魔界編
命をかけて…!
……
………
アンタは強い。だがオレも強いんだ。
諦めることは絶対にないだろう。
オレは剣を握りしめ、再び奴に勝つことを望んだ。
「お前に勝つのはオレだ。お前は敗者となる」
そうやってそいつに伝えるオレはかっこよかった。
しかし、奴はオレに重い言葉をぶつけてきたんだ。
「残念ながらそれはただの理想論だ」
ッ…。奴の気迫に押されて立っていられなくなる。クソっ…弱気になるな。ダサいオレにはならない。
しかし奴はさらに重い一言を食らわせてきた。
「この古傷を見たまえ」
…!
その傷は大きなドラゴンにつけられたような大怪我だった。その様にオレはたじろいでしまう。
「ふ…ふざけるなっ!そんなモノはニセモノだ!」
オレは疑ってかかった。奴の力を認めたくなかったから…。しかし奴の目はもう上に上がっている…。おそらく今のオレはナメられてしまったのだろう…。
そしてそいつはオレに唾を吐いてきた。
「キサマ…!」
「ハハ。お前はくだらん存在だ」
…もうオレは我慢できない。必ず倒してやる。
しかしオレのパワーを見たら大変なことが起きていた…。
クッ…パワーが足りていない…特訓が足りなかったか…。自分の詰めの甘さを知りながら絶望に浸ってしまう。
んんんんん…くそうっ… ここで終わりなのか?
ふざけるんじゃねぇよ…。オレはこの魔界で生きていくと決めたのに…。
…赤黒い空がまるでオレを否定するかのように存在していた。クソッ…!アァッ!!!
…オレは無様に叫んだ。魔界の悪魔たちはオレを笑いモノにする。クスクスやらアハハ やらがオレの耳を攻撃する。
そしてついに奴が覆い被さってきた。このままでは犯されてしまう。男としての尊厳を失うわけには絶対にいかない。いけないんだそれは。
だから今から変わるんだ…いくぞ!
「バカな…」
オレは奴を圧倒するオーラで対抗した。そのオーラは爆発的なパワー上昇を体現している。オレの勝利は確実なようだ。しかし奴はオレをとっくに見透かしていたんだ。
「お前は終わっている。オレと戦う前にな」
「なんだと…?」
奴はオレを上回るパワーをすでに入手していたんだ…。
「卑怯な手を…!」
「うるさい。何であろうが負けられぬのだ。それが男というものだ」
…やはり奴は男だった。勝ちにこだわる…"男"!
オレには無理なのか?奴は倒せないのか?
…まだだ。まだ何かあるはずだ。
…奴がパワーを上回るなら…オレは……!
「…キサマ。何を考えている?無駄なマネはするなよ?」
「だまれ!ハァァァ」
「なっ…キサマァ!」
そう。パワー以外を使えばよかったんだ。オレは体を大きく見せ奴を圧倒した。
「…オレの勝ちだ。諦めろ…!」
オレの全身はもはや奴の比ではない。確実に成長したんだ。この勝負はオレの勝ちなんだ。
…しかし…奴はやはり甘くなかった…。
「体が大きいくらいで図に乗るな。力。パワーこそが全てだ。そこから逃げるな」
奴のパワーはさらに上昇した。
「お前はもう許さん」
ッ…!…そして次の瞬間オレは地面にくたばっていた。
ううっ…。
弱いままで、終わるのか?




