表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
煙の民ヨハネ  作者: 牛タン
第一章 旅人の始まり
1/8

第一話 旅の始まりは、わがままから

 【697年1月18日】


《現在地:第二十九柱・火鉢の巡-火鉢村(ひばちむら)


空は青く太陽が照らす。

人並みに溢れている村で、森に囲まれていた。

そこに、暇で退屈している一人の少年は地面に、指でぐるぐると小さな円を描きながら暇を潰していた。



「ひまーー」


「村長に、なにもかも禁止されて遊ぶこともできないし、新聞読みたいのに誰も渡してくれないし…」


「新聞読むの禁止されたのが一番許せない…」


「僕の唯一の楽しみが…」


「バモ爺め絶対に許さない……」


ブツブツ言いながら、地面を指でなぞっていた。



禁止されている理由は、単純に危ないのと村長の過保護や無謀な願いだからだ。

彼は好奇心が強く、影響されやすい。

新しいことに目がなく、新聞に載っている出来事を真似したり、その人物になりきったりで、一度決めれば諦め悪く、我儘(わがまま)で面倒見が悪い。

そのせいで、周りにも少し迷惑かけて、村長によくキレられている。


地面を描くのに飽き飽きして立ち上がり、家に帰った。

その道中に一つの新聞が落ちていた。


「はぁーーーー」

「あれ?…」

「…新聞がある」


偶然にも新聞が、そこにあった。誰かが落としたものだろう。

少年は、誰も見ていないか辺りをキョロキョロ見渡す。内心ドキドキしているが、素早く手に取り、服の中に入れた。側から見ると服の中に何か入れていると、直ぐに分かるが、何事もなかった顔をして早歩きで家に戻った。


扉を閉める

バタン!


「よっし!」

「新聞ゲット〜〜!!」

「どれどれ早速――」

「お?なにこれ…旅人が大ブーム??」


少年の目に止まったのは、タイトル名が大きく、強調的な記事だった。その記事は少年の興味を駆り立てる単語ばかりで、声に出しながら夢中に読んだ。


「――そうして旅は、自分探しにもなり…大地の王にもなれるだろう………。」

「え、もう終わり?」

「まだまだ気になるぅ…」

「それと旅人になってみたい!」

「お兄ちゃんに聞いてみよっ!」


ズウゥー〜ン


猛ダッシュで、ロークを探しに行った。


「お兄ちゃんー?」

家には居なかったようだ…


「ここか?」

茂みにも居なかった…


「お兄ちゃん出てきてー」

隅々まで探したが居ない…


お兄ちゃん探しは一苦労で、なかなか見つけられなかった。


「あ、もしかして――」


村長の家まで向かう

やっとロークが居た。ロークは壁に背付けて立っている。テスカーは元気よく目の前まで来た。


「やっと見つけたよぉー」

「ねぇねぇお兄ちゃん!」

「旅人ってな〜に!!」


椎茸目になり、キラキラさせながら気分が昂っている。


(…あれ待てよ…テスカー…まさか新聞読んだのか?!)

(あちゃちゃ…まーたこいつの悪い癖だ…)

(当分の間は旅人になりたいとか駄々こねるなぁ………。トホホ)

「え?あぁ、旅人と言うのはね、各地を巡る人達だな。基本暇人で酔いしれの娯楽さ」


「ふーん。暇人とか、お兄ちゃんみた――」


ロークの拳がテスカーの頭の上に降りてきた。


「痛てて、殴るほどじゃないじゃないかっ!」


細目でニヤっとし、怒ったロークは優しい顔を保っている。


「お兄ちゃんは…暇人ではありませんっ」


テスカーは頭の上に手を添えて、少し涙目になる。


「気にするとかそこ?沸点低ぅ」


ズゴッ!またもう一発頭の上に拳がぶつかる。テスカーは、もう……涙目だ。


「ぅぅぅ…この…」


のそのそと長い白鬚を親指と人差し指で撫でるように触りながら、小柄な老人がゆっくり近づいた。


「これこれ、なにしとる。」

「まーた弱い者いじめかぁ?ロークよ」


頭を下げるローク


「すみません村長さん。ついカッとなって…」


頭を下げるなと手を振る村長。

テスカーはまだ涙目だ。悪い予感を感じながら村長は聞く。


「頭を下げなくてもよい、大体状況が分かる…。」

(新聞読むのやめさせたはずじゃが………また誰かのを盗んで読んだのか?……)

「それにテスカーよ…また何か…やりたいことでもできたのか?」


涙目はなくなり、代わりにまた椎茸目でキラキラしだした。


「うんうん!それがねそれがね!――」


話しを最後まで聞かずに遮る村長。


「バッカもーん!!」

「どうせまた、ろくでもないことだろ。お前も18になった頃合いだし、この村に貢献できる仕事とかしなさい!」


村長は過保護で、テスカーには畑仕事しかさせたくない。なぜなら外は危ないからだ。それにテスカーは畑仕事が嫌いだ。つまらなく面白くない


「でも、でも、」


「ダメと言ったらダメだと何回言わせるんじゃ!!」


ロークは隣でニヤつき、喉でクックックと笑っている。テスカーはそれを見て歯を噛み締めた。


(クソお兄ちゃんめ……。)

「なりたいもんはなりたいもん!」


呆れてわいるが、何になりたいのか一応聞く村長は、テスカーの目の前まで近づく


「はぁ。で、何になりたいのだ」

「テスカー」


待ってましたと言わんばかりに答え出す。


「旅人になりたい!!」


「旅人…じゃと?」

「ダメじゃ」


即答でダメと言われ、ムスーと顔をするテスカー。


「聞いたくせにだめなのかよぉ。」


ロークはプスッ、と口を吹き出す。


「諦めなさいテスカー。ダメなもんはダメだからのー。」


村長は何か思い出し、あ…と顔をしだし焦る。全力疾走で何処かに向かう。…どう見ても駆け足にしか見えないが。


「忘れておった。」


ロークはニヤついた顔から真顔になる。村長の焦りと事の重大さを理解したからだ。


「村長さん。“あれ”ですか?」


「あー、あれだ…最近ボケが酷く、」


「大丈夫です。ボケがあっても俺らは怒りません。」


(すまない)

「南の方角だ。マリとフェイを呼びに行くから先に行っておくれ」


村長が言い終わる前に走り出した。

ロークの左手には短剣に右手にはピックナイフを構えて、南に向かった。


(え、まさかあの悪魔…)

「村長さん、付近にあの悪魔が出たんですか?」


「…そうだ。」

「皆には言うなよ。」


そう言って遠くなっていく村長の背中を眺めながら、テスカーは慌て怖がる。



(どうしよどうしよ悪魔が付近にいる。)


(村の皆んなに知らせた方がいいのかな…)


(でも村長は皆んなに知らせて欲しくないと言ってたしぃ)


(ぅぅぅ。…勝手な事はしないでおこう)


(あ、でも人生で初めて悪魔を見てみたいかも)



テスカーは無駄に好奇心だけは高い…南の方角に走り出すテスカー。


「はぁはぁ。走ってもっ。全然見つからない。」


遠くから聞いたこともない音が聞こえる。金属同士が擦り合ったような音で不快感を覚える音に近い。その方向に向かうにつれ音が大きくなり、不快感がさらに強まる。胸の奥が、むしゃくしゃなる感じとイライラと感情の起伏が起きる。やばいと思い引き返そうと歩んだが、音が止んだ。

その瞬間に空気が止まった気がした。


「…あ……………」


目の前に3メートル近い存在がいた。

二足歩行で傷だらけのせいで青い血を流す悪魔がいたのだ。全体は短い黒い毛で覆われており、コウモリの耳と横腹に金属の様な翼が生えていた。腕は太く、その大きな手が目の前まで来た。その悪魔は人間の血を吸い回復しようとしていた。


(死んだ……あーあ…)

「たす…」


テスカーは()()()()がした。


ビュッンッ――ボトッ…


悪魔が腕を伸ばした、瞬間――悪魔の手が地面に落ちのだ。


この悪魔は頑丈な翼で防御をしていた。この翼が一番厄介でロークを苦戦させていた。だが今、翼は地面に触れており、弱いと判断した人間を目の前にして腕を伸ばしてしまったのだ。その油断が致命傷にとなり。手首を切断できた。

…首も狙えたはずだが――首を跳ねても悪魔の体はまだ動くかもしれない。それを想定してテスカーを守るために手首を切り落とした。

そして悪魔は後ろに後退し、翼を擦り合わせながら不快な音が、悪魔の耳から響き出した。悲鳴のような音で、鼓膜がつんざく。


「テスカー!耳を塞げ!!」


ギィィン~ギィィィン~ギィィィンィ~!!


空間が波紋の様に響き渡る錯覚が起きた。いや実際には歪んでいたのかもしれない。そして西の方角から槍が飛んでいった。気づけば悪魔の頭は穴が空いており、音が止んだ。


地面に刺さった槍を軽々と抜き槍を軽く肩に担ぎながら女が近づいてきた。

「わりぃわりぃ遅れた。」


悪魔の頭を容易く貫いた女は、テスカーとロークに近づく――

ここまで読んでいただきありがとうございます!

もしよければ感想などいただけると嬉しいです。

初投稿で、不慣れですが少しでも楽しんでくれたら嬉しいです。


キャラ紹介

主人公:テスカー。

人種:人間

性別:男

身長:169cm

年齢:不明

好きな事:新しい事

特徴:白髪で髪の長さは肩まである。細い体つきで、可愛い顔している。

特技:物覚えは異常に早く、何かに飢えてるようで物覚えが早い。見た動きを再現できる。


ローク。(ヒロインぽじ?)

人種:人間

性別:男

年齢:29歳

身長:177cm

称号:狩人

嫌いな事:灰人が関連してる事

特徴:茶髪で目が赤い。筋肉質。ギザ歯だが黒い布マスクで隠してる。少し尖った耳。緑のボロボロした布を着ている。厚着に見える服装だが、彼にとっては実用性…狩人にとって一般的な実用性のある服だ。


村長:バモ

人種:人間

性別:男

年齢78歳

身長:160cm

称号:漁猟。遺物ハンター。主。英雄殺し。波わたり。

特徴:細目、猫背、杖を使ってる。最近独り言が多く、近くに寄ると独り言が聞こえる。右足は義足。今はもう現役じゃない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ