179話 道明寺
柑橘系の大福を食べ、追加で桜餅も注文したが。
「挟んで食べて下さいねー」
桜餅を最中の皮で挟んで食べるらしい。何故?
最中は最中でアンコを挟んで食べる物だし、桜餅は普通にそのまま単体で食べる物。
因みに俺はなるべく葉っぱを剥がしたい派だ。
塩っぱくて美味しいけど葉脈の部分が固くて気になる。
そして、最中の皮があんまり好きじゃない。
絶対に上顎に張り付くし・・・存在意義を感じない。
脱線したけど・・・わざわざ桜餅を最中で挟むとかちょっと理解が・・・。
「美味っ!」
コクコクコク───。
レイジアはまたしても言葉にならない様だ。
それも分かる。
最中の皮はパリっとしていて中の桜餅はモチモチしていて味はモチロンの事、食感も面白くて美味しい。
軸は流石に挟む前に取ったが、葉脈の部分も全然気にならないから。もしかしたら軸の部分も取らなくても良いくらいに柔らかいのかもしれない。
そして、葉っぱの塩気がまた良い感じで美味しいとしか言い様が無いっ。
何故かは分からないが最中の皮も張り付かないし・・・あ、もしかして良いヤツは張り付かないとか?
高級な最中なんて食べた事が無いから分からないけど。
この店で大福と桜餅を1つずつ食べ。
味にも大満足だし、値段的にも以前食べたモンブランよりも遥かにお安くて庶民的なお値段で助かった。
まぁ、それでも現代の日本とは違うので。その感覚からいくと結構なお値段がしたがレイジアさんのご機嫌が治った事を考えれば破格のお値段と言えよう。
次は、洋服屋さんに向かいウィンドウショッピング。
レイジア達はササガの街で大量に買ってたから買うとしても俺の服を何着か。
そんな甘い事を考えていた・・・。
「そこまで離れてる訳でも無いですけど、場所が変われば置いている物も全然違いますね」
「う、うん。そうだね・・・」
女物の服の違いなんて俺には一切分からない。
でも、レイジアがそう言うならそうなんだろう。
「これとこれ。どっちの方が似合うと思いますか?」
これも知ってる。
間違えたら死ぬやつだ・・・。
「こっちの方・・・」
ヤバいっ。眉間にシワがっ。
「も、似合うと思うけど。こっちの方が似合うんじゃないかな?」
「ですよねっ」
正解を引けた・・・。
「これとこれならどっちの方が良いと思いますか?」
一難去ってまた一難。
「こっ・・・」
表情に変化は無い。
「ちの方が良いんじゃないかな」
「へぇ。ユウ様はこういうのがお好きなんですね」
え・・・?
「いや、どっちも良いと思うんだけど・・・強いて言うなら?強いて言うならって感じ・・・かな・・・」
「ふ~ん」
くっ・・・選択を誤ったみたいだ・・・。
そんなやり取りを何度か繰り返し。
次は俺の服を選ぶ「番」だそうだ。
「これを着てみて下さい」
「うん」
合わせただけだと分からないとの事で試着室で全身着替えなければいけない・・・。
「ふむ・・・」
「どうかな?」
「では、次はこれを」
「あ、うん」
「次はこれを」
「うん・・・」
「次はこれを」
「う、うん・・・」
「気に入ったのはありましたか?」
「う~ん」
分からない。
そして、最初の方に着たのとかはどんなだったのかすら覚えてないっ。
とはいえ、レイジアが選んでくれたんだから・・・。
「どれも良かったんだけど、レイジア的に良かったのはあった?」
「分からないです」
「え?」
「男性用の服って良く分からないんです・・・」
お、おう・・・。
あれだけ何回も丸っと着替えさせられて・・・。
ま、まぁ・・・俺も女物の服は全然分からないし。
「折角だからレイジアが1着選んでよ」
「え、良いんですか?」
「うん、お願い」
「はいっ」
間違いでは無い。
でも、選択は誤ったのかもしれない。
さっきまでの着せ替えは何だったのかと問いたい気持ちになるくらい。さっき着た物は一切出てこず。
いや、俺が覚えてないだけで1つ2つは混じってるかもしれないが・・・。
さっきまでとは毛色の違うラインナップで着せ替え人形になっている。
「どうかな?」
「あ、これはそうじゃなくて・・・ここをこうして・・・ここもこう・・・」
「う、うん・・・」
「う~ん・・・これは保留でっ」
「う、うん・・・」
「次はこれを着て下さいっ」
「うん・・・」
最初に着せられていたのは普通な感じ。
普段着にも使えるし、ダンジョンに着て行っても良い。
そして、さっきから着せられているのは・・・。
どうにもホストっぽい。
カチっとしてる服装のはずなのにケバケバしくてチャラさ全開な感じだ・・・。
なるほど・・・レイジアが好きなのはこんな感じなのか・・・。
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