表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
笑う彼には月光る  作者: かくかくしかじか
赤髪の少女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
21/83

第三章 異次元からの迷い人 その十一

初めての投稿で不慣れの部分もありますが、どうかよろしくお願いします。また、所々にAI(名前や誤字脱字の修正など)を使っているため、完全に自分作の作品ではありません。どうか暖かく見守ってください。

俺たちは、どうにかボロスの家にたどり着いた。洞窟の入り口から遠ざかってもなお、あの巨大な影の魔物の気配が肌にまとわりつくようだ。ボロスは力を吸い取られた影響でぐったりとしており、アヴァンが彼を看病する。俺とカオルは、言葉もなく焚き火のそばに座り込んでいた。


薪が爆ぜる音だけが、静まり返った家の中に響く。日中とは違う、湿った夜の空気と、敗北の重みが、俺たちの心を冷やしていた。


「……私のせいだ」


沈黙を破ったのは、カオルだった。彼女は膝を抱え、小さな声で呟く。


「私の銃が効かなかったから……。私が弱点を見つけられなかったから、みんな撤退するしかなかったんだ」


「違う」


俺は即座に首を振った。


「カオルさんのせいじゃない。俺の力が、あの時なぜか使えなかったんだ。あんなに力を込めたのに、剣が光らなかった……」


名月流の力は、これまで無意識のうちに発動していた。だが、いざという時に頼ろうとしたその瞬間に、俺の心は空回りしてしまった。自分の力の不安定さを改めて突きつけられ、俺は内心、激しく動揺していた。


「でも、私の銃も……。効かなかった。あんなに威力の強い銃だったのに……」


カオルはそう言って、膝に顔をうずめた。彼女の震えが、俺にも伝わってくるようだ。


その時、アヴァンがボロスに温かいスープを飲ませてから、俺たちの元へやってきた。


「二人とも、自分のせいだなんて言わないで。あの魔物は、私たちがこれまでに戦ってきたどの魔物とも違った。物理的な攻撃も、魔法も、ほとんど効果がなかったんだから」


アヴァンはそう言って、疲労困憊の二人を優しく見つめた。


「とにかく、無事に戻ってこれた。それが一番大事だよ。まずは、あの魔物について、もっと知る必要があると思う」


アヴァンの言葉に、俺たちは顔を上げた。焚き火の光が、三人の顔を照らしている。


「確かに……。俺たちが知っている魔物とは、何もかもが違った。見た目も、特性も、そしてあの静寂も……」


俺がそう言うと、カオルは顔を上げた。その瞳には、まだ不安の色が残っているが、少しだけ、決意のようなものが宿っているように見えた。


「影の魔物は、生き物の力を吸い取るって言いましたよね。私が戦った時も、ボロスさんは力を吸い取られたみたいだった。もし、村人たちが閉じこもっているのは、そのせいだとしたら……」


「……ああ。村人たちの力を吸い尽くす前に、なんとかしなくちゃいけない」


俺は剣の柄を握りしめた。どうすればいい。俺たちの攻撃が効かないなら、どうやって奴を倒せばいい?


「……そうだ、イリス。あなたの剣と、カオルさんの銃。あの時、何か特別なことが起きていたんじゃないかって、思って」


アヴァンが、俺たち二人に問いかける。


「え?」


「カオルさんの銃の弾丸が、影の魔物に当たった瞬間、弾かれたけど……その時に、一瞬だけ、光のようなものが弾けたの。気のせいかもしれないけど……」


アヴァンの言葉に、俺はハッとした。カオルの銃弾が弾かれた瞬間、俺の頭の中に響いた声。そして、俺の剣が熱を帯びなかったこと。それらが、何か関係しているのかもしれない。


「私は、よくわからないけど……」


カオルは、まだ困惑しているようだ。


「カオルさん。俺の剣、名月流って言うんだ。闇を切り裂く、月の光のような力を持つって……」


俺は、自分の中に眠る力を、初めてカオルに話した。彼女は、目を丸くして俺を見つめている。


「闇を切り裂く……光の力……。そして、私は、この『銃』で闇を払った……」


カオルは、何かを悟ったように呟いた。


「もしかして……。あの魔物は、光を弾く特性を持っているのかもしれない」


アヴァンの言葉に、俺たち二人は顔を見合わせる。


「でも、カオルさんの銃弾は、物理的な力を持った『火』の力。闇を切り裂く俺の『光』の力とは、根本的に違うはずだ。もしかしたら……二つの異なる力が、一つになることで、あの魔物の防御を破れるんじゃないか?」


俺は、カオルの瞳を真っ直ぐに見つめた。彼女も、俺と同じように、目の前の壁を乗り越えるための、新たな可能性を見出そうとしている。


「……もう一度、行こう。今度は、もっと周到に。俺とカオルさんで、あの力を……組み合わせてみせる」


俺の言葉に、カオルは力強く頷いた。敗北の夜は、まだ明けていない。だが、俺たちの心には、再び希望の光が灯り始めていた。

最後まで読んでくれて、ありがとうございました。感想やレビュー、どしどし募集してます。時間があればぜひ協力お願いします。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ