第158話－3 礼奈VSラーグラ
『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。
『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中)：https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138
『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中)：
(小説家になろう)；https://ncode.syosetu.com/n5935hy/
(カクヨム)；https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542
興味のある方は、ぜひ読んで見てください。
宣伝以上。
前回までの『水晶』のあらすじは、クリスマスの日、世界が石化するという現象が起き、石化されなかった瑠璃、李章、礼奈は異世界からやってきたギーランによって、異世界へと送られるのだった。そして、魔術師ローの話により、世界を石化させたのはベルグの可能性があり、彼を探すために異世界の冒険に出ることになるのだった。そんな中で、クローナを仲間に加え、アンバイドを一時的な協力関係を結ぶことになり、リースへとたどり着く。
そこでは、ベルグの部下で幹部の一人であるランシュが仕掛けたゲームに参加することになるが、そこで、リース王族の一人であるセルティーと知り合うこととなり、チームを組んでランシュのゲームの中で最終的にはランシュを倒すのだった。それを利用したかつてのリース王国の権力者側であったラーンドル一派の野望は、それを知っていた王族でセルティーの母親であるリーンウルネによって防がれることになる。
詳しくは本編を読み進めて欲しい。
そして、リースは王族とランシュの共同体制ということで決着することになる。
一方で、ベルグの部下の一人であり、ランシュと同等の地位にあるフェーナがベルグの命により、ベルグの目的達成のために、その部下ラナを使って瑠璃のいる場所を襲うが失敗。その時に、サンバリア側の刺客であることがバレて、瑠璃、李章、礼奈、それに加え、クローナ、ミランとともに、サンバリアへと向かうのだった。これは陽動作戦であり、ローもそのことを知っていて、瑠璃たちを成長させるために敢えて、乗るのであった。
そして、瑠璃たちは、セルティー、ローらと別れ、船の乗り、サンバリアを目指すのだった。
今回のは、短くなりました。たぶん、やる気の関係だと思います。
反省します。
ミランとガドリングの戦いがおこなわれている場所。
「くぅ～、誰だよ、こんな時に―…。」
ガドリングから言わせれば、このような水を展開する人間がいるのであれば、無駄遣いとしか思えない。
天成獣から借りられる力の量というものは限りがあるものであり、そうホイホイと使って良いものではない。
大量に借りられる者もいるだろうが、そうであったとしても、そんな人間はほんの一部しかいないのだから―…。
(これで、あの嬢ちゃんからの距離を取ることができたが……………………、一体何が起こったのかを確かめる必要があるな。)
ガドリングは周囲を見渡すと―…。
(長!!!)
略奪団の長、自らのトップを発見するのだった。
長の姿を見たが、長の見ている思う方へと視線を向けると―…。
そこには、礼奈とラーグラが対峙しているのが見える。
(あいつは依頼者―…。それと、俺らを凍らせた小娘か。長は始末するよりも、二人の戦いを見守っている観戦者になってしまっている。どういうことだ。まあ、あっちの方は気にする必要はないか。依頼者と小娘なら小娘の方が明らかに強いのは分かっている。依頼者の方は、何をムキになってるんだか―…。)
ガドリングからしたら、ラーグラはなぜ、あれほどムキになって、明らかな格上である礼奈と戦っているのか？
意味が分からない。
この戦場にとって、自分の力量を弁えない行動をすることほど、愚かなことはない。
少しぐらい実力が上ぐらいならば、戦略とか機転によって、勝つことも、倒すこともできるだろうが、そんなことができないぐらいに実力の差がラーグラと礼奈の間にはあるのだ。
そして、ある違和感に気づくのだった。
(あいつ―…、さっきまで言葉を発するのが精一杯だったはずなのに、もう、動けるようになってる。天成獣の宿っている武器を扱っている者であったとしても、そんなに簡単には回復技を使わない限り、できないはずだ。どうなってる？ 依頼者は―…。)
ガドリングは、ラーグラの方へと視線を向けながら、ある違和感に気づくのだった。
ラーグラのダメージの回復が異様に早いのだ。
普通の天成獣の宿っている武器を扱っている者であれば、言葉を発することが長くできないほどのダメージを受ければ、それを回復させるのに、回復技を使ったとしても、ある程度の実力がなければ、できないはずなのに、何も回復技を使ってもいないラーグラができているのだ。
明らかにおかしすぎる。
そのような話をガドリングは聞いたことがないのだ。
実際、回復技なしで、かなりの回復力、もとい再生力を持ち合わせた天成獣が存在するが、それは稀な存在でもある。ラーグラがそのような天成獣の宿っている武器を扱っているのかは現時点で触れることはできないが、それほどのものなのである。
だけど、ラーグラは気づいていない。自らの持っている武器に宿っている天成獣との間で、会話をすることができなければ、どんな力があったとしても、それを扱いこなすことはできない。
そうである以上、ラーグラは弱いと言ってもおかしくはない。どんな優れた天成獣の宿っている武器を持っていたとしても―…。
そんな疑問を抱くガドリングであったが、ラーグラの異常さというものが、理解できたとしても、何かしらの答えが今、見つかるわけではない以上、これ以上、そのことについて考えたとしても意味がないのは確かである。
そして、ガドリングの方も戦っている相手がいる以上、そっちの方に構っている暇はない。
ラーグラの異常さに関しては、今は、気にしている暇はない。
そして、目の前へとやって来たー…。
「とぉ!!!」
ガドリングはそう言いながら、闇でできたと思われる鞭のようなものからの攻撃を躱すのだった。
後ろにジャンプをしながら―…。
(まあ、水浸しになったからと言っても、それで戦闘力が落ちるようなことにはならなけいど…な。)
ガドリングからしたら、水浸しになっているとしても、足首が浸かるだけなので、何とかジャンプしてよけるようなことはできる。
だけど、動きが鈍くなる以上、短剣での攻撃はかなり難しいだろう。
そうなってくると、守勢に回らないといけないが、そのようなことができないわけではない。
状況に文句を言っている暇があるのなら、やれることをやらないといけない。
他者の凄いことを言って、周囲の人にその人のようなことをするように言うだけで、自分から何もしない人にはなりたくないし、なる気もない。そういうことが分かっているからこそ、ガドリングは自分で行動してみることにしている。すべてのことでできるわけではないが、一つでも実践していれば、それがしっかりとした経験になる。失敗しようが―…。
他者と他の他者は完全に同じというわけではない以上、同じことをすれば、同じような成功ができるわけではない。越えることもあるし、失敗することもある。それが個性の一つの特徴であり、人が多様な性質を持ち合わせ、生き残っていくためには必要なことなのであるから―…。
要は、同じ性質もあり得るが、違う性質もあり得る以上、決して、同じ結果になるとは限らないのだからこそ、参考にしながらも、自分に合った方法を探ることをした方が良い。
結局、自分から行動をする、ということは何があったとして避けることはできず、失敗というリスクから逃れることはできない。
だからこそ、考え、悩むのだろうし、成功すれば、喜べるものなのであろう。
話を戻して―…。
ガドリングの動きを見て躱されたことを理解したミランは―…。
(避けられた!!! だけど、動きは水浸しで動きづらくなってる。だけど、こっちも動きづらいし、闇を展開することもできるけど、鞭やら砲撃が中心になるから、攻撃するまでに時間がかかるわ。本当に、礼奈の奴、今日はとことん説教ね。)
礼奈に対するイラつきの感情があるようだ。
ミランからしたら、水浸しになったことでガドリングの動きを鈍らせることに成功したのだが、一方で、ミランの方も動きが上手くできなくなってしまい、ガドリングを倒すことができなくなってしまったのだ。
そうだと考えると、プラマイゼロどころかマイナスの方がはるかに上回り、礼奈に身勝手な行動はミランの説教を誘発するだけにしかならなかったのである。
礼奈にもちゃんとした意図というものがあったのだろうが、ミランには通じていないようだ。
礼奈が今、それを知ったなら、反論していただろうし、自らの意図を説明していたことであろう。
そんな暇は両者ともにないのだが―…。
ミランとガドリングはここから対峙するだけとなる。
水浸しで動くのがかなり難しいせいで―…。
第158話－4 礼奈VSラーグラ に続く。
誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正もしくは加筆していきたいと思います。
現在は、風邪からの回復で、少し短くなったりしたのですが、今日(今日の投稿分ではない)はいつも通りに執筆しているので、やる気関係に関しては、今の現状、問題はありませんが、これを書いている時はあったと思います。
なので、無理しない程度に執筆していきたいと思います。
では―…。
