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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
713/747

第149話-1 六人を倒すことに成功するが―…

『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。


『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):

(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/

(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542


興味のある方は、ぜひ読んで見てください。


宣伝以上。


前回までの『水晶』のあらすじは、クリスマスの日、世界が石化するという現象が起き、石化されなかった瑠璃、李章、礼奈は異世界からやってきたギーランによって、異世界へと送られるのだった。そして、魔術師ローの話により、世界を石化させたのはベルグの可能性があり、彼を探すために異世界の冒険に出ることになるのだった。そんな中で、クローナを仲間に加え、アンバイドを一時的な協力関係を結ぶことになり、リースへとたどり着く。

 そこでは、ベルグの部下で幹部の一人であるランシュが仕掛けたゲームに参加することになるが、そこで、リース王族の一人であるセルティーと知り合うこととなり、チームを組んでランシュのゲームの中で最終的にはランシュを倒すのだった。それを利用したかつてのリース王国の権力者側であったラーンドル一派の野望は、それを知っていた王族でセルティーの母親であるリーンウルネによって防がれることになる。

 詳しくは本編を読み進めて欲しい。

 そして、リースは王族とランシュの共同体制ということで決着することになる。

 一方で、ベルグの部下の一人であり、ランシュと同等の地位にあるフェーナがベルグの命により、ベルグの目的達成のために、その部下ラナを使って瑠璃のいる場所を襲うが失敗。その時に、サンバリア側の刺客であることがバレて、瑠璃、李章、礼奈、それに加え、クローナ、ミランとともに、サンバリアへと向かうのだった。これは陽動作戦であり、ローもそのことを知っていて、瑠璃たちを成長させるために敢えて、乗るのであった。

 そして、瑠璃たちは、セルティー、ローらと別れ、船の乗り、サンバリアを目指すのだった。


 一方、少しだけ離れた場所。

 長がキャラバンを観察している場所。

 「バリアか!!! 厄介なのがいやがるな!!! それに雷か。天成獣の宿っている武器を扱うことができる者か、能力者かのどちらかであろうな。ラーグラ、お前が依頼した奴ら、かなり倒すのに苦労するタイプだぜ。お前の実力が雑魚であると知っているが、あいつらはお前では一切、手も足も触れることさえ不可能だぜ。」

と、長は言う。

 長からすれば、ラーグラでは確実に、三人組を始末できないのは、さっきのことから理解できる。

 だけど、自分達なら、かなりの苦戦は予想できるが、何とかなる可能性は十分にある。

 それでも、確実に勝てるという保証はどこにもないということを悟るには十分。

 依頼を受けた以上は、成功させるために動く。

 それが依頼を受けた者の責任なのだから―…。

 撤退するという考えがあったとしても、それを今の段階で判断するようなことではない。

 撤退するにしても、それなりの時間がかかる場合だってあるし、相手の実力を把握してからの撤退でないと後々、再度、襲うようなことになった場合に、情報不足で困るからだ。

 そんなことを見通しながら、撤退の判断もしくはさらなる兵力投入の判断を伺うのであった。

 「私の実力を見破っているので、正しいことを言いますが、私はサンバリアの中で一番弱い。天成獣の宿っている武器を扱う者の中で―…。だけど、俺の姉ちゃんは強い。そして、サンバリアの重役を務めてる。その姉ちゃんを怒らせれば、お前らのような略奪団は簡単に崩壊する。そのことは頭の奥底までに刻んでもらおうか。」

と、ラーグラは悔しそうにしながらも、圧をかけるように言う。

 虎の威を借る狐。

 そのような存在でしかないが、それでも、使わないよりかは良いことであり、権威というものは後ろの偉大さというか恐ろしさがあればあるほど、その後ろ盾を得ている者からしてみれば、これほどに有難いものはない。

 だけど、そればかりでは結局、その後ろ盾に裏切られるか、いなくなってしまえば、それを借りていた者達は結局、化けの皮が剝がされるような状態へとなってしまい、その権威の利用によって恨みを買った人達からの報復を受けるだけである。

 そのことに気づいているかどうかは分からないが、それでも、その可能性を高めるということは十分にあり得るのだ。

 そうである以上、後ろ盾の権威の使い方というのは慎重に考慮することは忘れない方が良い。

 だけど、ラーグラはそのことを理解できないようだ。

 血の繋がったという感覚があるからこそ、より強くなっているのだろうと判断するかもしれない人もいるだろうが、正しくは、血縁と同時に、スラムの環境の中で暮らしたということが、不遇に遭った時代をともに過ごしたということが、より強くさせているのだろう。

 同じ釜の飯を食う。

 というような感じなのかもしれない。

 「そうだろうなぁ~、サンバリアは、この地域じゃあ~、最強の軍事力を誇る軍事国家。そこに逆らうにはよっぽど、こちらのプライドを踏みにじることをしてくるか、それに加え、サンバリアを倒すことができるかもしれない人間もしくは組織に出会うか、ということだ。」

と、長は言う。

 長からしてみれば、サンバリアを倒す勢力というのはないわけではなかろうが、その可能性がある存在はかなり少ないとみている。

 なぜなら、サンバリアの軍事力がアウリア大陸の中で一番であるということを考えると、それを破るには一人だけならば、かなりの実力が必要であるし、その実力は歴代最強である必要がある。そんな存在はいない。この時代においては―…。

 一方で、それができるだけの組織や勢力があるのなら、その勢力を纏めるだけの力を有しながら、一つの目的を達成するために、犠牲をなるべく減らすことができるだけの智謀も必要になってくる。そのような存在とそれが実行できるという組織および勢力は、ほぼ皆無であるが、一つだけその可能性があるものがあるのを長は知っている。

 言葉にはしないが、あの集団であることは確かである。

 そんなことを思いながらも、長はラーグラに対して、その勢力を言ったりすることはない。

 サンバリアの方でも気づいているだろうし、その勢力への対策を何もしていないとは思えない。

 もしもしていないのであれば、そいつはかなりの愚か者であるが、それを意図的に分かってやっているのなら、サンバリアのことを裏切ろうとしている人間であろう。

 現実は、少し違うのではあるが、長が手に入れられる情報からの判断だと、今の判断は致し方ないと思える。

 人が得られる情報というものは、決してすべての情報を得られるというわけではなく、どこかしら欠けているのだ。ゆえに、判断におけるミスを避けることはできない。

 そうである以上、情報に対して、慎重になることは悪い事ではないが、間違っていることも考慮に入れながら、すぐに間違っている可能性があるのなら、引き返せるような判断を下すようにしないといけないし、それぐらいの冷静さが必要である。

 その冷静さは誰かの説得には難しいものであろうが―…。感情に訴えることができない以上―…。

 「そんなものはいない。」

と、ラーグラは言い切る。

 サンバリアがどれだけ強いのかをいろんな情報から得ているし、それが軍事力が基盤になっていることは知っている。

 だけど、その理解は表面上のものでしかなく、本当の意味での強さは軍事力とそれと同時に非人間性によるものであると、知っているものなら判断することができる。

 だからこそ、アルタフは、今のサンバリアの体制の考えには嫌悪感を抱くし、王政の最後の王の時代が良いと考えるのだ。

 周囲との関係を蔑ろにしている今のサンバリアでは―…。

 そして、ラーグラの言い切る言葉に対して、長の方は心の中で呆れながら―…。

 (そのように思える人間が社会の中に蔓延ってしまえば、その社会の崩壊を早めるだけだ。国を愛することを周囲に押し付けるような、国を愛するという気持ちが本当の意味でないものが牛耳る社会には不幸しかない。)

 そして、往々にして、そのような周囲への愛国心を押し付ける者は、自分は国を愛しているとまるで溺愛しているように言うが、それは本当の意味でも愛ではないし、愛国心なんて言って良いものではないであろう。

 国を愛することには懐疑的な気持ちを抱くべきであろうし、国は住んでいる人々の本当の利益のために奉仕というよりも、貢献しているのかが重要であり、それを国の支配者側が自分勝手に判断して良いものではなく、国に住んでいる人々がそれぞれにおいて、自由意志に近い感じではっきりと本音で言えるような状態で判断されないといけない。

 そのような判断でなければ、結局、国の支配者は、支配される側の本音を本当の意味で理解しないだろうし、理解することを拒絶しており、自分のやっていることが正しいという妄想に囚われた視野狭窄の、周囲に不幸を起こす存在であり、危険でしかない。

 そうならないように、日頃から自らの国に住んでいる人々の声を多く、聞き続けないといけない。支配する側は―…。そのことを支配する側は忘れてはいけないし、自分を疑いながらも、信じることを怠ってはいけない。

 そういう意味で、長というのは、このことにおける以上のことを完全に理解しているわけではないが、愛を強要する奴にろくなものがおらず、そいつもしくはそいつらによって引き起こされる不幸というものを知っているのであろうか?

 疑問形にはなるが、実際の経験ではなく、想像から理解することもできる。人には考えることができる能力を持ち合わせているのだから―…。


 【第149話 六人を倒すことに成功するが―…】


 場所はキャラバン。

 その中央あたりの位置する部分。

 そこには一人が倒されている。

 それは瑠璃が倒した敵である。

 そこには、その光景を一瞬ではあるが、クローナも視線を合わせるのであるが、すぐにまだ、敵がいるのかもしれないと判断し、周囲を見回す。

 ここで集合するのはあまりにも危険なことであるし、分断されていても、戦えるだけの戦力はあると自負している。

 より強く警戒する。

 バタン。

 瑠璃を攻撃しようとして、反撃された者が倒れる。

 戦闘不能であることに間違いはない。

 瑠璃もそのように判断し、より強く警戒する。

 その隣を李章が通り過ぎる。

 (瑠璃さんが一人を倒したみたいです。私は―…。)

 李章は、「緑の水晶」の危機察知を利用して、危険だと判断されている人物の方へと向かう。

 ボスの方ではなく、キャラバンを襲おうとしている連中の中で、危険な存在を―…。


 移動中の略奪団のメンバー。

 「おいおい、アレルガが簡単にやられちまった。それも雷の一撃で―…。天成獣の属性の中であんなのあったか。」

と、略奪団のメンバーの一人はビビりながら言う。

 ビビッてはいるが、そのスピードを緩めることはない。

 自分達が相手の実力を確かめるための要員であることは分かっているし、その任務を全うすることぐらいはしっかりとおこなうつもりがある。

 それぐらいのことを理解できない人間が、長の率いる略奪団の中で生き残れる可能性は少ない。

 「普段ならいないが、最近、リースの方で、政変があって、その中で雷を使う少女は政権を握っている騎士を倒したとかって、ラナトールの街の方で噂になっていた。」

 別の一人が言う。

 「そうかい、ポンガルさん。」

 さらに、別の人物が言う。

 瑠璃のことがラナトールで噂になっていることを、知った経緯はここで話す必要はないが、ラナトールへと潜入して、情報収集ができるほどにポンガルという人物は密偵として優れていることなのであろう。

 現実に、本当にそうなのかはまだ、疑問に感じられることであろうが―…。

 そして、ポンガルは、その噂の人物がアレルガという略奪団の切り込み隊長のような役割を担う人間を、こうも簡単に撃破できることに驚きながらも、与えられた任務ぐらいは全うすることに信念を向ける。

 そして、五人は進んで行く。

 キャラバンの方へと近づいてくると、キャラバンの方からも確認できる具合になっていた。

 それに気づかないはずもない。


第149話-2 六人を倒すことに成功するが―… に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正もしくは加筆していくと思います。


今日、パソコンは急に切れるわ、キーボードで文字が打てなくなるわで、大変でした。もう、直りましたが―…。そのせいで、半分しか進められませんでした。ショックです。今回の分の話ではありませんが―…。

そういう意味で、皆さんも、パソコンの調子には気を付けてください。

そんな日だなぁ~、と今のところは思っています。

皆さんにも幸運があらんことを―…。

では―…。

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