第三章 異次元からの迷い人 その四
初めての投稿で不慣れの部分もありますが、どうかよろしくお願いします。また、所々にAI(名前や誤字脱字の修正など)を使っているため、完全に自分作の作品ではありません。どうか暖かく見守ってください。
ボロスは、私の手にあるSIG Sauer P226をまだ不思議そうに見つめていた。その表情には、好奇心と、かすかな警戒が混じっている。
「カオル殿、その『銃』とやら……本当にそのような小さなもので、魔物を退治できると申されるのか?」
彼の疑問は当然だ。彼の背丈ほどもある巨大な斧に比べれば、私の手のひらに収まる拳銃は、ひどく頼りなく見えるだろう。私は、その疑問に答えるため、実演してみせることにした。
「試しに、少し撃ってみましょう。ただし、音が大きいので耳を塞いでいてください」
私はボロスに注意を促し、洞窟の入り口とは反対側、誰もいない壁際に向かって構えた。弾薬がどうやって供給されるのかは不明だが、呼び出した瞬間にマガジンに装填されている感覚があった。
息を整え、引き金に指をかける。狙いを定め、静かに、しかし迷いなく引き金を引いた。
「パンッ!」
乾いた、しかし耳をつんざくような発砲音が洞窟内に響き渡った。同時に、銃口から眩い火花が散り、強烈な反動が腕を襲う。壁には、小さな穴が正確に穿たれていた。煙が立ち上り、火薬の独特な匂いが鼻をくすぐる。
ボロスは、その音と衝撃に目を閉じ、体をビクリと震わせていた。そして、ゆっくりと目を開き、壁の穴と、私の手元の銃を交互に見た。彼の顔には、驚愕と、そして深い感銘の色が浮かんでいた。彼も、この武器がこの世界のものではないことに気づいたに違いない。
「な……なんという威力だ! この小さなもので、岩に穴を穿つとは……! しかも、魔法の気配は一切感じられん! まさに、異世界の秘術か……!」
彼は興奮したように叫んだ。彼の目は、鍛冶師として、この未知の金属と力の仕組みを解き明かしたいという純粋な探求心に燃えているようだった。
「これなら……。カオル殿、貴女の力を信じよう。この村を覆う異変を、どうか、この不思議な力で解き明かしてくださらんか」
ボロスは深く頭を下げた。彼の言葉に、私の胸は熱くなった。
「はい。ですが、まずは村の状況を詳しく知る必要があります。この静けさの原因、そして村人が戻ってこない理由……。そして、できることなら、この銃が本当に役立つのか、実際に魔物相手に試してみたい」
私は冷静に答えた。感情的になっている場合ではない。この状況で私が動かなければ、ボロスたちヴァルガ村の人々は、このまま孤立し、いずれ来るであろう脅威に飲み込まれてしまうだろう。
「承知した。では、まずはわしと共に村の様子を見て回ろう。異変が起きてから、村人たちは洞窟や家の中に閉じこもっておる。だが、もしかしたら何か手がかりがあるかもしれん」
ボロスはそう言うと、巨大な斧を肩に担ぎ、洞窟の入り口へと向かった。私はSIG P226を腰に携え、彼の後を追った。
洞窟の外に出ると、そこは鬱蒼とした森の中だった。しかし、確かに奇妙なほど静まり返っている。鳥の声も、虫の羽音も、動物の気配も、何一つ聞こえない。まるで、世界から音が消え去ったかのようだ。その不自然な静寂が、何よりも不気味だった。
ヴァルガ村は、森の中に点在するドワーフたちの住居と、それらを繋ぐ簡素な道から成っていた。土と石でできた家々は、どこか質素で、しかし堅牢な印象を与える。しかし、どの家からも人の気配はなく、静まり返っている。
「村の周りには、いくつかの見張り台と、簡易的な柵があるはずなんじゃが……」
ボロスが困惑したように呟いた。確かに、本来あるべき見張り台は倒れ、柵も何かに押し潰されたように破壊されている。その破壊の痕跡は、尋常ではない力の働きを示唆していた。
「この静けさの正体は、一体……」
私は銃を握る手に力を込めた。この異常事態の源が、すぐそこまで迫っていることを肌で感じた。
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