エピローグ−3
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汽車に乗り込み、ミハルは自分の座席に着く。
周りの乗客たちは窓にすがって家族や友人たちとの別れを惜しんでいるが、そこからはまだホームにいるはずのユージンの姿は見えなかった。
けれど、いいのだ。自分たちはそういうべたべたした関係ではないし、それにきっと、またすぐに会える。
だからミハルは、手に提げたトランクの中を漁った。その中には最低限の日用品の中に混じって、図書館の分類ラベルが付いたままの鳥の図鑑が一冊入っている。
ミハルはそれを引き抜いて、最初のページを開いた。
そこには前に部屋で撮った、アンジェリカがベッドに腰掛けて澄ましている写真が挟まっている。
ミハルはその上に、さっき撮ったユージンの写真を重ねた。
その写真の中でユージンはミハルと初めて出会った時のような、屈託のない彼らしい笑顔を浮かべている。
物思いにふけるように少し眺めた後、失くさないよう図鑑に挟み込んで、ミハルはそれをそっとトランクにしまった。
もう一度発車の汽笛が鳴り、蒸気を吐き出す音とともに汽車が動き出す。
ミハルはその揺れに身を任せ、静かに目を閉じた。
向こうに着いて住む場所が決まったら、写真は二枚一緒によく見えるところに飾っておこう。
鳥にはなれない僕たちが、この二本の足で歩いた先の未来で、再び道が交わるその日まで。(了)




