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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
737/748

第154話-7 膠着する戦い

『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。


『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):

(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/

(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542


興味のある方は、ぜひ読んで見てください。


宣伝以上。


前回までの『水晶』のあらすじは、クリスマスの日、世界が石化するという現象が起き、石化されなかった瑠璃、李章、礼奈は異世界からやってきたギーランによって、異世界へと送られるのだった。そして、魔術師ローの話により、世界を石化させたのはベルグの可能性があり、彼を探すために異世界の冒険に出ることになるのだった。そんな中で、クローナを仲間に加え、アンバイドを一時的な協力関係を結ぶことになり、リースへとたどり着く。

 そこでは、ベルグの部下で幹部の一人であるランシュが仕掛けたゲームに参加することになるが、そこで、リース王族の一人であるセルティーと知り合うこととなり、チームを組んでランシュのゲームの中で最終的にはランシュを倒すのだった。それを利用したかつてのリース王国の権力者側であったラーンドル一派の野望は、それを知っていた王族でセルティーの母親であるリーンウルネによって防がれることになる。

 詳しくは本編を読み進めて欲しい。

 そして、リースは王族とランシュの共同体制ということで決着することになる。

 一方で、ベルグの部下の一人であり、ランシュと同等の地位にあるフェーナがベルグの命により、ベルグの目的達成のために、その部下ラナを使って瑠璃のいる場所を襲うが失敗。その時に、サンバリア側の刺客であることがバレて、瑠璃、李章、礼奈、それに加え、クローナ、ミランとともに、サンバリアへと向かうのだった。これは陽動作戦であり、ローもそのことを知っていて、瑠璃たちを成長させるために敢えて、乗るのであった。

 そして、瑠璃たちは、セルティー、ローらと別れ、船の乗り、サンバリアを目指すのだった。


 場所は変わって、瑠璃のいる場所。

 瑠璃はソルと対峙している。

 ソルは―…。

 (ここまでじっとしておくのは危険だな。動くか―…。)

 ソルは動き出す。

 高速移動で―…。

 瑠璃の視線にはソルが消えたかのように見える。

 「!!!」

 (どこに!!!)

 ソルの一瞬の行動に驚きながらも、すぐに、周囲を警戒する。

 ソルとの戦闘の中で、ソルは瑠璃の視界から消えて、分からなくなったところ、隙の部分から攻撃を仕掛けてくるということを瑠璃は理解している。

 だからこそ、警戒しながら、隙を一切つくらないように見せかける必要がある。

 最初の方は―…。

 一方で、ソルは、瑠璃が見える場所にいて、瑠璃の隙を窺う。

 ソルからしてみれば、ワンパターンの攻撃としか思えないものであろうが、この純粋なワンパターンこそ、最高の戦略であることを知っているし、消える敵に対処できるようなことはないのだから―…。

 人のスピードを上げることに対するのには、限界というものがしっかりと存在するのだから―…。それはそれぞれ異なっている。

 ゆえに、人よりも速く動けるソルなら―…。

 (見えた!!!)

 ソルは瑠璃の隙を見つけたのだろうか、すぐに瑠璃の方へと最速で向かって行く。

 その時間は一秒もあったかどうかは分からないが、それぐらいの時間で瑠璃へと攻撃できる範囲へと到達して、一気に自らの武器である短剣を出すのだが―…。

 通ったと思ったら―…。

 「!!!」

 感触がない。

 ソルはそのように感じた。

 言葉にすることはないが、おかしなことだけに気づく。

 そして、それが―…。

 (残像!!!)

 であることに気づく。

 気づいた時にはすでに遅かった。

 そう―…。

 「!!!」

 まるで何かに狙われているような感触がする。

 その感触は、ソルにとっては絶対に与りたいものではない。

 感覚で分かるのだ。

 嫌な感覚、自分が敗北する感覚。

 そのような感覚に纏わりつかれながらも、何とか抵抗しようと考えるが―…。

 そんなことが許されることはない。

 「雷直進。」

 瑠璃がそう言うと、杖の水晶の部分をソルの方に向けている場所側に雷の球体があり、そこから、ソルに向かって雷が発射されるのだった。

 強力なのが一発。

 なぜ、瑠璃がこのようなことができているのかというと、ソルの攻撃を寸前のところで察知し、足の方に光を纏わせて、高速移動を可能にして、ソルの真後ろへと周り、その間に、雷での攻撃が可能になるための準備をしていたからだ。

 そして、瑠璃は迷うことなく、ソルを倒すために大きな雷の一発を放つのだった。

 迷ったら負けると思い―…。

 そして、その一撃をソルは回避することができず―…。

 受けるしかなかった。

 「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 ソルは大ダメージを受ける。

 回避することができなかった以上、避けることのない結果。

 ソルも実力者の類に含まれる可能性のある人物であろうが、スピードに過信して、相手との駆け引きを弱めてしまったこと、単純なパターンに陥ったことが、瑠璃との戦闘での敗北の結果を導くのだった。

 (……ガァッ………………、クソッ…………………………………………………。)

 悔しさを心の中で思いながらも、意識が失われていくことに気づいているのか分からないが、失っていくのだった。

 雷の攻撃が終わると、ソルは倒れるのだった。

 瑠璃は周囲を警戒しながらも―…。

 (……………速かったなぁ~。移動も勝利も―…。)

 そう思いながら―…。


 礼奈のいる方―…。

 そこでは―…。

 「いやぁ~、凍らせることに関しては、天才的な才能―…、いや、戦闘センスはピカイチ。そこのラーグラとかいう奴とは天と地ほどの差だ。だけど、いくら戦闘センスがあるからと言って、多勢の実力者と戦えるわけではないだろ。まあ、数が多すぎても連携の問題が出てくるので、そこを突かれたらお終いだが―…。」

と、長は言う。

 長からしてみれば、礼奈が天才的な戦闘センスを持っていることに対して驚きはするが、それでも、対抗することができないわけではない。

 それに、二対一にできていると理解しているのだから―…。

 それでも、ラーグラは戦闘では役に立たないであろうが―…。

 (………………褒めてもらえるのはありがたいけど、二対一はあまり良くないな。)

 礼奈からしたら、二対一が自分にとってあまり有利なものではないことはしっかりと理解しているのであるが、そうであるとしても、現状に文句を言ったとしても良い結果になることはない。

 自らの力で抵抗するしかない。

 だからこそ、より警戒するのであった。

 長はそんな礼奈の態度に気づく。

 (こりゃ。厄介なのも事実だが、二対一で終わると思うか。)

 そう、すでに、長はすでに、二対一の状態ではないことを知っているが、数が多すぎても、連携面の問題が出て、返って、不利になる可能性があることを理解している。

 なら、長としてとるべき作戦は決まっている。

 「じゃあ、落とすとしようか。」

 そう、長が言うと、大剣をつき―…。

 「熱波。」

 そうすると、礼奈の氷が溶かされ始めるのだった。

 「暑いときに冷たいものが体に気持ち良い感覚を与えるのなら、冷たい時には暖かいものが体に良いのは決まりきったことだ。なら、俺の天成獣の属性を使えば、可能だ。」

 長は言う。

 冷たいという感触に出会うことが少ないせいで、冷たいことにどう対処すれば良いのかを理解するのに時間はかかったようであるが、それへの対処法を見つけたようだ。

 長の扱っている武器に宿っている天成獣の属性は、火である。

 ゆえに、氷を溶かすことは可能である。

 氷を水にするということで―…。

 そういう意味では、礼奈は気候の不利と相性の不利を同時に抱えることになったのだ。

 そして―…。

 礼奈に凍らされた六人も、長の「熱波」という技によって、氷が溶けて動けるようになった。

 (八対一!!!)

 礼奈がなぜ、最初に六人もの人数の略奪団の一員を凍らせたのか。

 それは単純なことだ。

 「お前は最初に俺の近辺を守ろうとした奴らを凍らせた。それは、最初に六人を無力化させた方が自身にとって有利な戦闘に踏み込めるだろうと考えたからだろ。さらに、俺やラーグラには、いろいろと確認しないといけないことがあるから、最初に凍らせるようなことはしなかった。つまり、最初から俺らを凍らせるようなことをしていたら、勝っていただろうが、対策法を考えられてしまった時点で意味はなかった。ということで、お前らは、キャラバンの方を襲え。」

と、長は言う。

 このような命令をするのには十分な理由がある。

 この六人がかなりの実力者であり、守らせるよりも、キャラバンの方を占拠させることに成功した方が得だと判断したからだ。

 それに、そのような命令を考えていた上での行動であり、長は礼奈に勝てるかどうかは分からないが、ラーグラを上手く利用すれば可能性であると判断しているからこそであろう。

 「はっ!!!」

と、代表して一人が言うと、六人はキャラバンのいる方へと向かうのだった。

 それを止めることは礼奈にはできなかった。

 長とラーグラを倒すことをしない限り、この戦いに勝つことはできないとわかっているからだ。

 これを乗り越えるしかない。


 【第154話 Fin】


次回、まだ、戦いの方は続きそう、に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正もしくは加筆していくと思います。


最近の執筆しているところで、戦闘が終わったという感じなので、後、二十弱のエピソードが戦闘とイスドラークでのある動きに費やされると思います。

思っている以上に、戦闘描写が増えたなぁ~、という感じです。

実際は、ネームには書いていても、カットしたところもあるので、減ったり増えたりという感じなのでしょう。そして、セリフ以外のところが増えたりしたのが一番の原因だと思いますが、長くなったのは―…。

そこは反省しないといけないと思いますが、乗ってしまうとそうなります。反省です。

ということで、次回からは第155話という感じになり、動きがあるかもしれません。

では―…。

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