族であるグレーデルを氷漬けにされたまま置いて行く訳にはいきません。
ペンデルとグレーデルは2人で1人前の吟遊詩人なのです。
そんな訳で、ペンデルは再び “ 混沌の樹海 ” へ戻る事になったのでした。




