第30層 暗闇吐息
いつもの酒場でいつも通り酒を飲めばいつも通りの展開となる。
…いや、いつもはいない女性が混じっていたところで、いつもと同じ展開なのは酒場のせいではなかろうか?
そんなことを考えながら、立派に出来上がってる女性陣を眺めながら酒を飲む。
飲み始めた時は敵視していたメーリィだったが、今はメヌエラと仲良く肩を組んで酒を飲んでいた。
つい数時間前まで敵を見てるような眼で見ていた割に、すぐ誰とでも打ち解けるのはメーリィのいいところであった。
そんな二人を眺めながら、俺もだいぶん酔っていた。
「それでですねぇ…、今日二度も死にかけて怒られたところらんっすよぅ。…あーおもいらしたら泣けてきたぁ」
頭をふらふらさせながらぼやくメーリィ。
「んふふふふ、そんなのはよくあることだぁよ。あたしが新人のころなんかいっつも怒られてたわよぉ?まーじっさい、私のせいで死んじゃった奴もいるしねぇ」
高そうな酒をぐびぐびと呑みながら眼の据わったメヌエラが、へらへらととんでもないことを言い出す。
「…それつらくなかったろですかぁ?」
机に俯せてたメーリィは顔を上げてまじめな顔をして聞く。
「まぁ・・・しばらくは後悔でいっぱいだったわねぇ。でもそんなことしても死者は帰ってこないのよ」
彼女はそう言って目を瞑って自嘲気味に笑い
「だから生きていることを楽しみなさいな」
そう言ってメーリィに覆いかぶさりくすぐりにかかった
「あはははははは、ちょっとやぁめぇてくださいよぉ、く、くすぐったい」
かわいい女の子がじゃれ合ってるのを見ながら飲む酒もいいものだ。
ご満悦で酒を飲む俺の横で
「あ、アジェンドさん、止めないでいいんですか?」
シズクは相変わらずオロオロしていた。シズクは酒が強く、いくら飲んでも酔ってるのをみたことがない。少しいじわるを言いたくなり
「シズクゥ、お前ちゃんと飲んでるか?ほらとりあえずジョッキ開けろよ」
まったく気にした様子なく俺はシズクに酒を勧める。
「い、いや、アジェンドさん?あれ、止めないんですか?」
ケタケタと笑いながらじゃれ合う女性陣を指さすシズク。
その指さされた光景を見ながら、俺はシリアスな顔を決めて
「…女の子がジャレあう姿って・・・・いいよな」
シズクが頭を抱えていた。
たっぷり飲んで楽しんだ俺たちは、日が変わってすぐくらいに酒場を後にする。
シズクが明日は花屋の仕事だったため、今日は解散になった。
ベロベロのメーリィを支えながら俺たちはふらふらと歩く。
「メーリィ。家まで帰れるか?って無理か・・・」
声をかけるがメーリィはほとんど寝てるのか反応がない。
「きみんちは近いだろぅ?そこでいいじゃないかね?美女2人に囲まれてぇ」
そう言いながら、ニヤニヤと笑うメヌエラ。
俺はやや渋い顔をする。
「それしかないんだろうな…」
俺たちはあーだこーだいいながらふらふらと歩いて帰路についた。
俺は倉庫の我が家に着くと、メーリィを椅子に座らせて明かりをつける。メヌエラはそのまま外のトイレに向かってしまった。
俺は台所に行き、水を汲んでメーリィの前に置く。
「ほら、メーリィ、とりあえずこれを飲め」
そう声をかけると、テーブルに俯せていたメーリィが顔を上げて水を飲む。
「おや、起きたのか?それじゃあ少し飲み直すかい?」
いい酒をがばがば飲んでたのにまだ飲めるのかよ、と思いながらニコニコしてるメヌエラを俺は少しうんざりした顔で
「今日はもうやめとこう。俺も疲れてるんだ。お前らはベッド使っていいからメーリィを寝かせてやってくれ」
そう言って俺はぼろいソファに身を投げ出して横になる。
「なんだい。ほんとに冷たい。あの子のこと大事にしすぎじゃないの?」
俺に覆いかぶさるように圧し掛かって、息がかかるほど顔を近づけてくるメヌエラ。
俺はドキリとしたが平常を保ったふりをして
「…そんなわけでもないんだがね。まぁ不純に扱うにはあいつはまだ純粋すぎるだろ?」
酒と女の混ざった香りは、脳がクラクラするほどいい匂いで、目の前の切れ長の目を細めた美しい女に吸い寄せられそうになるのを必死に耐える。
その俺の心情を読み取ったように、質の悪い小悪魔の笑みを浮かべながら俺の頬に唇を押し当てて
「君は少し肩の力を抜くべきだな。私と逢った時はいい感じに抜けてたのにね」
そう囁いた後、ニヤリと笑って俺から離れていった。
…くそっ!ドキドキが止まらない。
「さ、メーリィ。私と一緒にベッドにいこう。大丈夫だ、優しくしてあげるから」
とんでもないことを言いながら、メーリィを起こしてベッドへ移動するメヌエラ。
「おいおい、へんなことするなよ」
俺は慌ててソファから起き上がる。
ベッドに移動したメヌエラは上着を脱ぎながら
「なんだい?混ざるかい?」
いたずらっ子のような顔で笑っていた。
「だぁめぇ、せんぱいはわたしのぉだからぁ」
そういいながらメーリィも上着を脱ぎ、メヌエラの手を引いてボテッとベットに横になる。
「ああ、そうだったな。すまない。すまない」
そう言って子供をあやすようにメーリィを寝かせていた。
そんな二人を見て、おとなしく寝るのだろうと思った俺は部屋の明かりを消し、もう一度ソファに転がった。
真っ暗な部屋に静寂が舞い降りた。
暫くすると囁き声が聞こえてくる。
「…ほら、メーリィ、これも脱いで」
「え~、これもですかぁ。これはいいじゃないですかぁ」
「いいから、ほら手を上げて。…そうこれでいい。しかし、君は肌がすべすべだな」
「ちょ、ちょっとぉ。メヌエラさぁん、ァァン、そこはくすぐったいぃ。クスクスクス」
二人のじゃれ合うような小さな囁き声と擦れる布の音が静かな部屋で割と大きく聞こえる。
俺は…悶々とし始め、ソファにあった毛布を被る。
「ほら。こうやっても手から零れそうだ。どうやったらこんなに育つんだい?」
「ちょ、やぁめぇてぇくださぁい。あんっ。その触り方はいやらしいですぅ・・・」
…どこを、どう触っていらっしゃるのですかっ!!
俺の頭がギンギンに冴えてくる。
「アン、そこはくすぐったいですぅ」
「なんだ、ずいぶんと感度がいいじゃないか・・・。ここを・・・こう・・・ほら」
「ちょっ、クスクス、そこはだぁめですよぉ。・・・ぁん。そこは・・・だめぇ…」
二人の声と甘い吐息が俺の情欲を掻き立てる。
そんな2人のやり取りを何とか耐えていたが、辛抱たまらなくなり俺はガバッと立ち上がる。
二人の痴態に割り込んでやろうという意気込みでベッドに近づくと、
…二人は絡み合うようにしてすーすーと寝息を立てていた。
俺はその場に崩れるように膝をつく。
おめーら、寝つき良すぎだろ…。
俺は悲しみを乗り越え、なんとか立ち上がって2人を見る。
2人ともほぼ半裸の状態であったが、その寝顔は子供のような無邪気な寝顔で可愛らしかった。
俺は毒気を抜かれて苦笑して、毛布を掛け直してやり、頭を掻いてからソファに戻るとそのまま眠りについた。
ぜんっぜん必要ない話だったんですが
エロいの書きたくて。エロいの書きたくて書きましたw
直球と本番は避けたかったのでこういう落ちです。
表現力不足であんまりエロくなりませんでした。
要勉強ですな。




