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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
746/747

第157話-2 VS六人の護衛

『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。


『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):

(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/

(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542


興味のある方は、ぜひ読んで見てください。


宣伝以上。


前回までの『水晶』のあらすじは、クリスマスの日、世界が石化するという現象が起き、石化されなかった瑠璃、李章、礼奈は異世界からやってきたギーランによって、異世界へと送られるのだった。そして、魔術師ローの話により、世界を石化させたのはベルグの可能性があり、彼を探すために異世界の冒険に出ることになるのだった。そんな中で、クローナを仲間に加え、アンバイドを一時的な協力関係を結ぶことになり、リースへとたどり着く。

 そこでは、ベルグの部下で幹部の一人であるランシュが仕掛けたゲームに参加することになるが、そこで、リース王族の一人であるセルティーと知り合うこととなり、チームを組んでランシュのゲームの中で最終的にはランシュを倒すのだった。それを利用したかつてのリース王国の権力者側であったラーンドル一派の野望は、それを知っていた王族でセルティーの母親であるリーンウルネによって防がれることになる。

 詳しくは本編を読み進めて欲しい。

 そして、リースは王族とランシュの共同体制ということで決着することになる。

 一方で、ベルグの部下の一人であり、ランシュと同等の地位にあるフェーナがベルグの命により、ベルグの目的達成のために、その部下ラナを使って瑠璃のいる場所を襲うが失敗。その時に、サンバリア側の刺客であることがバレて、瑠璃、李章、礼奈、それに加え、クローナ、ミランとともに、サンバリアへと向かうのだった。これは陽動作戦であり、ローもそのことを知っていて、瑠璃たちを成長させるために敢えて、乗るのであった。

 そして、瑠璃たちは、セルティー、ローらと別れ、船の乗り、サンバリアを目指すのだった。


 一方、瑠璃の方は―…。

 バースデンとの戦いとなっていた。

 (影分身!!!?)

 瑠璃からしたら、今の状況はまるでテレビや漫画などに出てくる忍者そのものであった。

 影分身をしながら、瑠璃の方へとバースデンが向かって来るのだった。

 それは友好的なものではないのは、はっきりと分かっている。

 ゆえに、対処しないといけない。

 (どれが本物か分からない。だから―…。)

 瑠璃は面倒くさいと思ったのだろう。

 ゆえに、本物が分からなくても、確実に、バースデンに自分の攻撃を当て対処するためには―…。

 (全部、当てれば良い。)

 瑠璃は自らの武器である仕込み杖の水晶玉の部分に、「電玉」を展開し、それを大きくする。

 これから攻撃をするために―…。

 このような方法は、天成獣から借りられる力の量が少ない者にはできない芸当であるが、瑠璃はその逆で、天成獣から借りられる力の量はかなり多い方に部類される。

 ゆえに、贅沢な使い方と言われてもおかしくない攻撃が可能なのだ!!!

 そして、瑠璃は―…。

 「電玉 五連撃。」

 そう言うと、バースデンのいる方へと向かって、すべての「電玉」から発生した雷が放たれるのであった。

 その攻撃は一直線とはいかないものであるが、確実に、バースデンのいる方へと当たるように向かっている。

 その様は、確実に、狙いを定めた者を追いかける銃弾のようなものだ。

 そして、バースデンは―…。

 (おいおい、そんなことをしてくるのか。影分身の意味すらないのかよ。どんだけ、天成獣から借りられる力の量の贅沢な使い方だな!!!)

 このように思いながらも、瑠璃の今の攻撃に対する準備はしっかりとできている。

 バースデンからしてみれば、今の瑠璃の攻撃は浅はかなものでしかなく、自分が瑠璃の立場ならそのようなことはしないし、気配を利用して、何が影分身かそうでないかを判断した上で、素早く動いて攻撃する。

 そうすることの方が、天成獣から借りられる力の量を抑えることができ、長時間戦闘することが可能になり、多くの者の襲撃があったとしても、勝てる可能性を上昇させる。

 まあ、それは一つの方法ということで纏めるのが妥当なことであろう。

 そして、バースデンは、瑠璃の「電玉」によって発生した雷の攻撃はさらにスピードを上昇させて、攻撃が到達する前に躱す。

 その時、瑠璃の目からは、影分身をも含めて消えるような感じで自身の視界には映っていた。

 (素早い!!!)

 瑠璃からしても、この攻撃はしっかりと当たるように、バースデンの動きの速度から計算した上での攻撃であったのだが、バースデンはそのスピードを上回る移動をしたのだ。

 それは瑠璃にとっては予想外のことでしかないが、そんな自身の予想を超えることは戦闘の中では起こり得ることだし、相手の方も自らの手の内の全てを見せるようなことをすぐにはしてこない場合がある。

 そうだと考えると、予想外が起こったからとして、焦るようなことをするのは愚かなことでしかないし、それに対して、対処していくためには、戦闘のいろんな可能性を普段から考え、己の戦闘勘というものを磨き上げるしかない。

 こればかりは、確立された方法があるというわけではないが、ただ言えることは、実直に常日頃から戦闘を想定しながらの訓練をしたりするようなことをしておく必要があり、すぐに身に付けられるようなものではない。

 だからこそ、日々の精進というものが必要なものが存在し、それを軽視するようなことはできないのだ。己を磨くことに終わりはなく、終わらせることを自分自身で決めて、できるしかないのだ。

 このことに関しては、細かく言えば、例外というものがないわけではなく、他者によって強制的に駄目になって、できなくなる場合はあるが、そのようなケースの場合は、ケースごとに要因をしっかりと考えていく必要があろう。

 世界とは簡単に人という存在が決めつけるようなことで、全てを理解したということにさせてもらえない。

 残念ながら、世界を全て理解したと言っているものおよび存在は、その気になっているだけでしかない。それは一種の思考停止という状態に陥っており、変化を一部でも経験している他者という存在に、最悪の場合は、淘汰される可能性へと近づくものでしかない。その思考停止を無意識のうちに正しいと思い始めれば、以上の淘汰される可能性すら気づけなくなるであろう。

 要は、競争は、競う相手を主観的に追い落とすことができると競争をしようとする者が思えるような状態でないと、発生することはない。

 競争は、時に、過剰になり過ぎて、競争者同士を疲弊させることもあるが、時に、双方を高めるような結果になることはある。何事も徹底的にすることが正しいとは限らず、ほどほど、もしくは、何もしないということが選択として良い結果をもたらす場合もあり、人はそのことに対して、しっかりと悩むことがあり、それは当たり前に近いことであり、そのことに向き合うしかないのだ。

 逃げることはできるし、逃げた方が良い場面もあるが、それと同時に、逃げるような要因をしっかりと考え、次はどうしようかと考え、実践の中で試行錯誤する必要がある。

 その時に、自分は正しいのだ、間違っていないのだ、ということを思い込みすぎないようにして、しっかりといろんな可能性をできる限り考える必要がある。そのことを忘れてはならない。

 そうやっていろんなことを考え、悩むことによって、挫折ということも含めて、人は人として成長していけるのだ。人が成長するということは、純粋のまま、何も傷を負わないということはない。傷こそが考えた証になろう。この面での傷とは、体の物理的なものだけでなく、心の内面によるものも含むのであり、その傷を悲観せず、自分なり立ち上がり、時には他者の意見やら知識および経験を借りながら進めば良い。個人には限度もあろうが、他者の考えを付け加えることによって、自らの世界を広げることができ、新たな可能性を見つけられるのだから―…。

 人は完璧でないゆえに、完璧になれないがゆえに、いろんな可能性を永遠に探すことができるのだから―…。

 人の無限の可能性という言葉を使っている者たちは、今の言っていることを無意識のうちに発しているだけに過ぎない。完璧に気づかずともある程度、無意識のうちに分かっているようなことは往々にしてあるので、何も自身は分かっていないというのはあまりにも自らを卑下しすぎだと思われる。

 さて、かなり逸れてしまっているので、物語の方に戻そう。

 瑠璃は、バースデンから消えるような感じで移動したのを感じ、辺りを警戒する。

 警戒度を上げたとしても、バースデンの位置を把握していなければ、何も意味を持たないものであるが、何もしないよりかはマシなものである。

 瑠璃はそう判断するし、油断して、自身にとって急所となる一撃を受けてしまえば、最悪なことでしかない。警戒するというのは、自身にとっての最悪の状態にならないため、ということも含まれるのだ。

 そんな瑠璃が警戒しているのを、バースデンはしっかりと見ることができた。

 ゆえに―…。

 (チャンス。)

 バースデンにとって、今の瑠璃は隙だらけと言っても良い。

 警戒して、バースデンの居場所がどこか分かっていないのだから、警戒することは間違っていないのだが、その警戒は何も意味をなしていない。

 だからこそ、バースデンはチャンスだと思ったのだ。

 チャンスだと思わない理由もないであろう。

 警戒していたとしても、隙がないわけではなく、瑠璃の死角を狙えば、確実に、攻撃を当てることができるのだから―…。

 瑠璃の背後に回り、一気に蹴りの攻撃をかけようとする。

 蹴り一発でかなりのダメージを瑠璃に与えられると計算して―…。

 蹴りをするのは、右足の方で―…。

 バースデンは、蹴りの攻撃を入れながらも、油断したわけではないし、瑠璃の動きに変なものを感じられなかったが、異変に気付く。

 「!!!」

 (何か、嫌な感じが―…。)

と、心の中で言っていると、瑠璃の方がバースデンの方へと向きを変えており、かつ、杖を持っておらず、剣を持っているのだ。

 一瞬、どうやって武器を変えたのかバースデンの方は不思議に思ったのであるが、瑠璃からしたら、杖を剣に変えたのではなく、仕込み杖の刀の鞘のような部分から抜刀するかのようにして、引き抜いたのだ。そうすることによって、剣での中距離戦闘へと移行しただけなのだ。

 そして、剣にバースデンの足が触れる。

 そこには、それぞれの天成獣から借りた力の量が纏われているのだ。

 そして―…。

 (斬れるような感覚がしない。これは―…。)

 直感の類のものでしかないが、バースデンの武器は靴であり、その靴は天成獣の宿っている武器であり、使用者の履きやすい大きさに自在変化するし、動きやすいようにする。それとバースデンの武器は靴とついになるかのように、籠手も同様であり、双子の天成獣とされるものである。

 この双子の天成獣は、かなり珍しいものであり、選ばれる人間もかなり珍しいが、実力に関しては、まだまだ不明なところが多く、伝説になるような人物はまだ誕生していないとされている。

 この異世界におけるこの地域において分かっていることを言えば、以上のようなこととなり、ある地域においてはかなり詳しく伝えられている場合も存在するし、未来においては伝説になるような人物が誕生していてもおかしくはない。

 未来は確定的なものであると思っているのは、人という視点から言えば、妄想の類でしかないが、すべての未来が分からないというわけではないだろう。ある程度、予測という名のもとに、こうなるだろうということで分かっていることはある。

 だけど、それが未来のある一地点において、完璧に実現されるということはない。未来は未知と言っても過言ではないのだから―…。

 バースデンは、瑠璃から攻撃をしたのであるが、動くことはない。

 距離を取れば、今のところでは不利になるだろうが、常に、瑠璃の近くにいるという選択も危険であることをバースデンは理解している。

 ゆえに、動けないのであるが―…。

 (グッ!!! こうも簡単に気づかれるとは―…。どうなってやがる!!!)

 バースデンの気持ちからしてみれば、この攻撃は確実に瑠璃に当たっていたとしてもおかしくはないと思っていたのだから―…。

 そういう意味では、瑠璃の方も手の内をバースデンに全て見せているというわけではない。

 警戒した中にバースデンの気配を感じて、そっちの方へと視線を向け、すぐに剣を引き抜いて防御したのだから―…。

 これは、高速移動の類を体に纏って利用したものである。ギーランの高速移動を応用したものであろう。

 つまり、膠着状態を手に入れたというわけだ。

 だけど、そのような膠着状態をずっと許してくれるようなことはない。

 バースデンが動く。

 籠手で覆っている右腕で、瑠璃に向かってパンチ攻撃をする。

 すでに、短剣は仕舞っており、両手で攻撃できるような状態にしていた。

 要は、本気だということだ。

 だけど、瑠璃の方も、バースデンの攻撃に気づいて、すぐに、剣の動きをズラし、パンチの方を剣に当たるようにするのだった。

 キーン!!!

 金属音がなる。

 普通に攻撃したら痛いものであろうが、天成獣から借りた力を纏っているのかバースデンは痛みを感じることはなく、押し切ろうとするが、少しして無駄だと判断する。

 (なら―…。)

 蹴りを止める。

 瑠璃の方もそれが見えたのだろうが、少しだけ距離を取ろうと考えるのだが―…。

 その判断は―…。

 「生魂撃。」

 バースデンの攻撃で意味をなさなかった。

 バースデンは、蹴りを止めて、離す時点で一気に高速移動に近い類を発動させ、左腕に、天成獣から借りた力を纏わせ、瑠璃の目には負えない速度で、パンチしたのだ。

 ゆえに―…。

 「ガァッ………。」

 瑠璃は何も抵抗することができずに、バースデンの攻撃を受けてしまうのだった。


第157話-3 VS六人の護衛 に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正もしくは加筆していくと思います。


では―…。

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