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イケメン兄弟はわたしに夢中!?〜幼なじみが家族になった〜  作者: 天咲リンネ


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30/33

30:告白(1)

「……理。愛理。朝だぞ。起きろ」

 肩を揺さぶられて目を覚ました。

 重い瞼を持ち上げる。

 すると、目の前に千聖くんの顔があった。

 それも、ドアップで!!


「!!!??」

 私は赤面しながら跳ね起きた。

 危うく昨日の二の舞になるところだったけれど、千聖くんはひょいっと身を引いて顔の衝突を防いだ。

「なななななな」

 予期せぬ千聖くんのドアップに、心臓がバクバク音を立てている。


「どーだ。寝起きの顔面ドアップは心臓に悪いだろうが」

 経験者は語る。

 そんなドヤ顔で言って、千聖くんは腰に左手を当てた。


「もう七時半だぞ。起きないと遅刻する」

「……う、うん。起きた。それはもう、ばっちり」

 私はこくこく頷いた。

 冷水を顔に掛けられたような気分だ。

 眠気が丸ごと吹き飛んだ。


「愛理が寝坊なんて珍しいよな。何? もしかしておれのこと考えて眠れなかったとか?」

「……うん」

「えっ」

 冗談で言ったつもりだったらしく、千聖くんの顔が赤くなった。


「だって、予知夢で見ることができてたら、怪我しなくて済んだのに……」

 申し訳なくて、私は俯いた。


「はあ? 昨日ずっとそんなこと考えてたのか? 馬鹿だなあ」

「馬鹿じゃないもん! 私は本気で、真面目に考えてたもん!」

 私は顔を上げて叫んだ。

「怪我した千聖くんなんて見たくないもん! 千聖くんはずっと元気で、笑ってて欲しい……」

 ボロボロと涙がこぼれる。

「千聖くんが怪我したり、泣いたりするのは嫌だ。一番嫌だ。私にとって、千聖くんは一番大事な人なの。千聖くんの悲しい未来を防げないなら、予知夢なんて何の意味もない……」

 ひくっ、としゃくりあげる。


「………………」

 千聖くんは何も言わない。

 気になって顔を上げると、彼の頬はほんのり赤く染まっていた。


「どうしたの?」

「いや……なんか……。うん。気のせいなのかもしれねーから確認させて。愛理って、もしかして、おれのこと、好きだったりする?」

「うん、好き」

「それは、幼馴染として?」

「ううん、一人の男の子として好きなの。大好き」

 目を見つめてきっぱり言うと、千聖くんの顔はたちまち真っ赤になった。


「そ、そう……」

 千聖くんはどこか気まずそうに目を左右に泳がせてから、やがて、意を決したように言った。


「おれも、愛理のことが好きだ」


「えっ?」

 私は驚きに目を見開いた。

 酸欠の金魚のように口をパクパクさせてから、ハッと気づいて口を閉じる。


「あ、そっか。幼馴染としてってことだよね」

「いや、そうじゃなくて。だからっ」

 千聖くんは顔を真っ赤にしたまま、私の目をまっすぐに見つめて言った。


「おれも、愛理のことが好きなんだよ。ただの幼馴染じゃなく、一人の女子として。ずっと前から、愛理のことが好きだった」

「………………ええっ!!?」

 私は今度こそ仰天した。


 千聖くんが私のことを好き!?

 え、嘘、え、ええっ!?


「で、でも、学校じゃ、私のこと、ただの幼馴染だって言ってたよね?」

「しょうがねーだろ。好きだなんて正直に言えるかよ。クラスの連中にからかわれるのは嫌だったし……何より、愛理に拒絶されたくなかったんだ」

「拒絶なんて、そんなことするわけないよ。嬉しいよ。すごく……本当に」

「そっか。なら、もっと早く言えばよかったな」

 千聖くんは照れたように、恥ずかしそうに笑った。


「…………」

 感極まって、私はなんだか泣きそうになり、俯いた。


 千聖くんが、私のことを好きだったなんて。

 それも、ずっと前から?


 どうしよう。

 嬉しくて、嬉しすぎて、胸がいっぱいだ。

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