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第31層 朝のひととき

「ふにやああぁぁあぁぁぁぁ!!な、何なんですかぁぁぁぁ。」


 ものすごく変な悲鳴で俺は飛び起きる。


「な、何だどうした?」


 悲鳴の上がった方を見るとベッドの上で、上体を起こした半裸のメーリィ。その胸に顔を埋めて幸せそうに眠る半裸のメヌエラ。メーリィの悩殺的な胸元が残念なことにメヌエラの顔でうまく隠れていた。


飛び起きた後、そのあられもない姿を凝視して鼻の下を伸ばす俺と目が合い、1秒ほどの間があったが見る見る顔が真っ赤になって


「きゃああああああああああああ」


 ものすごい悲鳴を上げて枕を鷲掴んで俺の顔面に投げる。

ポフッという音と共に顔面にヒットして俺の視界を遮られた。



「ほんっっとーになにもしてないんですねっ??!」


 朝食を囲んでメヌエラに何度も厳しく質問をするメーリィ。

酒が抜けず、俺のその辺の部屋着を素肌の上に羽織っただけの煽情的な姿で机に俯せたまま


「う~~~ん。たぶん・・・なにもしてないよぅ・・・。うぷっ」


 調子が悪いようだったので俺はミルクを少し温めてハチミツをたらした飲み物をだしてやる。


「まぁまぁ、実際、2人ともすぐ寝入ってしまってたよ。だからメヌエラをあまり攻めるな。飲み過ぎたお前もわるいんだから」


俺はメーリィにも飲み物を出しながら彼女を諫める。そんな俺の顔をふくれっ面で睨んで


「・・・ほんとですかぁ?まぁせんぱいがそういうなら…」


 メーリィはミルクに口を付けて「あ、おいしっ」と呟き少し機嫌が戻る。


「そうだぞぅ。我々がすぐに寝入ってしまったせいで、手を出し損ねたせんぱいがいうのだ。間違いないに決まってるだろう」


 そう言ってミルクを飲み干し、上機嫌になったメヌエラがコップをこちらに差し出し、にやりと意地悪く笑う。

俺は渋い顔と引きつり笑いでコップを受け取る。

…こいつ、起きてやがったな。


「どーゆーことです?せんぱいぃ?」


メーリィが疑いの目で俺を見る。


「さ、さぁ?、コイツがきっと寝ぼけてだだけだろう?」


俺はそういうとミルクを温めに台所に逃げる。


「むー・・・」


 メーリィの疑いの目が背中に刺さるので話題を変える事にする。


「メーリィ、今日は休暇オフだが予定はどうするんだ?」


 俺は台所から声をかける。


「今日は装備の修理と武器を新調しに行こうと思ってます。さすがに今の武器じゃあこの先不安で…。せんぱいはどうするんですか?」


「俺は道具屋に用があるんだ。昨日の素材も引き取ってもらいに行かないといけないしな」


俺がそういうとメーリィが思い出したように


「ああ、牛人ミノタウロス稀魔物レアモンスターのっ!!」


 と言ってからしまった、という顔でメヌエラを見る。


「…ふぅん。牛人ミノタウロス稀魔物レアモンスター。…そんなのと遭遇して倒したのだね。F級(Fランク)が‥‥ねぇ」


ミルクを持って戻るとメヌエラが含みのある笑みでメーリィの顔を覗き込んでいた。

俺は大きくため息をつく。


「…そろそろ詳しい話を聞かせてくれてもいいと思うのだがね。君たちが41階層から帰ってこれた理由、この間の夜の稽古、そして今回の稀魔物レアモンスターの話。…君たちはF級(Fランク)ではないということなのかね?」


俺を鋭い眼で見ながらそう質問してくる。

俺は自分用のコーヒーを机に置いて、メヌエラに新しいミルクを渡し、椅子に座る。


「…これから話す話は他言無用で頼む。まだ表に出すわけにはいかない話だ。メヌエラ、あんたが信用における人物である信じて話す」


 F級(Fランク)の特殊システムについてメヌエラに説明をする。彼女は興味深そうに真面目な顔をして話を聞いていた。


「……以上が俺たちの知ってるF級(Fランク)の特殊システムだ」


 俺は一息ついてコーヒーに口を付ける。


「…ふぅむ。我々の知るS級(Sランク)のものとはずいぶん毛色が違うな。面白い」


 面白いおもちゃを見つけた子供のような笑みを浮かべて、急に立ち上がりおもむろに服を脱ぎだす。彼女のあまり胸はないが女性らしいスラリとした肢体が俺の眼に入ってきた。


「なっ、なっ、なっ…なにやってんですかぁ!!」


 メーリィが慌てて俺の視界から彼女の裸体をカバーするように割り込む。


「せんぱいはすぐ後ろむいていくださいっ!!」

 厳しい目で怒られて


「別にいまさら、…なんだがなぁ」


 そう言うとさらに鬼のような目で睨まれたのでしぶしぶ後ろを向く。


「別にじっくりみてもらってもいいんだよ?私は。メーリィのようにあまり自慢できる身体でもないんだが」


 そう含み笑いをしながらどうやら自分の服に着替えているようだった。


「わ、わたしもあまり自慢できるからだじゃありませんっ!!もうっ!早く着替えてっ!!」


 なにやら女同士でイチャイチャやってるようだが俺はおとなしくコーヒーを飲みながら待つことにした。

メヌエラは着替えると俺の前に立ち、


「今度、迷宮ダンジョンに行くときは、ぜひご一緒させてもらえないか?」

 メヌエラはそう申し出てきた。

俺は渋い顔をして少し間をおいて


S級(Sランク)と一緒に潜るのはもうこりごりなんだがな」


 俺はそう言って微妙な笑いを顔に浮かべる。


「その件の穴埋めだと思ってもらいたい。どうせ40階層まで自力で降りるのが目的なのだろう?ならS級(Sランク)と一緒の方が楽に降りれると思わないかい?」


 たしかに、特殊システムがあるとは言え、ここから先は3人中2人しか強化できない状況というのはこの先なかなか大変だ。1人は完全な足手まといになる。

マロールがいるとは言え安全策を取るなら願ってもない話だった。

だが問題はある。


「…嬉しい申し出だが、S級(Sランク)と一緒には部隊パーティは組めないぜ?」


 俺は最大の問題を口に出す。

前回は俺が特別待遇で入れてもらっただけで、本来は格付ランク違いの部隊パーティはよほどのことがない限り登録エントリーさせてくれない。

そういうとメヌエラはニヤリと笑い


「それこそ例の研修制度を逆手に取ればいいのだよ。まぁ任せてくれたまえ。次に迷宮ダンジョン探索に行く日が決まったら教えてくれ。剣の刀身に文字を書いてくれれば精霊が私に教えてくれる。頼んだよ」


そう言ってメヌエラは俺の家を出て行こうと入口のドアを開けたところで振り返り、


「今度は一緒に冒険できるのを楽しみにしているよ」


そう言ってニッコリと笑って手を上げた後、明るい光指す外へ出て行った。

話が進まぬまま雑談回みたいになってます。

まぁ次の迷宮探索はメヌエラと一緒です。

この段取りのためだけの回となりました。

・・・・話のやり取りが長いんだよな・・・。

でもあっさりしすぎるとキャラが立たないし。

困ったものです。

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