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イケメン兄弟はわたしに夢中!?〜幼なじみが家族になった〜  作者: 天咲リンネ


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21/33

21:ハイタッチ!

 二日後の朝。今日の天気は雨。

「ふわあ……」

 パジャマ姿のまま、眠い目をこすってリビングに行くと。

 英語のロゴの入った水色のTシャツを着た優夜くんと、赤いシャツを着た千聖くんが揃ってご飯を食べていた。


 昨日は夜更かしして眠かったのに、優夜くんの服装を見た瞬間、寝ぼけていた私の脳は完全に覚醒した。


 もしも田沼くんたちが私の警告を聞かなかったら、優夜くんは今日、田沼くんたちにいじめられて泣いてしまう!


「ゆ、優夜くん、おはよう」

「おはよう。どうしたの?」

 動揺を隠せない私を見て、優夜くんは目をぱちくり。


「えっと、あの。優夜くん……」

「愛理」

 警告するべきかどうか迷っていると、千聖くんが落ち着いたトーンで私の名前を呼んだ。

 不安にさせるようなことは言わなくていい、と目が言っている。


 ――もし今日、田沼くんたちが話しかけてきたら聞かなくていいからね。何かされそうだったら全力で逃げてね。今日はなるべく一人にならないで――


 喉まで出かかっていた数々の言葉が、千聖くんの視線を受けて消えていく。


「……なんでもないの。今日は雨だね」

 リビングの大きな窓の外を見て、私は言った。

 窓の外では、まるで誰かが泣いているかのような雨が降っている。


「? うん。雨だね?」

 優夜くんは困惑顔。

 この雨のように、優夜くんが涙を流したりしませんように。私は心底祈った。



 果たして、その日の夕方。

 クラブ活動が終わり、急いで家に帰ると、優夜くんはリビングでジロさんと戯れていた。


「おかえりなさい、愛理ちゃん。今日はオムライスよ」

 キッチンでエプロン姿の麻弥さんが微笑んだ。


「そ、そうなんだ。やった、私、オムライス大好き……」

 重いランドセルを背負ったままの私は、息を弾ませながら笑顔を作った。


 オムライスは嬉しいけど、それより今日、優夜くんは無事だったのか。

 田沼くんたちに何もされなかったのか。そればかりが気になる。


「大丈夫。何もなかったらしい。優夜のキーホルダーも無事だった」

 私より先に帰っていた千聖くんが寄ってきて、私の耳元で囁いた。


 優夜くんが振り回すひも付きの玩具にジロさんがとびかかる。

 玩具を操りながら、優夜くんは楽しそうに笑っている。

 平和そのものの光景だ。


「……良かったあ……」

 私は胸に手を当てて大きく息を吐いた。

 優夜くんが無事で、本当に、本当に良かった。


「ありがとな。全部愛理のおかげだ」

 喜びをかみしめていると、千聖くんが手を上げた。

 手のひらは私に向いている。ハイタッチを待つ構えだ。


「どういたしまして!」

 私は笑顔で手を上げて、千聖くんとハイタッチした。

 パン、とリビングに軽い音が響く。


 ――ああ、最高に気持ち良い!


 笑い合う私たちを見て、優夜くんと麻弥さんは「何してるんだろう?」という顔をしていた。

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