なんでわたしがいけないの
最低の夜会だった。
ラインハルト様が見える前にすべてわたしの味方にしてやろうと思っていたのに、
ラインハルト様に逆に糾弾されてしまい、あの女はしたり顔で何かしゃべってる。
途中からは誰もわたしを見ない。
ラインハルト様のわたしを見る嫌悪感丸出しの表情、
婚約解消の時でさえ見たことない。
逃げ出すように夜会の会場から屋敷へ戻る。
誰からも呼び止められなかった。
いや。いや、わたしはどうなってしまうの?
ずっと部屋にこもっていると、執事によばれた。
きっと夜会の件だわとすごくイヤだけれど
ノックをしてお父様の執務室に入ると突然頬をはられた。
生まれてはじめての暴力に恐怖で声もだせないでいると
「お前はなんてことをしてくれたんだ。
わけのわからん男どもにちやほやされるのを喜んで
婚約を解消されたなんて恥知らずなことをしでかしたとおもったら、
関係のない夜会に乗り込んで訳の分からない事をわめいて
エーデルシュタイン候に迷惑をかけただなんて、、、
一体お前は何を考えてるんだ。
正式文書を携えてエーデルシュタイン家より抗議がきたわ。
こんな早馬で抗議なんてどれだけのお怒りか・・・
これで王宮での私の評価もなくなったも同然だ
もう、上の役職もいただけず、
今の部署すらこのまま在籍できるかわからない。
それでなくても兄の職場でもお前のせいで
仕事がうまくいかないと相談されていたのに。
あいつの決まっていた婚約も向こうの家から難色を言われている。
このまま継続できるかどうか、、、
どこまでも家に迷惑をかけて。
お前が、こいつを甘やかしたからではないか」
おとうさまは頭をかかえたまま、お母さまへ文句を言う
頬をたたかれたわたしのことをみることもしない。
「なんですって。わたくしだってあれからどこへ行っても
陰口ばかりで外にも出れないんですのよ
どうしてこんなことになったの」
お母さまが泣きながら私をにらんでいる
「領地持ちの家のように領地の隅へと送ることもできやしない、、、
普段は領地をもたない気軽さを喜んでいたが、、、、
こうなると本当にやっかいだな。
どうすればいいんだ。こんな家に悪影響しかない娘なんて。
家に謹慎させておくことすら、わずらわしい。
いっそう、修道院にでも送るか。
でないと、あいつに嫁すら望ましてやれない
家がなくなってしまう。こんな娘のせいで、、、、」
ひどい言葉をなげつけられても弁明の言葉を言わせてもらえない。
呼びつけておいて私に話す機会すら作らない。
なぜ?こうなってしまったの
私は誰よりもきれいで羨ましがれる存在なのよ。
由緒正しい侯爵家にも選ばれて婚約者になったのよ。
私がラインハルト様の婚約者となったのは、15の冬だった。
デビュタントでお見掛けしたラインハルト様のお姿が
あまりにもステキすぎてお父様にねだったのだった。
お父様も侯爵家と縁がつながると、かなり裏で色々と動いたみたいだった。
でも、私の美しさはきっと侯爵家だって嬉しいはずだと思っていた。
ラインハルト様はお会いしてもあまり表情は変わらなかいけど、
婚約者としての礼節は尽くしてくれる。
あまり会話がはずまないけれども、
あんなお顔の美しい方と一緒にいれるのは絶対に自分しかいないはず。
侯爵の婚約者って肩書が本当にステキ。
侯爵家の婚約者に決まったおかげでお茶会、夜会のお誘いの格段に増えた。
羨ましがる令嬢たちに、ちやほやしてくれる令息たち。
ラインハエルト様は甘い言葉やにこやかに話してくれないから、夜会の時に
ちやほやしてくれる令息たちは自分の気分をいつもあげてくれる。
いそがしいラインハルト様とたまに一緒に夜会に参加しても、
ラインハルト様は参加者と難しい話しかしていないから横にいてもつまらない。
だったら、私を喜ばしてくれる言葉をいってくれる令息達と一緒に居た方がたのしい。
きっと、彼らたちだって将来侯爵家に縁づきたいから私によってきてるんでしょう。
なら、将来の侯爵家に役にたつんじゃない。
お互いにいい思いができるんですもの。
ラインハルト様だって結婚したら私の交友関係の広さに感謝するはずだわ。
あの方、そういうの苦手そうだもの。
そう思っていた。
それなのに、急にわたしの過ごし方がおかしいと言い始めて婚約解消って言われるし
私の言い分なんて全く聞いてくれない。
ラインハルト様は私の事、感情のない表情でしか見てくれない。
結局、私の事きちんとみてくれたことなんてないんじゃない?
でも、あきらめきれなかった。
わたしのプライドだってくだかれたのだ。
そんな時、お茶会でありえない噂を聞いた。
ラインハルト様が視察先の令嬢と城下町を歩いているって。
私とは婚約していた時ですら、街歩きなんてしてくれたことなんて
なかったのに。
もう頭にきて頭にきてすぐにラインハルト様の視察先にいった。
そこにいた令嬢は本当にぱっとしないおとなしそうな子だった。
服も大した装飾のされてない普通のワンピースだった。
さえない子としか表現のできない感じだった。
この子がラインハルト様と街歩きしたの?
ラインハルト様にエスコートされたの?
ほんとうにありえない。
それからは感情のまま動いて、今の状態だ。
誰よりもかわいくてみんなが私を振り返るの。
それが今までのわたしだった。
それなのに、、、、それなのに、、、、
結局、私は王国の西側の修道院に送られた。
ここは鉱山の街らしい。
修道院の敷地からでたこともないからどんな街なのかすらわからない。
わかっているのは
ラインハルト様のところの領地ともあの女の領地とも離れていることだ。
自分を見つめなおせといわれたけど、きっともう王都には戻れない。
寄付金はこの修道院では高額だったみたいだ。
でも今まで私が着ていたドレスの1枚分にも満たなかった。
私の価値はドレス1枚分にも満たないものになったようだ。
出発の日も誰も私を見送らなかった。
お母さまもお兄様ですら、、、、、
ついた修道院の壁はにひびが入ってる。
ベッドだってとてもかたい。
朝は自分で水くみ。
食事は修道院にしては恵まれているらしい。
でも、今まで食べたことのないパンがでてくる。
果物だってお菓子なんて特別な日にしかでてきやしない。
私は、昼間はずっと刺繍をさしている。
今まで家ではたまにしか刺したことがなかったが、
結局はここでの作業の中ではわたしはこれしかできない。
たまにバザーが開かれ、私も自分の刺したハンカチを出している。
売り子なんてできないから、後ろで座っているだけ。
この間のバザーでラインハルト様の話がでていた。
王都から届く新聞に載っていたらしい。
侯爵家の嫡男が新しく婚約したと。
侯爵家で婚約する年齢の嫡男はラインハルト様ぐらいしかいない。
婚約者に優しく寄り添った姿絵がのっていたと。
婚約前からずっと文を交し合った純愛だと。
私には一度もそんなことなかったのに。
わたしのときは新聞なんて載らなかった。
どこまでもどこまでも、私の時と違う。
何がダメだったのだろう。
考えても考えても全くわからない。
今日もまたわたしはハンカチに刺繍を刺す。
はじめまして。初投稿でした。
拙いお話ですが読んでくださいましてましてありがとうございました。
また誤字報告ありがとうございました。
反応いただけると凄くうれしいですね(^^)




