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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
712/747

第148話-6 略奪者

『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。


『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):

(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/

(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542


興味のある方は、ぜひ読んで見てください。


宣伝以上。


前回までの『水晶』のあらすじは、クリスマスの日、世界が石化するという現象が起き、石化されなかった瑠璃、李章、礼奈は異世界からやってきたギーランによって、異世界へと送られるのだった。そして、魔術師ローの話により、世界を石化させたのはベルグの可能性があり、彼を探すために異世界の冒険に出ることになるのだった。そんな中で、クローナを仲間に加え、アンバイドを一時的な協力関係を結ぶことになり、リースへとたどり着く。

 そこでは、ベルグの部下で幹部の一人であるランシュが仕掛けたゲームに参加することになるが、そこで、リース王族の一人であるセルティーと知り合うこととなり、チームを組んでランシュのゲームの中で最終的にはランシュを倒すのだった。それを利用したかつてのリース王国の権力者側であったラーンドル一派の野望は、それを知っていた王族でセルティーの母親であるリーンウルネによって防がれることになる。

 詳しくは本編を読み進めて欲しい。

 そして、リースは王族とランシュの共同体制ということで決着することになる。

 一方で、ベルグの部下の一人であり、ランシュと同等の地位にあるフェーナがベルグの命により、ベルグの目的達成のために、その部下ラナを使って瑠璃のいる場所を襲うが失敗。その時に、サンバリア側の刺客であることがバレて、瑠璃、李章、礼奈、それに加え、クローナ、ミランとともに、サンバリアへと向かうのだった。これは陽動作戦であり、ローもそのことを知っていて、瑠璃たちを成長させるために敢えて、乗るのであった。

 そして、瑠璃たちは、セルティー、ローらと別れ、船の乗り、サンバリアを目指すのだった。


 移動中のキャラバン。

 その中で、後方で見張りをしている礼奈とミラン。

 違和感にはまだ気づいていない。

 「一度は行ってみたいという気持ちになるけど―…。」

と、ミランは言う。

 羨ましい気持ちがあり、嘘で言っているような感じではない。

 そんな感じではあるが、現実世界もまた問題を抱えていることはあるであろう。

 そんなことを礼奈は思いながらも、砂漠の熱さと同時に、暇の時間を持て余しているのであるが―…。

 「!!!」

 何かしらの気配を感じるのだった。


 一方、キャラバンへと向かう者。

 (ゆっくりとしか移動していないようだし、追いつける。それに、気づかれていないようだ。)

 一人の人物は、目的であるキャラバンの方へと向かう。

 これからおこなわれるは、略奪を生業とする者達の集団による略奪行為だ。

 そうである以上、相手に気づかれ、守られるようなことになってはいけないので、ギリギリのところまで、気づかれない方が良い。

 相手は対策をとるのには、どうしても時間を消費してしまうのだから―…。

 そういう意味では、彼らは自らの仕事に慣れているという感じではあった。

 そして、ギリギリのところで、彼らは分散し、別々の場所から襲撃をかけようとする。

 相手の護衛を分断するために―…。

 その戦略は間違っていないどころか、正しいと言っても差し支えない。

 さっき、心の中で言った人物は礼奈やミランではなく、キャラバンの、隊商の先頭へと向かうのであった。

 そのことにミランと礼奈が気づかないわけではないし、対応するのはかなり難しく―…。

 「敵襲――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!」

と、ミランが叫ぶ。

 このように言っておけば、一時的に、動きが止まるであろうが、何とか動けるだろう。

 そして、この場合、すぐに察知して行動ができる人間がいるのだから―…。


 前方の方。

 ほんの数秒前まで時間が戻る。

 「!!!」

 李章は、「緑の水晶」が危機を伝えるのを感じる。

 「緑の水晶」の能力であり、この危機察知が何度も、自分達の危機に対する対処法を伝えてくれているのだから、その意見に従わないという選択肢は存在しない。

 そうである以上、李章は何が危険であるかを念じるように「緑の水晶」に伝える。

 そこから―…。

 「少しここから離れます。敵です!!!」

と、李章は、ミグリアに伝える。

 李章としても、詳しく説明ができるのであれば、そのようにするであろうが、そのような時間は存在しない。

 ならば、簡潔に伝えるしかなく、そして、すぐに行動をとらないといけない。

 そうしないと対処することができないと分かっているからだ。

 ミグリアは、李章の行動に驚く、呑気に頭の中で考えている時間が存在するわけではない以上、すぐに指示を出さないといけない。

 そう判断した時―…。

 「敵襲――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!」

と、ミランの叫び声が聞こえる。

 そこからすぐに、ミグリアは判断して―…。

 「馬車停止―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!」

と、自分が出せる声と、最大限の長さで後ろのキャラバンの方に伝える。

 そうしないと、移動しながら戦うことになるし、それは護衛にとって迷惑なことでしかない以上、護衛が逃げろというまでの間は、動かないようにするのであった。

 護衛の方が、こういう時には自らの経験をしっかりと言ってくれることを理解しているので、隊商側である自分達が必要以上に口を出して、護衛の戦いを制限してしまうのは良い結果を生み出さない。

 商品を守るのは自分達の仕事であるし、護衛は商品を守っている自分達を守る仕事であり、彼らの実力を信じるしかない。

 商人で戦闘ができる人間もいるのだが、護衛よりも劣っている方が多かったりする場合が多大なので、そこから、考えると護衛にこういう時は任せる方が得であり、今は、大人しくする。

 そして、ミグリアの言葉により、キャラバンの者達が気づく。

 そして、馬車のようなものを停止させようとする。

 その時―…。


 キャラバンの先頭へと向かっている者は―…。

 そのキャラバンの中間あたりで―…。

 (二つに分断させる!!!)

 そうして、この人物は、砂の方に向かって、大きな蹴りを入れる。

 (良ければ、キャラバンの砂の中に!!!)

 この人物は自分の仕事を理解しているのだろうか。本当に―…。

 そう思いたくもなるが、あくまでの馬車のようなものではなく、外に出ている人間を砂の中に沈めるという感じで攻撃をする。

 最低でも威嚇の役割を果たせれば十分であると思いながら―…。

 クローナが、

 「危ない!!!」

と、叫ぶと同時に、この人物は砂に大きな蹴りを入れ終え―…。

 ドバーン!!!

 何かが落下し、水面から水がはじかれるような感じで、砂が飛ぶ。

 その砂は波だと表現してもおかしくはない。

 波だ。

 それは、この人物がキャラバンの方に向かって、砂が飛ぶように計算しての攻撃である以上、このキャラバンの護衛の中で一番近くにいるクローナが巻き込まれるのは必至な状況だ。

 何も対策を打ち出せなければ―…。

 だけど―…。

 ドーン!!!

 砂はキャラバンを飲み込むのだが―…。

 (……………………………………………………………。)

 この人物は、攻撃が成功したのかを確信する気はない。

 なぜなら、成功したのなら、その結果はすぐにではなく、時間の経過とともに分かるということをしっかりと理解しているのだから、少しだけ動きを止める。

 そして、油断するつもりはない。

 他を牽制するためにも、油断していないぞ、という雰囲気をしっかりと醸し出す。

 そうやって、砂漠の中で略奪を生業としている者達の最強集団の中で、切り込み隊長のようなことをしてきたのだから―…。

 砂の方は、砂埃を上げるものと、逆に、砂がこの人物の方へとまるで、滑る感じで戻ってくるのに判れる。

 そのことにより、この人物は―…。

 (………………………埋もれたという感じではない。つまり、チッ!!!)

 分かるのだ。

 自分の攻撃が―…。

 砂埃が晴れると同時に、砂が滑りながらこちらへと戻って行くのと同時に、あるものが見えてしまうのだ。

 防がれたということが―…。

 その直感的な予感がしたからこそ、舌打ちをしてしまったのだ。

 油断をしないということと、想定外の方法で防がれるのはある意味で違うし、驚くな、という方が無理なことであろう。

 そして、そこには、さっきのこの人物が大量の砂を蹴り上げることによっておこなわれた攻撃が、防御テント(バリア)に防がれた(された)という証拠が面前と示されたのだ。

 「ふう~。」

と、クローナの方は少しだけ、安心した気持ちにさせるのだった。

 そう、クローナは「白の水晶」を使い、砂が来る前に展開を終え、防ぐことに成功したのだ。

 クローナからしてみれば、間一髪という感じである。

 少しでも気づくことに遅れていれば、キャラバンごと、砂の中に埋もれていたとしてもおかしくはなかったのであるから、そうだと考えると、クローナの判断は間違ってはいないことになる。

 そして、バリアからクローナは敵の一人を視界の中に入れるのだった。認識するのだった。

 見えてしまった以上は、敵の方へと攻撃すれば良いのだが、クローナの方もすぐには攻撃をすることはできなかった。

 護衛という仕事を請け負っている以上、後ろのキャラバンの安全を考えながら、戦わないといけない。

 他に敵がいるのではないかということを確かめないといけない。

 そして、すでに、敵が一人でやってきているわけではないことに気づく。

 (他にも敵がいる。そちらの方はミランと礼奈が対処しようとしている感じ、李章の方も動いてる。瑠璃は後ろにいる。守りは完璧。なら―…。)

と、クローナは心の中で言う。

 このように言っているのは、クローナからしてみれば、後ろの安全は瑠璃が保障してくれるという期待というよりも、信頼であることによって、自分は目の前に敵に向かっては、全力に近い状態で戦えるということだ。

 そうである以上、手加減する必要はない。

 クローナは自らの武器の二つに風を纏わせ、刃の部分を両手を抱きしめるような感じで移動させ、そこから数の攻撃を二つからそれを合わせて、一つに敵の方に向けて放つ。

 その間に、「白の水晶」を展開していたので、それを解除し、相手へとしっかりと攻撃を当てるようにする。

 一方、敵である砂を蹴る方法で攻撃してきた者は―…。

 (やべぇ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!)

 心の中でそう思いながらも、冷静さを失っているというわけではない。

 そうである以上、冷静に対処できる方法を見い出せるかどうかは分からないが、それでも、できることがあるのではないかと考えることができる。

 そして、クローナの攻撃がやってくる直前で―…。

 「!!!」

 避ける。

 そして、高速移動を砂で攻撃を開始した者がする。

 クローナは一瞬で目に追えなくなる。

 外れた攻撃は、砂の山なりにぶつかって、ドオーンと音を上げる。

 クローナはそっちの方へと視線を向けているだけの時間はなく、自分がしなければいけないことは、キャラバンを護衛することであり、敵を必ずしも倒すことではない。

 追い返しさえすれば良いということも分かっている。

 そして、砂を蹴って、砂でキャラバンを埋もれさせようとした人物は―…。

 (良し!!! 一番乗りは俺―…。)

と、同時にジャンプして、蹴りでキャラバンの荷物が入っているであろう部分に攻撃を加えようとするが―…。

 「!!!」

 その前に―…。

「征け!!! 電玉 放撃!!!」

と、瑠璃の言葉により、砂で攻撃をしようとしたものは、もろに攻撃を受けるのだった。

 「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

と、言う叫び声を上げながら―…。

 その雷の攻撃をもろに受けるのは、いくら天成獣の宿っている武器を扱うものであったとしても、危険なことでしかない。

 そういう意味で、敵を戦闘不能にさせるためにはもってこいの技であることには間違いない。

 瑠璃もそのような確信を抱いたのか―…。

 「まずは一人―…。」

と、言うのであった。


 【第148話 Fin】


次回、足で雷に触れるな に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正もしくは加筆していくと思います。


ここからは、略奪団との戦いとサンバリアでのある事件を取り扱っていくことになります。グロさがサンバリアの方で出るので、そこには注意してください。

次回の投稿日は、2025年7月15日頃を予定しています。

では―…。

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