↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仙人皇帝のお気に入り  作者: 狭山ひびき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
32/32

終章

お気に入り登録、評価などありがとうございます!

 欧梓瑜(おうずうゆう)とその侍女たちが捕縛され十日余りが過ぎた。


 美人と才人にそれぞれ一名分の枠のあきができたが、こちらはしばらく空席のままになるらしい。

 そもそも、本物の皇帝麗孝(りきょう)は病弱で後宮通いはできそうもないし、代わりをしている静(じん)にしても、弟の妃たちのもとに渡るつもりはないそうだ。翠花(ついふぁ)を除いて、ではあるが。


(なんだって静様は未だにわたしの元に来るわけ?)


 事件がすべて解決しても、静は変わらず翠花の宮にやって来る。

 おかげで、すっかり翠花は皇帝の寵姫と呼ばれていた。心外だ。

 今日も今日とてやってきた静は、寝台の中で翠花を抱き込み、満足そうである。

 翠花は、今日こそは物申してやるぞと気合を入れ、静の腕の中で顔を上げた。


「静様、いったいいつまでわたしの宮に通うつもりですか?」


 すると静はおかしなことを言われたとばかりに目をしばたたいた。


「いつまでもだが?」

「いつまでも⁉」

「麗孝があの調子なんだ、あれに子作りは荷が重い。だが、跡取りがいるだろう? 幸いにして、麗孝も母上も俺の子を跡取りでいいと言っているし、お前は事情を知っている。ちょうどいいじゃないか」


(なにがちょうどいいの⁉)


 翠花はぎょっと目を剥いたが、静は至極真面目な顔で言って来る。


「俺は優しいと思わないか? ちゃんと、お前がその気になるまで待っている。だから、添い寝くらいで目くじらを立てるな」


(いやいやいや、ちょっと待って!)


 ということは、である。

 翠花は静に、次代の皇帝を生む女として目をつけられているということだ。

 国母になんてなろうものなら、翠花が後宮から去る未来は消え失せる。それどころか皇后にすらされかねなかった。一大事でである。翠花は後宮に骨をうずめるつもりはないのだ。


 ひぃっと喉の奥で悲鳴を凍らせていると、静が楽しそうに翠花の髪をいじって遊びだす。


「なあ翠花、これは運命だと思わないか? 幼い頃に邂逅した子供が大人になって再会したんだ。しかも、皇帝と妃としてな。正直、麗孝の代わりに後宮通いするのは気が乗らなかったが、お前がいるなら別だ。龍神は俺に味方した」


(わたしの意志は⁉)


 いや、後宮に入れられた時点で、翠花は皇帝の妃。皇帝が子を望めば拒否権はない。だが、これはあんまりだろう。後宮に通わない皇帝に、これ幸いと数年で出ていく算段をつけていたら、生涯拘束される可能性が浮上したのだ。しかも、厄介な秘密まで共有してしまった。これでは、翠花が逃げられる可能性は極めて低い。


「だから、早くその気になってくれ。気は長い方だが、さすがに何年も待ちたくない。そうだな、せめて年が暮れるまでには心の整理をつけてほしい」


 くるくると、静が翠花の髪を指に巻き付ける。

 もう片方の手は悪戯に腰のあたりをくすぐっていた。

 翠花は真っ赤になり身じろぎしたが、がっちりと抱え込まれているので逃げられない。


「子さえ産まれたら、すぐに皇后の椅子を用意してやる。楽しみだな、翠花」


 全然楽しみじゃない。

 だけど、こうして腕の中に抱き込まれていたらどきどきするのも本当で、翠花は自分が自分でわからなくなりそうだ。


 静の唇が、そっと耳朶に触れる。


「おやすみ、翠花」


 翠花は考えるのをやめて、ふて寝することに決めた。






お読みいただきありがとうございました!

これにて、本作完結です!

楽しんでいただけたなら幸いです!

もしよろしければ次回作の参考などにもしますので

ブックマークや下の☆☆☆☆☆にて評価いただけると嬉しいですヾ(≧▽≦)ノ


どうぞよろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。