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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
718/747

第150話-1 氷をも破る男

『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。


『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):

(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/

(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542


興味のある方は、ぜひ読んで見てください。


宣伝以上。


前回までの『水晶』のあらすじは、クリスマスの日、世界が石化するという現象が起き、石化されなかった瑠璃、李章、礼奈は異世界からやってきたギーランによって、異世界へと送られるのだった。そして、魔術師ローの話により、世界を石化させたのはベルグの可能性があり、彼を探すために異世界の冒険に出ることになるのだった。そんな中で、クローナを仲間に加え、アンバイドを一時的な協力関係を結ぶことになり、リースへとたどり着く。

 そこでは、ベルグの部下で幹部の一人であるランシュが仕掛けたゲームに参加することになるが、そこで、リース王族の一人であるセルティーと知り合うこととなり、チームを組んでランシュのゲームの中で最終的にはランシュを倒すのだった。それを利用したかつてのリース王国の権力者側であったラーンドル一派の野望は、それを知っていた王族でセルティーの母親であるリーンウルネによって防がれることになる。

 詳しくは本編を読み進めて欲しい。

 そして、リースは王族とランシュの共同体制ということで決着することになる。

 一方で、ベルグの部下の一人であり、ランシュと同等の地位にあるフェーナがベルグの命により、ベルグの目的達成のために、その部下ラナを使って瑠璃のいる場所を襲うが失敗。その時に、サンバリア側の刺客であることがバレて、瑠璃、李章、礼奈、それに加え、クローナ、ミランとともに、サンバリアへと向かうのだった。これは陽動作戦であり、ローもそのことを知っていて、瑠璃たちを成長させるために敢えて、乗るのであった。

 そして、瑠璃たちは、セルティー、ローらと別れ、船の乗り、サンバリアを目指すのだった。


 砂が舞い上がり、地面に僅かばかりの亀裂が走る。

 キャラバンの先頭が先に進めないような亀裂が走るようにしている。

 それは、ポンガルが亀裂を上手くコントロールしているからであろう。

 「地破腕撃」。

 大きな威力だけの技のように見えて、実際は、かなりマメなコントロールを要する攻撃である。

 誰かが真似をしようとしても簡単にはできないだろうし、ポンガルの並々ならぬ日頃からの訓練や、試行によってできているものであることを、現地で見た者なら分かることであろう。

 そして、その攻撃を放ったポンガルは―…。

 (これで、キャラバンが逃げられるようなことはないだろう。後は味方の援軍が到着することと、例の依頼主の三人組を始末することか。三人組はさっきの攻撃してきた小僧がその中のメンバーだったな。)

と、心の中で言う。

 確認作業は大切なことであるし、誰を始末しないといけないのか、依頼でミスをしないためにはやっていかないといけないことだ。ミスによる損失はかなりのものなのだから―…。

 そして、砂煙のある方をポンガルは見続ける。

 そして―…。

 (到着したか。)

と、ポンガルは心の中で言うのだった。


 【第150話 氷をも破る男】


 「ポンガルさんよぉ~。やりすぎじゃないか。」

と、一人の人物が言う。

 ポンガルとしても知り合いなので、返事をする。

 「ソルよぉ~。あいつらの実力を知らないからそんなことが言えるんだぜ。」

と、ポンガルは言う。

 ポンガルと今、会話しているのは、略奪団の幹部の一人であるソルという。

 彼は、ポンガルとは異なり、筋肉ムキムキの大柄の男ではなく、ヒョロヒョロで、いつ倒れてもおかしくはないほどの体形をしており、多く食べてもそのような体形が維持されているという感じの体質を持っている。決して、能力者ではない。

 だけど、略奪団の幹部の一人である以上、実力はポンガルと同等ぐらいのものである。

 ゆえに、ポンガルがいたとしても、ビビるようなことはしない。

 そんななか、ポンガルは―…。

 「今回の依頼の三人組の抹殺は、かなりの数が必要だぁ~。すでに六人がやられた。雷と風、そして、氷がいる。雷と氷に関しては、それぞれ光と水の属性のものだと思われる。まだまだ、奴ら、本気を出したわけじゃない。」

と、付け加える。

 ポンガルとしても、ソルとは情報共有をしっかりとしておく必要がある。

 そうでないと、略奪団同士で情報を交換しなかったことにより、内部での溝が発生する可能性があるからだ。

 それは避けないといけない。

 長がいるから何とかなるという考えでは、略奪団として生き残ることはできない。

 長もそういうことを理解しているのであろうから、幹部にはそれなり権限を与えているのである。

 あくまでも略奪団の秩序を乱すようなことまでは許されていないし、慣習に近いものでもあるのだが―…。

 そして、情報共有で嘘を吐く気はない。

 自分が現時点で分かっている敵の情報を伝える。

 「そうかいな。なら、ここに集まった長と依頼主以外と一部の者以外の全員で対決するしかないか。長もそのようにすぐに、自分の判断を変えたから―…。」

と、ソルは言う。

 長の言葉を一言一句憶えているわけではないが、内容はこんな感じであったな、という感じで言う。

 少しばかり適当なところでもあるのだろうか?

 そのように感じられる。

 だけど、情報を完全に間違った状態でポンガルに伝えているわけではないので、そういう意味では、しっかりとしているようには思えるが―…。

 そのように感じさせない理由は何かしらあるのだろうか?

 そこの不思議に対して、言及できるわけでもないので、省略をしないといけない。

 そして、ソルはそのことを伝えながらも警戒を怠っていないわけではない。

 怠れる暇など存在しない。

 ポンガルの情報によれば、敵は本気を出してはいないのだから、それを出されたら、自分達で上手く対応できるかどうか、その未知数についてもしっかりと警戒せずにはいられないし、先に派遣した五人に加え、先走っていった者の一人があっさりと倒されている以上、実力がないという判断を下すのは危険なことに過ぎない。

 ソルはそういう意味では、情報をしっかりと正確に判断できる能力が高いと言ってもおかしくはないであろう。

 そんななか、砂煙は暫くの間、続くのであるが、二人の会話はまだ途切れるような感じではなくなりながらも、軽快さはなくなる。

 「そうか、長が言うのなら、事実だろうな。あの人、役人上がりの癖に妙に戦闘勘というものがあるんだよなぁ~。そういう人の意見を無視できるほど偉くはないから、力を蓄えていくか。」

と、ポンガルは右腕に、天成獣から借りた力を纏わせる。

 そうすることで、相手が自分の「地破腕撃」を凌ぐことができていたのなら、向こう側もこれだけの時間があれば、何かしらの準備をしていてもおかしくはない。

 そうである以上、自分達も何かしらの準備をしておかなければ、返って、戦況を不利にさせてしまうという勘がはたらいているからこその行動である。

 略奪団は日頃から、略奪をおこなう関係で、戦闘訓練に事欠くようなことはできないし、情報収集も加えて、しっかりとおこなわないといけないということをしっかりと認識している。

 だからこそ、実践と訓練の二つの面における良い回転がなされている場合、集団としての実力、個々としての実力はそれなりのものになりやすい。

 (……………………………………………………………………。)

 ソルの方は静かに動向を見守る。

 すでに、略奪団の者達はこの場に集まっており、状況によってすぐに包囲もしくは攻撃ができるように準備を整えている。

 動いているのではなく、その指示を聞いて動けるように、自らの武器を取り出しているとも言える。

 中には、素手で戦うことをしている者達もいるので、全員が武器を持っているわけではないが―…。

 そんななか、戦闘態勢を整える間に、砂煙は次第におさまっていく。

 その時―…。

 「!!!」

 ポンガルは気づく。

 (狙われた!!!)

 だけど、心の中でポンガルがそのように言おうとも、対処できないというわけではない。

 それでも、自分の油断を突かれたのではないかと思えたからだ。

 そして、そんなことをした奴らを倒すための準備はしっかりと警戒している中でも十分にしていたのだ。

 「(あめ)ぇ~んだよ!!!」

と、ポンガルは言いながら、右手でパンチをする。

 そして、敵の右足とポンガルの右腕が衝突する。

 ドオン!!!

 そのような音がしてもおかしくはない、そんな感じの―…。

 「ガハァッ!!!」

 敵の方がそのような声を出してしまっている。

 それは、ポンガルの攻撃がかなりの威力を持ち合わせていたからだ。

 そうである以上、一旦、ポンガルから距離を取らないといけない。

 回転しながら、後ろへとポンガルの敵は動く。

 (駄目でしたか。それにしても、あんな強い攻撃を打てるなんて―…。明らかに蹴りだけで戦えるような相手ではありません。)

と、ポンガルを攻撃して失敗した李章は心の中で思うのだった。

 そうしている間に、砂煙が完全に晴れ、キャラバンの状況が略奪団にも分かるようになるのであった。


第150話-2 氷をも破る男 に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正もしくは加筆していくと思います。


ここら辺りを執筆しているあたりから、かなり体調が怪しかったと思います。

そのせいで、文章量がかなり短くなりました。

無理しないとなると、文章量が減りそうな感じになります。

何とか、2025年中までに略奪団の襲撃を終えて、イスドラークの章に入っていきたいと思います。その前のサンバリアの動きがどれくらいになるかによりますが―…。


さて、次回の投稿日は、2025年7月29日頃の予定です。

では―…。

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