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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
760/808

第159話-4 宴、そして、混乱するサンバリアに安定を―…

『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。


『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):

(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/

(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542


興味のある方は、ぜひ読んで見てください。


宣伝以上。


前回までの『水晶』のあらすじは、クリスマスの日、世界が石化するという現象が起き、石化されなかった瑠璃、李章、礼奈は異世界からやってきたギーランによって、異世界へと送られるのだった。そして、魔術師ローの話により、世界を石化させたのはベルグの可能性があり、彼を探すために異世界の冒険に出ることになるのだった。そんな中で、クローナを仲間に加え、アンバイドを一時的な協力関係を結ぶことになり、リースへとたどり着く。

 そこでは、ベルグの部下で幹部の一人であるランシュが仕掛けたゲームに参加することになるが、そこで、リース王族の一人であるセルティーと知り合うこととなり、チームを組んでランシュのゲームの中で最終的にはランシュを倒すのだった。それを利用したかつてのリース王国の権力者側であったラーンドル一派の野望は、それを知っていた王族でセルティーの母親であるリーンウルネによって防がれることになる。

 詳しくは本編を読み進めて欲しい。

 そして、リースは王族とランシュの共同体制ということで決着することになる。

 一方で、ベルグの部下の一人であり、ランシュと同等の地位にあるフェーナがベルグの命により、ベルグの目的達成のために、その部下ラナを使って瑠璃のいる場所を襲うが失敗。その時に、サンバリア側の刺客であることがバレて、瑠璃、李章、礼奈、それに加え、クローナ、ミランとともに、サンバリアへと向かうのだった。これは陽動作戦であり、ローもそのことを知っていて、瑠璃たちを成長させるために敢えて、乗るのであった。

 そして、瑠璃たちは、セルティー、ローらと別れ、船の乗り、サンバリアを目指すのだった。


 場所は変わって、サンバリア。

 そこでは、時間が少し前後することになるが、塔の爆発が起きた日から一時間後。

 塔の入口には多くの人々が詰めかけてきていた。

 それはまさに、何が起こったのかというのを野次馬根性で知りたいという人々であったし、サンバリアの象徴とされる場所で爆発が起こったのだ。

 気にしないサンバリアの人はいない。

 そして、その事件が起こった場所では―…。

 「何だぁ~、これは―…。」

 (最近、変な事件ばかりだなぁ~。嫌な予感がする。)

 マグガエルが警察の仕事でこの場に来ている。

 彼は、ここから嫌な予感というものを直感的に感じるのだった。

 マグガエルは、ここ最近、サンバリアで起きた事件は何かしらの繋がりがあるのではないか、そのように感じているのだ。

 そして、マグガエルに対して、自身の部下が報告する。

 「これは何者かによって、爆発がなされたものだということが分かっています。だけど、ここは議長や議長を護衛するあのフェーナ様の執務室がある場所。そんな簡単に侵入できるような場所ではありません。何なんでしょうね?」

 部下は疑問に思っているようだ。

 この塔は、議場や行政官庁の一部も入っており、上の階は議長や議長護衛をおこなう者のトップの部屋があり、侵入者がどういう経路で入ってきたとしても、議長護衛の人間に引っかかるようになっており、不可能と言っても良いであろう。

 できない人がこの世の中にいないわけではないだろうが、そんなに数はいないだろう。

 「さあ、いくつか考えられるだろうが、これは俺らが踏み入れてはいけない類のものだな。どんな疑問があったとしても、口にはしない方が良い。自分達の命を守りたいのならば……な。そんな予感がする。」

 マグガエルは、そんな予感がしており、これ以上、深入りは危険だと告げている。

 自分の今の実力では、どんな法違反スレスレおよび法違反を犯したとしても、真実を世間に公表できずに終わるだろうと分かっているのだ。警察としての真面な仕事すらできずに終わるだろうということを付け加えて―…。

 それだけ、事件としては危険なのだ。

 「はあ~。」

 部下も理解できないわけではないが、まだ、疑問が残るものであった。

 今回の事件は、サンバリアのかなり深い闇に関わることは確かなことであり、それはマグガエルごときでは、覗けたとしても生き残れるものではないのは確かである以上、深入りしないのは正解であろう。

 真実を探れるだけの実力があれば、マグガエルは確実に、探っていたのであるが―…。

 (……………この事件、最悪の場合、議長から議長護衛の人間まで関わっていることになる。あいつらは、人以上の戦闘力を有してるはずだ。俺だけの力では近づくことすらできないし、近づけたとしても、警察としての仕事を果たす前にお陀仏だ。クソッ!!!)

 自分の力のなさを呪うのだった。

 マグガエルからしたら、権力だけではどうすることもできない類であると気づいてしまったいる以上、どうすることもできないのだ。

 権力には必ず、腐敗した自慢屋がいるし、そいつらからの情報を手に入れた上で、権力の弱点が曝け出される時まで待てば良い。その時に、一気につけば、上手くいく可能性は十分にある。

 だけど、権力以外のもの、物理的な力が絡むと、それに対抗する手段を持っていないとどうにもならなくなる。石を投げたり、竹やりでつくことで、その物理的な力を倒すことができるのであれば、苦労はしない。

 実際は、そうでないからこそ、苦労するのであり、かつ、相手の物理的な力は何であり、その情報を手に入れ、対抗手段を考えないといけないのだ。苦労しないわけがない。

 そして、サンバリアの核心に迫る情報は奥が深いものであり、マグガエルでは完全に触れられるようなものでないのは確実で、どうすることもできないのは致し方ないことなのである。

 そして、辺り一片の捜査がおこなわれるだけなのであった。

 この事件のストーリーは、サンバリアの支配者側の一部によって作り上げられ、それが公式展開となるのであった。


 数時間後。

 サンバリアにある中央の塔。

 そこには多くの議員達が集まっていた。

 すでに、塔の破壊された部分以外の安全性が確かめられたので、早速、緊急議会が招集されるのだった。

 そこで、今回の事件の経緯が説明される、というものであった。

 そんななかサモーラ議員の姿はなく、彼は決して行方不明ではなく、サンバリアの中で自らと家族、知人の安全を確保するために、どこかに隠れている。

 フェーナでも簡単に見つけられないわけではないが、彼らのことはいつでも潰すことができるので、捜索はせず、後々の冤罪をかけることのデメリットを考えると、彼らには冤罪をかけずに、返って暫くの間隠れてもらう方が良いだろうと判断している。

 そんななかで、サモーラ議員が欠席の中で、議会が始まろうとしていたのだ。

 ここに集まっているのは、すでに、イバラグラ議長の味方になり果ててしまった議員達ばかりであり、議会の体すらなしていない。

 反対意見も、多様な意見も議論し、良き解決策、サンバリアに住んでいる人々にとって良き結果となる政策を実行する場になることもなくなった。

 権力闘争というものは結果的に、このような結果しか生まない。

 そして、多くの者は議会が民主主義の健全性を齎すと思っているだろうが、権力闘争が発生し、敵勢力を倒すことばかりになってしまえば、健全性というものは簡単に失うものであるし、国民およびその国、社会の中に住んでいる人々に対して良い顔もしくは良いように思われることをしているフリしかしなくなり、それが議会の本当の意味での多数を占めるようなことになれば、民主主義など簡単に形骸化していくだけでしかない。

 ただし、ここで独裁制が良いかと言われれば、それは嘘としか言いようがない。

 ここで大事なのは、議会があろうが、独裁制であろうが、寡頭制であろうが、どんな政体においても完璧に人々にとって本当の意味で利益になる政策がおこなわれるとは限らないので、人々は自らの、自らの属している社会にとって、本当の意味で利益になっているのかを、常に監視することが必要であるし、利益に繋がっている政策なのかを調べる必要がある。

 そのために、勉強をしないといけないし、普段から知識を手に入れ、その知識が本当に正しいのかというのを多面的に見ながら、悩みながら、そして、判断しつつ、情報においても同様のことをしないといけない。常に疑う気持ちと、それと同時に、信じる気持ちを上手く使い分けるための経験を積み上げていかないといけない。

 そこから逃れるようなことはできないし、日頃から学ぶことを怠るようなことはできない。支配者側は、人々が考えないことを望み、そうすることで、支配者自身は自分のしていることが邪魔されず、完璧に実現できると信じているのだ。

 だが、支配者側も人であり、人から作られたものであったとしても、完璧であり、完全無欠であることは一切ない。どこかしらに欠陥という類のものを持っており、間違いから逃れるようなことはできない。事態把握に時間を消費し、始点と終点という範囲を持ち合わせていることからも分かることであろう。

 なら、支配者側もミスから逃れられないとすれば、支配される側においても、常日頃からいろんなことを学び、いろんな知識をしっかりと身に付け、その判断が正しいかどうかを冷静に評価して、それをしっかりとした経験にしていく必要がある。

 それは避けて通れない以上、弱音を吐いたとしても、何度も何度も、失敗することもあるけど、最悪の事態にならないようにしないといけないし、立ち上がって、抗うかのようにして、向き合うしかない。

 勉強ができませんとか、分からないとか、を言ったとしてもそれを放置し続けることはできない。

 それは、支配者側も同様であり、支配される側も思考停止をずっとし続けることは許されないのだ。

 そして、この議場を見て欲しい。

 思考停止をした者達がそこかしこにいることが分かるだろう。

 彼らは、事態を知ろうとはしているが、結局、自分の都合ばかりであり、他者やその事件によって、どんな被害が発生し、被害者がいるのであれば、その被害者が無事であるのかを一切、考えない。自分だけしか見えていないのだ。自分より強い他者に従い、そのお零れに与ることしかできない者達なのだ。自分から何かをするわけではなく、誰かにしてもらうだけの―…。

 そのすべてを否定するわけではないが、誰かが困った時に助けるようなことをせず、平然と見捨てるようなことができる者達なのだ。まあ、仕方なくしている人や、困っている人から酷い目に遭ったというのもあるので、一概に、これを確定的にさせて、絶対真理にするのは危険なことでしかない。

 そして、自分の利益だけであり、そのためなら、他者の利益をいくらでも踏みにじっても良いと考えている輩の議会となってしまっており、議会は議会ではないし、ここから出る政策は決して、サンバリアに住んでいる人々のためにはならない。

 それが、良く分かるようになることであろう。

 そして、議員達は噂話をする。

 「今朝、カサブラ議員がイバラグラ議長と会食するために、塔の一番上に向かったって―…。」

 「そうなの?」

 「それに、議長護衛室には、フェーナ様もいたようなの?」

 「そうだとすると、議長護衛は役立たずってことか?」

 「なら、それをだしにして、議長護衛に私の息子を入れた方が良いわねぇ~。」

 「あの馬鹿息子を―…。」

 「失礼ねぇ~。あの子はただ、周りと比べて、特別な才能があるからこそ、周囲には理解されていないだけだわ。」

 このような会話が具体的に繰り広げられており、自らの利権の拡大に熱心であることと、ある程度の情報を集めているようだ。

 そうであったとしても、肝心な本質に関する情報は伝わっていなかったりする。

 そうである以上、矛盾の生じないストーリーを言われれば、簡単に納得してしまい、簡単に嘘を真実だと信じ込むことになるであろう。

 人が集められる情報には限度というものが存在している以上―…。

 あなたが情報を集めようとする時に時間を消費して、ある情報を集めていることに気づければ、この意味を理解することができるであろう。

 残念ながら、情報収集の限度というものから逃れることができないことにも気づくだろうし、そういう限られた情報の中で判断を下している以上、何かしらのミスから逃れるようなことはできない。

 だからこそ、自分の集めた情報が完全に正しいとは限らないし、何等かの新規の情報によって、覆されるということはあり得ることなのだから―…。だからこそ、情報はどこから得て、どういう経路の情報なのかを知っておく必要もこの面からあるし、その経路にある組織や人は一体どういう考えによって、情報を流しているのかを含めて考えないと、とんでもない解釈間違いを起こすことだって十分にあり得るということだ。

 その経路の中のある組織もしくは人は、自分にとって都合が良い情報を意図的に流すようなことは往々にしてあるのだから、情報を得る段階で注意しないといけない。

 疑いすぎるのも良くないが、疑わないのもまた良くない、そういうことなのだ。

 そして、議員らは自分の都合が良いように意図的に解釈する者すらいる感じだ。

 残念ながら、彼らが情報を正しく本当の意味で、間違うことがないということはないだろう。

 そして、自分の都合が良いように言っていることを否定することもできないであろう。 

 そうこうしているうちに、檀上に向かって行く、一人の議員がいる。

 この人物は、現実世界の日本で言うところの官房長官に相当するものであり、サンバリアの報道官と言った方が良いだろう。

 この人物は、憂鬱な気持ちがあり、これを言えば、自分が議員達から顰蹙をかうことがわかっているのだから余計に―…。

 そして、檀上に到着すると、憂鬱な気持ちは一掃重いものとなり―…。

 (これを言わないといけないのかぁ~。出世したいけど、こんなことになるなら、別に出世なんてしなくても良いよなぁ~。はあ~。)

 この人物にとって、出世は周りの一族から言われるから仕方なくやっているという感じ、苦労してまでしたいという気持ちはない。

 だけど、そのような意見を聞いてくれる一族の者はいない。この一族は、この人物に寄生することで利件に与っているのだから、この人物が出世コースから外されることは、これまで、この一族がしてきた汚職が世間にバレることになり、身の破滅を迎えるのだから、この人物の意見なんて聞くつもりにもなれない。

 結局、一族の人間という(しがらみ)に縛られ続けるしかないということなのだ。

 そして、檀上に上がった報道官は言う。

 「静かにしてください。今日は大切なお知らせがあります。今朝、アンバイド議長がカサブラ議員によって暗殺されました。」

 衝撃的な一言であった。

 この場にいる議員達にとっては―…。

第159話-5 宴、そして、混乱するサンバリアに安定を―… に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正もしくは加筆していきたいと思います。


ここからは、サンバリアの話を少しだけ進めていくことになります。

というか、恐ろしい話が続くと思いますが、サンバリアに瑠璃たちが入った時に、ある程度は必要な前提のことなので、我慢していただけると助かります。

ここ書いている時が、ある意味で作者本人にとっては進めやすく、バトルをしている時はかなり考えないといけないので、大変だということが分かります。

うん、うん。


さて、『水晶』は、このサンバリアの話しが少し進むと、本格的にイスドラークの中の話になっていきます。かなりグロいシーンも書かないといけないので大変です。

一つほどすでに書き終えているのですが、まさか、あの人が―…、という感じです。主要人物ではないですけど―…。


ということで、今後とも『水晶』を読んでいただける幸いです。


では―…。


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