第三章 異次元からの迷い人 その三
初めての投稿で不慣れの部分もありますが、どうかよろしくお願いします。また、所々にAI(名前や誤字脱字の修正など)を使っているため、完全に自分作の作品ではありません。どうか暖かく見守ってください。
「特別な力、ですか……」
私はボロスの言葉を反芻した。自分にそんなものがあるとは、正直思えない。せいぜいExcelの関数をちょっと速く打てるくらいだ。だが、この世界に来てから、妙に頭が冴えているような、あるいは、何かを「呼び出せる」ような漠然とした感覚があったのも事実だ。
(もし、本当に何かできることがあるとしたら……?)
そう考えた瞬間、ふと、脳裏に様々な「モノ」が鮮明に浮かび上がった。それは、私が生きていた世界では当たり前のように存在していた、しかしこの世界では見たこともないような道具の数々――特に、銃器のイメージが、まるでカタログを捲るかのように次々と現れる。
正直に言うと、高校生の頃、ほんの少しだけ銃に興味を持った時期があった。友人がミリタリー系の雑誌を読んでいて、それに影響されたのだ。インターネットで少し調べたり、図鑑のようなものを眺めたりした程度だったが、様々な銃の形や名前は、ぼんやりと記憶に残っていた。まさか、そんな知識がこんな形で役立つとは……。
ハンドガン、アサルトライフル、ショットガン……。あらゆる種類の銃が、その形状、重さ、撃鉄の感触、火薬の匂いまでリアルに、頭の中で再生される。そして、それらをどう操作するべきか、まるで経験したかのように理解できる感覚。
「……これ、は……」
思わず、右手を伸ばした。すると、どうだろう。手のひらに、ひやりとした金属の感触が生まれた。ゆっくりと手を開くと、そこには、漆黒に輝く拳銃、まさしくSIG Sauer P226(シグ・ザウエル P226)が握られていた。ずっしりとした重みが、その存在を確かに主張している。現実だ。
ボロスは、その光景に目を見張り、口をあんぐりと開けていた。彼の目の前で、何もない空間から突然、武器が現れたのだから無理もない。
「な、なんじゃ、それは!? 見たこともない形じゃが……」
ボロスは恐る恐る、その銃を指差した。彼の驚きは当然だ。この世界には、剣や弓、魔法といった武器はあっても、『銃』という概念自体がないのだろう。
私は、恐る恐るその拳銃の引き金を引いてみた。カチリ、と軽快な音が響く。不思議と、恐怖感はなかった。むしろ、自分の手の延長のようにしっくりと馴染む。
「これは……『銃』、と言います。私のいた世界では、一般的な武器でした」
そう説明する私の言葉に、ボロスはまだ混乱しているようだった。しかし、彼のドワーフとしての本能が、この奇妙な金属塊がただの飾りではないことを理解したのだろう。彼は鍛冶師としての鋭い目で銃を見つめている。
「まさか、これがカオル殿の「特別な力」なのか……。わしには仕組みは分からんが、ただならぬ力を秘めておることは確かじゃ」
ボロスは感嘆とも畏怖ともつかない表情で呟いた。彼の言葉を聞きながら、私は確信した。この能力こそが、私がこの異世界で生き、そして目の前の村を救うための「武器」になるのだと。弾薬やメンテナンスのことも気になるが、今はそれよりも、この力をどう使うかが重要だ。
「この村の異変を、この『銃』で何とかできるかもしれません」
私の言葉は、決意に満ちていた。ボロスは、私の目を見て、ゆっくりと頷いた。彼の瞳には、わずかながら、希望の光が宿ったように見えた。
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