第二十二話 隣国で女神として幸せをつかみました!
第一章、完結です!
ラグナート王国の広場は、地響きのような歓声に包まれていた。
王宮のバルコニーに現れたアルフレッドは、その逞しい腕でリリアの腰を抱き寄せ、集まった数万の民衆に向けて宣言した。
「我が国民よ! 闇を払い、この国に真の奇跡をもたらしたリリアを、私はこれより正式な『国聖女』、そして――我がラグナート王国の次期王妃として迎えることをここに誓う!」
その瞬間、王都の鐘が一斉に鳴り響き、空を埋め尽くすほどの花びらが舞った。
かつて「偽物」と蔑まれ、泥水を啜るような日々を送っていたリリアは、今、本物の愛と敬意に包まれていた。隣に立つアルフレッドの蒼い瞳には、何物にも代えがたい深い慈しみと、彼女を生涯守り抜くという鋼の決意が宿っている。
一方、王宮の地下深く。
かつての栄光を失い、ボロ布のような服を纏ったエドワードとミスティに、最終的な審判が下されていた。
「……王籍を剥奪し、北の凍てつく修道院へ永久追放。死ぬまでその地を離れることは許されない」
冷徹な執行官の言葉に、エドワードは力なく項垂れた。隣でミスティが「嘘よ、こんなの嫌!」と狂ったように叫ぶが、その声が届くことはない。
一方、その後、王宮のベランダでは暖かな夕日に二人の男女が包まれ微笑み合っていた。
「誰も君を傷つけることはできない。君の新しい人生は、今ここから始まるんだ。
さあ、リリア。僕の妻として、聖女として僕についてきてくれるかい?」
この言葉にリリアは力強く、自信を持ち返した。
「よろこんで!」
こうしてリリアとアルフレッドは確かな幸せをつかみ大円団を迎えた。
が....
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リリアとアルフレッドがいる王国の遥、南。
南の軍事大国・魔導連邦帝国の玉座に座るガイウスは、手の中で古びた、泥の染みたハンカチを弄んでいた。
彼の脳裏には、十数年前の雨の日が鮮明に焼き付いている。
帝位争いに敗れ、泥にまみれ、死を待つだけだった少年の前に、一人の少女が現れた。
「あら、こんなところに。怪我をしているの?」
泥濘の中に膝をつき、汚れも厭わず心配して、ハンカチをくれた幼き日のリリアーヌ。そして、彼女から放たれる聖なる光は、傷を癒やすと同時に、少年の心を根こそぎ奪い去った。
「この清らかな光を、自分だけのものにしたい」
その瞬間、純粋な感謝は、どす黒い独占欲へと変質したのだ。
「君の隣に立つのはこの僕だ。君を守れるのは僕だけだ。僕だけが君の本質を理解している。僕だけが君を心の底から愛している。僕だけが.....。それなのにリリア、君の隣にいるのは誰だ?これは少しお仕置きが必要なようだ。」
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次回第二章開幕です!(開始日は4月中を予定しております)




