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笑う彼には月光る  作者: かくかくしかじか
赤髪の少女

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第三章 異次元からの迷い人 その十二

初めての投稿で不慣れの部分もありますが、どうかよろしくお願いします。また、所々にAI(名前や誤字脱字の修正など)を使っているため、完全に自分作の作品ではありません。どうか暖かく見守ってください。

「名月流……。イリスさんが最初に使った技、たしか『弥生抜刀』だったよね?」


アヴァンが、思い出したように言った。彼女の言葉に、俺は驚いて頷く。


「ああ、よく覚えてたな」


「うん。そして、次に使おうとしていた技は『卯月乱舞』。……合ってるよね?」


「多分そうだと思う。俺もしっかりとは覚えてなかったし……」


カオルは、どこか懐かしむような目で遠くを見つめる。


弥生やよい卯月うづき。それ、私のいた世界での、昔の暦です。弥生は三月、卯月は四月。どちらも春の暦を指します。そして、抜刀と乱舞。抜刀は、刀を鞘から抜く一撃に全てを込める技。乱舞は、一つの攻撃を連続して繰り出す技……。これは、推測ですけど」


カオルの言葉に、俺は初めて、名月流の技に隠された意味を知った。ただの技名だと思っていたものが、カオルのいた世界の暦と繋がっていたのだ。


「カオルさん……」


アヴァンも驚いたように、カオルを見つめている。


「もし、この名月流の技が、私の世界での月の呼び方から来ているとしたら、それは単なる偶然ではないのかもしれません」


カオルは、焚き火の炎を見つめながら、静かに語り始めた。


「私のいた国では、自然の摂理や季節の流れを取り入れたものがたくさんあります。名月流も、それにつながるかもしれません。弥生は春の始まり。そこから抜刀、つまり始まりの一撃に繋がる。そして卯月は、新緑が芽吹く季節。そこから乱舞、つまり連撃に繋がる……。これは、推測ですけど」


カオルの言葉は、俺の心に深く突き刺さった。俺はこれまで、ただ与えられた力を無意識に使っているだけだった。だが、カオルの洞察は、名月流という力の根源にまで迫っているように感じられた。


「カオルさん、もしそれが本当だとしたら、どうすれば、あの力を使いこなせるんだ?」


俺がそう尋ねると、カオルは首を横に振った。


「私には、剣のことはわかりません。ただ、私のいた世界での物語や神話には、よくそういうものがありました。力を制御するためには、まずその力の本質を理解する必要がある。それは、物理的な力だけじゃない。その力が持つ『意味』を、心で感じることが、鍵になるのかもしれません」


「意味……」


俺は、自分の剣に目を落とした。これまで、ただの斬撃の道具としてしか見ていなかった剣が、急に、重く、そして深く感じられた。


「それに、もう一つ……」


カオルは、俺の剣と、自分の腰に下げた銃を交互に見た。


「イリスさんの剣は、月の光のように闇を切り裂く。そして私の銃は、火薬の爆発という『火』の力で闇を払う。……『光』と『火』。これらが組み合わさることで、もしかしたら、あの影の魔物の弱点を突くことができるのかもしれません」


アヴァンが、その言葉に目を輝かせた。


「そうか! 闇魔法が効かないのは、影の魔物がただの闇ではないから。でも、イリスの『光』とカオルさんの『火』なら……!私、この村にある図書館で調べてみる!」


三人の間に、再び希望の光が灯る。敗北の夜は、ただの敗北ではなかった。それは、俺たちの物語を、新たなステージへと導くための、重要な転換点だったのだ。


「……ありがとう、カオルさん」


俺は、心から感謝の気持ちを込めて言った。彼女の言葉は、俺たちが進むべき道を、はっきりと示してくれた。


「いいえ。私も、みんなと協力して、この村を救いたいんです」


カオルは微笑んだ。その顔には、もう恐怖の色はなかった。そこにいたのは、困難に立ち向かう強い意志を宿した、一人の戦士だった。

最後まで読んでくれて、ありがとうございました。感想やレビュー、どしどし募集してます。時間があればぜひ協力お願いします。



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