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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
745/748

第157話-1 VS六人の護衛

『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。


『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):

(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/

(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542


興味のある方は、ぜひ読んで見てください。


宣伝以上。


前回までの『水晶』のあらすじは、クリスマスの日、世界が石化するという現象が起き、石化されなかった瑠璃、李章、礼奈は異世界からやってきたギーランによって、異世界へと送られるのだった。そして、魔術師ローの話により、世界を石化させたのはベルグの可能性があり、彼を探すために異世界の冒険に出ることになるのだった。そんな中で、クローナを仲間に加え、アンバイドを一時的な協力関係を結ぶことになり、リースへとたどり着く。

 そこでは、ベルグの部下で幹部の一人であるランシュが仕掛けたゲームに参加することになるが、そこで、リース王族の一人であるセルティーと知り合うこととなり、チームを組んでランシュのゲームの中で最終的にはランシュを倒すのだった。それを利用したかつてのリース王国の権力者側であったラーンドル一派の野望は、それを知っていた王族でセルティーの母親であるリーンウルネによって防がれることになる。

 詳しくは本編を読み進めて欲しい。

 そして、リースは王族とランシュの共同体制ということで決着することになる。

 一方で、ベルグの部下の一人であり、ランシュと同等の地位にあるフェーナがベルグの命により、ベルグの目的達成のために、その部下ラナを使って瑠璃のいる場所を襲うが失敗。その時に、サンバリア側の刺客であることがバレて、瑠璃、李章、礼奈、それに加え、クローナ、ミランとともに、サンバリアへと向かうのだった。これは陽動作戦であり、ローもそのことを知っていて、瑠璃たちを成長させるために敢えて、乗るのであった。

 そして、瑠璃たちは、セルティー、ローらと別れ、船の乗り、サンバリアを目指すのだった。


 【第157話 VS六人の護衛】


 ミランのいる方。

 ミランは「闇の砲線」という技を使い、バンダルナを攻撃して、見事に命中させる。

 その結果、バンダルナのいると思われる場所には、砂煙とそれ以外の煙のようなものが発生していた。

 そんな煙の方を見たいミランであるが、まだ、一人、ガドリングを倒せていないので、そっちの方にも集中しないといけないので、バンダルナが倒せていることに気を向け続けることはできない。

 ガドリングがミランの隙だと判断して、攻撃してくる可能性があるからだ。

 この判断は妥当なものであり、戦闘経験があるのであれば、理解することができるものであろう。

 ゆえに、ミランは、動こうとする。

 (あっちね―…。)

 そう、心の中で言いながら―…。

 「だけど、甘いんじゃない。」

 ミランが動こうとした瞬間には、ガドリングがミランに攻撃可能なところまで、移動してきており―…。

 「!!!」

 (チッ!!! 向こうに集中しすぎた!!!)

 ミランは心の中で舌打ちをしながら、バンダルナの方に視線を向け、ガドリングの方を警戒していなかったことに対する自身のミスに悔しさを感じるのだった。

 だけど、その悔しさを反省している時間はない。

 そんな時間は一切、与えられていない。

 与えられているのは、いや、しないといけないのは、この状況から打破すること。

 それが一番優先されるべきことであり、しないといけないことなのである。

 ミランは、別の闇の球体を展開して、それをガドリングの防御に回そうとするが―…。

 「ガドリング、私はこんなただデカい砲撃でやられるような、柔な人間ねぇ~。」

 そんな声が聞こえる。

 (まあ、やられるとは思っていないんだけど―…。)

 ガドリングからしたら、バンダルナがミランのさっきの「闇の砲線」という攻撃でやられるような人間だとは思っていない。

 バンダルナの実力を考えれば、そんな弱い実力者が長によって、長の護衛の役目を担うようなことは決してない。

 そんなことをすれば、長の命を狙う輩に隙を見せるのと同じであるし、戦いの場では邪魔にしかならない。

 そんな弱い護衛のために、自らの時間を割くようなことはできないし、戦いの場がそのようなことを許してくれるわけがない。

 以上のように理解しているからこそ、バンダルナが長に認められているからこそ、弱いなんてことを言う気もないし、これぐらいのピンチで倒されるようなことはない。

 それに、二対一で戦っていて、自らが有利な立場にあることは分かっているのだから、相手の方は、二人を倒すために、ペース配分をしている違いないのだから―…。

 そうだと考えると、なるべく天成獣に借りられる力の量の消費を抑えようとするはずなので、一撃が最大威力になる可能性は低い。どれだけの実力を完全に判断することはできないが、それでも、自分達が倒されるようなことはないと理解できる。

 直感の類だが、直感を馬鹿にすることはできない。いろんな記憶や経験を無意識に使っているのだから、完全に正しいことはないであろうが、完全に間違うこともない。

 それを信じられるぐらいには直感は優れている。

 さて、話を戻すと、バンダルナは右腕を前に出しながらも、一撃も攻撃を受けていないような感じになっている。

 ミランも一瞬、そっちの方に視線を向け、疑問に抱くのだが、心の中で言葉にする時間はない。

 「じゃあ、終わりだ。」

 ガドリングは、右手に持っている短剣を構えた状態から、ミランにめがけて振るう。

 ミランを始末するために―…。

 三人組の一人ではなくても、必要とあれば、人を殺すことを躊躇うことはない。なぜなら、自分達がいるのは戦いの場であり、いつ、どこから、誰かによって殺されるのか分からない以上、なるべく、自らの危険になる存在を先に始末しておくのは、いたって真面なことであろう。

 だが、それは同時に、別の面で、恨みをかう可能性がある。

 それは、殺された者と関係のある者からの恨みをかい、その人物から復讐される可能性をもつことになるからだ。その復讐に対して、対処できる場合もあるし、逆に対処できずに自らの命を散らすことがあるのだ。

 それを完璧に判断することは、人という存在にはできない。

 できるはずもない。

 人という存在は、完璧に物事や他者の感情を把握することができるわけではないし、分かったつもりになっている場合だって、往々にしてあるわけだ。

 知り得る範囲に限度というものが存在している以上、失敗しないという可能性から逃れるようなことはできない。

 だからこそ、行動することは、何かしらの失敗を導き出す可能性があるということであり、自分には関係ないという馬鹿なことを思い浮かべることなどできやしないのだ。

 それを理解しなければ、人は過ちを何度も何度も繰り返し、本当の意味で反省できる可能性を無にしてしまうことだってある。

 なので、行動する時は自身の落ち度はある可能性があると開き直るしかない、ということだ。

 ミランは、ガドリングの短剣の単純な攻撃を受けるような真似をする気はない。

 ミランは、すぐに、闇の球体をガドリングが振るっている短剣の軌道上に展開し、自らはすぐに横に素早い移動で回避するのだった。

 その結果―…。

 ズン!!!

 闇の球体状のものに衝突するのだった。

 それを真っ二つにするかのようになったのだが、ミランに攻撃が当たるようなことはなかった。

 「!!!」

 (クッ!!! 闇を囮にして、移動か―…。こっちは素早く移動して追いつけるのだが、バンダルナが絶対にそれを許してくるようなことはないな。)

 ガドリングは、バンダルナの攻撃の番なのではないかということに気づき、ミランのいるだと思われる場所に視線を向けるのだった。

 それは、バンダルナの攻撃を邪魔すると、バンダルナの手加減のない攻撃を自身が受けてしまうということが分かっているので、バンダルナの攻撃の邪魔になるようなことはしない。

 自らの体を守るために―…。

 一方で―…、バンダルナは―…。

 (あ~、ガドリングの野郎が私の獲物に邪魔をしようとしたようだが、自制心はあるようだな。さっきの闇の攻撃は、私の攻撃で防げることが分かった。なら―…。)

 バンダルナからしたら、ガドリングがミランの隙を狙うことに対して、感情の面ではイラつきの感情を持っているのであるが、それでも、冷静さがないわけではない。

 そして、ミランがガドリングの攻撃をかわしたことに対して、内心では褒めているのだが、自らが属してい組織は略奪団であり、ミランは敵というか襲撃される対象である以上、そのような感情を表に出して見せようとはしない。

 そのようなことをしてしまえば、略奪団での立場がなくなるであろうし、居場所はここにしかないと思っているのだ。戦いを求めているからでもあろう。

 そんなことを思っていると、ミランがガドリングの攻撃を回避したので、今度は自分の番だと判断して、行動に移す。

 ミランを倒すための―…。

 ミランは、バンダルナの気配を感じるのだった。

 だけど―…。

 「もう一度喰らいなさい。」

 ミランも分かっている。

 バンダルナに「闇の砲線」という攻撃が通用しないということを―…。

 だけど、これにはしっかりとした狙いがある。

 ゆえに、再度、同じ攻撃をする。

 闇の二つの鞭のようなものをうねうねとさせながら、自身の前の方へと出し、「闇の砲線」を出そうとするのだった。

 今度は素早く準備し―…。

 「闇の砲線。」

 バンダルナに向かって、「闇の砲線」を放つのだった。

 (さっきと同じ攻撃か―…。意味のないことだ。一度、防がれた攻撃を再度するのは二対一の中ではかなりの愚策でしかない。俺は別の相手を探すべきかな。)

 ガドリングは、ミランの相手はバンダルナに任せておけば、十分であると判断し、別の相手を探そうと考え始めるのだった。

 だけど、そのようなことをしたとしても、万が一に、ということもあるので、なるべくミランが倒されるだろうと確信できるまでは、ミランの方にも警戒しながら、別の相手を探し始めるし、他の戦局がどうなっているのかを見る。

 一方で―…。

 ミランの「闇の砲線」はバンダルナの方へと向かって行く―…。

 そんな再度の同じ攻撃をしてくるのを感じて―…。

 「また、そんな攻撃をしてくるのか?」

 バンダルナはそう言いながら、右手を前に出す。

 そして―…。

 「防御円盾(ぼうぎょえんだて)。」

 そのように言うと、地面に触れるほどのバンダルナを覆う透明な盾が展開される。

 その盾によって、さっきの「闇の砲線」の攻撃を防いだのだ。

 その結果は―…。

 (やっぱり―…。)

 あっさりと防がれるのだった。

 「防御円盾」は、ミランの「闇の砲線」という攻撃をあっさりと防ぎ、さらには、傷一つつくことなく耐えるのであった。

 そのような光景にミランは、なぜ、自分の攻撃が防がれてしまったのかを理解する。

 これは狙いの一つでしかない。

 そして、バンダルナはミランの方へと視線を向け―…。

 「フン、さっきまで、良い動きをしていたりもしていたのだが、こうも単純な攻撃をしてくるとはガッカリだぜ。こう言いたくはないのだが、お前は馬鹿だ。馬鹿は何度も同じ攻撃をしてくる。いつかは成功すると思いながらなぁ~。そんな奴は私のハンマーの一振りで一撃だ。」

 バンダルナは、自分が相手にしてきた中で、一番弱いと感じたのは、通じないと分かり切っている攻撃を何度もしてくる輩であり、そんな相手は、バンダルナの武器であるハンマーで一振りに、始末してきたのだ。

 そういう輩が言っていたセリフがバンダルナの言っていた、「いつかは成功する」というものである。

 人は同じ失敗を繰り返すが、時に、成功する可能性は十分にあるが、それはたまたま、成功する要因があったからであり、同じことを繰り返して失敗することを回避したわけではない。

 なので、しっかりと成功した要因と失敗した要因は何であるのかをしっかりと考えないといけないし、それをしっかりと当てないといけない。

 この要因を探ることは簡単に見つかるようなこともあるし、その逆も場合によってあり得ることなのだ。

 だからこそ、簡単だと決めつけることはできない。

 そして、人は失敗をしないわけではないし、本当の意味で物事を完璧に把握することができる生き物ではない以上、要因を間違った感じで探り、それを正解で正しいと思うことだって十分にあるし、そうとは言えないという批判はできないものである。

 以上でも述べたように、人は失敗しないことから逃れるようなことはできないからこそ、要因を間違って理解することから免れるようなことができない以上、要因が本当に正しいのか考える必要があるし、確かめる方法も完璧ではないから、要因の理解が間違っていることを考慮に入れて、物事を進めないといけないことは十分にあり得る。

 失敗に向き合うとは、こういうことであり、失敗しないと逃げるのではなく、失敗の原因を考え、良くなるかどうかは分からないが、自分のできることを最大限考え、周りへの影響はどんなものであるのかという配慮も、さらに、それができていると思い込まないことも重要なのである。

 そうすることで、自らのすべき行動を冷静に見ることができるようになるものであり、その時に初めて、自らの成功に近づけることができる可能性を手に入れることになるであろう。

 失敗を受け入れ、進むしかない。自らの別の可能性も、世界の別の側面も、視野を広げるということも含めて、見ていかないといけない。

 ゆえに、人生とは簡単なものではなく、悩みのあるものであり、悩みながら、物事に向き合っていくしかない。誰もが通る道であるのかもしれない。

 さて、話が逸れてしまったので、話を戻すと、バンダルナは何度も何度も同じ攻撃をする人間を嫌う。失敗しているのだから―…。成功しているのであれば、話は変わるのであろうが、弱い人間がそのようなことばかりしていたので、それが一つの価値観の中に溶け込んでしまっているのだろう。

 バンダルナは、ミランに一つ失望しながらも、倒さないといけない相手であると分かっている以上、攻撃の準備をするのだった。

 一方で、ミランは―…。

 (成功―…。)

 何に成功したかは明らかではないが、ミランの思い通りになっているのは確かであろう。

 そうでなければ、このようなことは言わない。

 決して、バンダルナやガドリングに聞こえないようにするために、勘ぐられないようにするために、表情を変化させることなく、心の中で思うのだった。

 そして、ミランの方も何かしらの策を考えるのだった。

 バンダルナを倒すための方法を―…。


第157話-2 VS六人の護衛 に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正もしくは加筆していくと思います。


では―…。

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